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2020 7 4
私は君にどこにも行ってほしくない。どこにも行かないでほしい。私の前からいなくならないでほしい。私の全てをあげてもいいから、お願いだから、どこにも、行かないでほしい。わかってはいる。わかってはいるはずなのに、わかっているふりをしているだけなのかもしれない。嘘であってほしいと心のどこかで願っている。私のものになってほしい、私だけを見てほしい、この世界に君以外いらない、私は。とても身勝手で理不尽な思いで君を傷付けている。ありもしない噂、しかし本当かもしれない噂、他人から聞いた話、君の口から発せられた言葉、それら全てが私を苦しめる。君の全てが好きであり、君の全てが痛い。私は、どうすればよかったのだろう。