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浅く深いようで浅い日記、後に歌  作者: みのれみのり
13/24

脱線


子カラスのカアは、仲間といるのが嫌だった。


黒いし、怖いし、たくさんいるし、うるさいし。


カラスのカアは、1人になりたくて、木を、1つ2つ、建物を1つ2つ、越えて、空き地に出た。


人間の子どもたちが何人かでボールを蹴っていた。


カラスのカアは黙って見ていた。


人間の子どもたちは、時に声を出し、笑い、触れ合う。


カラスのカアは、人間とカラスが大して違わないように感じた。


人間の子どもたちがそれぞれ違う方へ別れて行く。

帰るのかな、とカラスのカアは思った。


細い煙が立ち上る。


カラスのカアは臭くてたまらない。


羽をバサッと揺らした。


しわしわの人間が、座って、口に棒を咥えている。そこからフワフワと臭い煙が出ていた。


カラスのカアは、バサッバサッと羽を揺らした。


何故、こんな臭いものを。


カラスのカアが見ているとしわくちゃな人間は、棒をくしゃくしゃと何かに入れて、家に入った。


家の前でこんなものをどうにかしているなんてどうにかしている。


カラスのカアは、コホンと咳をした。


カラスのカアは、夕焼けに飛んだ。


人間はカアを見ると遠ざかる。


カアを見ると鳥も遠ざかる。


尖ったクチバシで、カアと鳴いた。


一人ぼっちでカアと鳴いた。


エサの取り方も知らない。


カアは、鳴いた。


カラスのカアは、みんなの木へ帰った。


カラスは怖いけれど、カアは嫌な感じの人間のようには、なりたくなかったのかもしれない。それはカアの複雑な気持ち。





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