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2018 8 7
人は死んだらどこに行くのだろう。この疑問はどんなに思考を巡らせても一生解くことのできない疑問だと思う。何せ我々は生きたことはあっても死んだことが無いからだ。もしかしたら死にかけはあるだろう。しかし人間として完全なる死というのは人生で一度しか経験できないことであるし、何よりその死がいつ訪れるかは誰にもわからない。自分の手を見てほしい。自分が今見ている世界、景色、色彩、物の感触や形。それら全ての時が止まる瞬間、人は何を思うのだろうか。死の瞬間、動いている心臓が停止し息ができなくなる瞬間、その景色。我々は何を感じることができるのだろうか。時計の針も世界の日常も止まることはなく、我々の意識だけを残して進んでいく。意識とは裏腹に身体は次第に衰え、死の終末へと向かっていく。この世界に意味はあるのだろうか。生きるという意味、集団の中で働き続ける意味、人を思う意味、愛する意味。それらを全て理解するには明らかに時間が足りない。定められた時間で我々が何を思うのか、何を感じることができるのか。それは誰にもわからない。例え自分自身が死んだとしても。




