君と僕の出会い
最初は君の存在を知らなかった。
僕が君を意識し始めたのは、
学校にある図書室だった。
「どうしてこんな高い位置に
本が置いてあるんだよ。」
「ちゃんと背が低い奴にも
配慮して配置しろよな。」
僕は、場所を考え小声で怒りながら言った。
「あーギリ取れない。」脚立も台もないし、
どうしたらいいのか分からず途方に暮れていた時、
「もしかしてこの本?」
僕は驚いた。
だって、この図書室には
あまり人が居なくて
ほぼ貸し切り状態だったからだ。
「う、うんそうだよありがとう。」
「確か弥生くんだよね。」
「そうだけどなんで僕の名前を?。」
「だって去年一緒のクラスだったから。」
確かに言われてみれば、
僕より背が高い女子が居た様な気がする。
「あと、月が関係してる名前だから。」
「月?」
「君の名前は、藤堂弥生くんでしょ。
弥生は、昔の言葉で三月って言う意味だから。」
確かに僕の親は三月生まれだから
この名前を付けたと、よく言っていたが
そういう意味だったのか。
だけど、それくらいで名前を覚えられるか?。
あまり喋ったことの無い奴のことを。
「あの大変失礼なことを伺うんですけれど。」
「ん?何?。」
「あなた様の名前は何でしょうか?。」
「ふふっ、何それ?」
「名前?如月瑠奈だよ。」
「私の名前も、月が関係してるんだ。
如月は昔の言い方で二月って意味だし
ルナはラテン語で、月って意味だから。」
なるほどだから僕の名前も覚えていたのか、
自分と同じ月が関係してる名前を。
これが僕と君の出会いだった。
始めまして、黒稲 鴉です。
今後も書くと思うので宜しくお願いします。