嘘日記と歌2
2017.7
横道にはぐれた草の花が咲いている。子どもが無邪気に、花が散る前に摘んで捨てていた。
2017.7
細い細い道にぎうぎうと家が立ち並ぶ、歩いても歩いても日が差さないのは、この建物のせいである。三階建てに至っては他の家を日陰にしていた。
2017.7
昨日より歩いてみた、懐かしいその道に出た、陽光が暖かく、風は無く、その先には警察署がある。免許の更新以外で来た事は無い。
2017.7
久しぶりに休みを取った、そんな今日、崩れ落ちてしまって、なんだか残念だ。
2017.7
朝顔が、蔦のように巻いてこうべをたれていた。水をたくさんやった。帰宅した頃には少し葉が揺れていた。
2017.7 晴
帰り道、月がきれいである。お天道様があたらないのが夜だけれど、月の光もお天道様の光だなぁ、と無駄な事を考えながら、いつものように子供らと寝た。
2017.7 歌
輝きはしがらみの中に。乗るはずの自転車のタイヤは暑さで割れた。箱庭の花でありたいが為に、乗ろうと思うのに割れている。不可思議なのはパンクしても自転車は自転車、輝きは光の中では存在しなく、暗い中でも地味として、パンクのチャリで走り出す、君の僕のその自転車は、走れないのに、自転車なのだ。苦しいのは君のペダル。降りて歩いて、いつしか月明かり。タイヤは交換すればいい。日陰の花も散るがいい。はじける前に、根も葉もない事も良い。