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プロローグ 一目惚れ
一目惚れ
…一目惚れをした。
「あ、かわいい」
なんて簡単なものじゃない。
本気で一瞬で恋をしたんだ。
今まで1度も恋愛なんてしたことがなかった僕が、だ。
かわいい部類に属するであろう彼女は、一言でいうと癒しだった。
ほんわかとしたオーラや気遣い、仕草。
彼女の全てが僕の頭に印象付けた。
僕は、この時思った。
この人が僕が求めていた運命の人ではないのかと。
彼女を見るたびに、胸が押し付けられたようにきゅうっと苦しくなる。
でも、その苦しさは嫌ではない。
心地のよい感じなのだ
頭の片隅には、いつも彼女がいて離れてくれない。
学校の授業にも、好きな映画にも集中することができない。
こんなにも人を愛すのは人生で一度きりではないだろうか。
そう思うくらい僕は、彼女に夢中だった。
そして、彼女はそれくらい魅力的な女の子だったのだ。