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Get Truth~異界門・祠から〜

作者: ミド=リアル

祠から〜side あり〜


なんで私が山の中を隠れながら、自分の家に向かっているのか聞きたいンです!


訳のわからない獣や化け物や、銃を持った人達に追い回される理由を教えてください!


と、大声で叫べれたならどんなにストレス発散になるか、そんな事をしたら獣が来るか?化け物が来るか?それとも、銃を手にした兵隊さんが来るか?どれが来ても、ろくな事に為らない気がするので、こうしてコソコソ逃げている訳ですよ。



そろそろ自己紹介をしないと、一人称視点では私の名前が出ませんよね?では、私の名前は「川井あり」高校一年生の十五歳のJKです。至って平凡な女の子ですが何か?

その平凡な私に一体何が?と思った人、それが分からないから困っている私がココに居るのです!


はてさて、何処から話をしましょうか?アレは、夕食を食べ終わった時のこと、我が家の最高権力者たるお婆ちゃんの一言が、総てのキッカケだったのでしょう。



「あぁ、思い出した。今日は新月だったね」

「お婆ちゃん?新月がどうかしたの?それともボケた?」

ココです!ココで私が話し掛けなければ、悔やんでも悔やみきれません!

「ウン?そうだね、あり。滝の脇にある祠は知ってるだろ?」

「祠?」

ココで知らないと言って居たら、どうなって居たのでしょうか?イヤイヤ、ここはお婆ちゃんが行かなかった事を良しとしましょう。お婆ちゃんの話しでは古くからの習慣で、新月の日には祠にお供え物を持って行く事が我が家で、代々受け継がれて来たと言うのですヨ。私はその時「お墓参り?テキな?」と言ってお婆ちゃんにゲンコツを貰いましたヨ、痛かったですよお婆ちゃん!


「あり!さっきの言葉(ボケた?)」を忘れてあげるから、アンタが行ってきなさい!」

「痛かったですよお婆ちゃん!それなのにさらなるバツですか?」

「それが嫌なら、お小遣いは減額でいいのかい?」

「行かせてもらいます!」〔キッパリ!〕



こうして私はお供えセットを持って、祠を目指したのでした。



祠のある滝までの夜道は当然暗く、両手が塞がると危険なのでライトを頭に装着し、お供えセットの包まれた風呂敷を背負って、十数分でたどり着いた時でした。


「やっぱり、夜道は気味悪いわ〜!」

怖さを発散させるために、ワザと声に出していましたが、その声は滝の音と木々のざわめきにかき消され、かえって心細くさせていました。と、思った瞬間に辺り一帯の風景から色が抜け落ち、周囲の雑音も聞こえなくなったのです。「ナニ?」と思って周囲を見ましたが、祠の周囲数メートルの範囲以外は、まるで出来の悪い絵画の世界のように、生気の欠片もない風景が広がっていました。


誰でもいいので、この状況を説明してください!責任者出てこ〜い!


頭が事態についていけず、出来の悪い絵画の世界に戸惑っていた私は、祠が見えたのでつい現実逃避のために、ここに来た目的のお供えセットを祠の前に並べたのでした。混乱して、正常な判断が出来ないんだから仕方がない!仕方ないよね?仕方ないと誰か言って~!などと誰に向かって言い訳をしているのか分からない私でしたが、風呂敷から取り出した一本の懐刀を、慌てていたため落としていました。

「ありゃ~。やちゃったヨ」

現実逃避のためか、変なテンションの私は、落ちてしまった物はしょうがないと言った感じで、さっきまでワタワタしていた事が嘘のように、のほほんと懐刀を手にしたとき、懐刀の鞘がずれている事に気が付かなかったのです。

半ば開き直った私は、お供え物をすべて並べ終わると、祠に向かって手を合わせる事にしました。

「祠の主さん、お願いします。お家に帰れますように」

するとどうした事か、突如辺りの色が戻ったかと思うと、藪をかき分ける音がしたのでそちらを見ると、アニメや漫画などで御馴染みのちっちゃい西洋小鬼、そうです!ゴブリンですよ。

そのゴブリンが数体、藪の向こうで何かを探しているようなのですが、ここは祠の裏に隠れて様子を伺うことにしましょう。

祠の影から様子を伺っていると、ゴブリン達はどうやら祠が認識出来ないようで、祠に近づいて来たかと思うと進路を変えて別方向へと歩いていた。

「ゴブりん達には、祠が認識出来ないようでございますよ?」

となると、私に出来る事はない?ゴブりんが居なくなったら、何とかしてお家に帰って警察に報せてお終いですよ?こんな非常識が通じるか分かりませんが、私に出来る事なんてソレくらいです。至って平凡な女の子ですが何か?物語の主人公なら、ここで不思議な力に目覚めて、ゴブりん達を倒すのでしょうが、そんなご都合主義があるわけがありません。

私は誰が見ても、平凡を絵に描いたようなJKですよ!マンガに例えるならモブキャラで、映画やドラマならエキストラで在って、主人公ではないのですよ!ご都合主義の適用外なのです!


「それにしても、ゴブりん達、早く何処か行ってくれないかなー?」


しばらくの間、祠の裏から様子を伺って居たのですが、事態が変わる様子もなく困ってます。おまけに、遠くの方で聞いたことの無い、動物の遠吠えも聞こえてますよ。危険度(乂'ω')まっくす!早めにここから離れないと、生命が危ないですよ?ゴブりん達なら、撒くことも出来そうですが、獣相手に命懸けの追いかけっこは勘弁願いますよ?わずか十数分の距離が、とても遠くに感じますよ?

「当面の目標としては、ゴブりん達の数が減った所で移動すると…」


タッタタタタタン!

ギャウン!ゴォルアー!ズサッ!ドサッ!ザザザザザー!


「今の音は?何が起きてるの?」


不思議空間にいるせいか、聞こえて来る方角は判るが距離感が掴めないので、ここからどのくらい先なのかすら判断出来ず、この場から出るに出れなくなってしまいましたね。


こうして私が悩んでいた頃、とある所から私を見つめる人が居たのですが、それは後になって知ることなので今はここから離れる為に状況確認をする私なのでした。



〜side ?視線?〜


封鎖は完了。お客は包囲網の中。エスコートの準備開始。



〜side お客様?〜


人間界か、生命力に溢れているな。その生命力、我が力にして見せよう。



〜side 傭兵?〜


「お客さんが来た様だ。ヤロー共!稼ぐゾー!」

「おぉー!」



〜side ???〜


「巻込まれた人がいる?要救助?了解」



〜side 井川家〜


「ありが、まだ帰って来ない?」

「一応、駐在には連絡をしてあるから。暫らくは様子を見て、明るくなってから祠に行こうと思っておる」




〜side あり〜


私はこれからどうなるんでしょうか?



〜side ??〜


「さぁ、ゲームを始めましょう」

今回の話は、TRPGのシナリオの冒頭部を、NPCの視線で見たものです。

ここからどんなにストーリーに成るか?「あり」がどうなったかは、機会があったら書きたいと思います。

プレイヤー、ありの友人選択時の冒頭部です。

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