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第八章

アグルとリッドは放課後、二人で中庭にいた。

 「剣の形を出せるようにはなったな」

 「はい」

リッドの手にはズッシリとした大振りの剣がある。純白に輝いているその剣はリッドの裏表のない心を表しているようだった。リッドは剣を三回ほど振ってみて感触を確かめた。

 「ふぅ~…結構疲れるんですね」

リッドは見た目はさほど変わらないが汗が少しばかり出てきている。呼吸も荒くなりつつある。そのせいなのか、剣はだんだん形を失っていく

 「1分…か、まぁ上出来だな。」

 「本当ですか?やった!」

リッドはガッツポーズを取ると嬉しそうにはしゃぎ回った。アグルはその姿を微笑を浮かべてみていた。

ガサリ‼ 後ろから気配を感じた。アグルはすぐに身構えてリッドは動きを止めた。音が少しずつ大きくなり草むらから音の正体が現れた。

 「あれ?二人ともどうしたんですか?」

音の正体はルかだった。

 「いつの間に…」

 「ルカじゃん!どうしたの?」

ルカはリッドに自分の手に持っているものを見せた。

 「書類ですよ」

 「グループ申請書?」

アグルはゴッとリッドを殴ると呆れたように溜め息をついた。

 「グループを作るって言ってただろ?しっかりしろよ」

 「あ…そうでした。ははは」

ルカは笑いながら書類を書き始めた。右手にペンを持って書類を素早く書き始めた。アグルはふと思い出して声をかけた。

 「そういえば、どうやって歩いてきたんだ?近くに来るまで全く気が付かなかった」

リッドが腰に手を当ててまるで自分のことのようにルカの能力を自慢げに語った。

 「ルカは音を操ったり、光をねじ曲げる能力に特化してるんだよ。」

 「確かに、白焔や黒焔、天龍炎は限られたやつにしか使えないし、竜の声も使えるやつは少ないからな。それでも、他の能力を使えるやつがここに入学することもあるけどな」

アグルは納得したように頷いてるとルカは照れたように体をモジモジさせた。ルカは書類を書いている手が止まった。

 「グループ名と場所はどこにしますか?」

 「「あ…」」

リッドとアグルはお互いに目を見つめ会い考え込んだ。アグルはグルグルそこら辺を歩きながら考え、リッドは空を見上げながら考えているとルカが提案した。

 「【星空の竜使い】というのはどうですか?」

二人は顔を見合わせてうなずいた。

 「それがいいな」

 「俺は賛成っすよ!」

ルカは書類を書き終えると走って職員室に向かっていった。するとリッドがアグルを見て疑問を投げ掛けた。

 「あの場所ってどっかのグループの領土ですよね?どうするんっすか?」

 「そうなのか?…なら力ずくで奪うか…いや、そのグループは知り合いがいるから大丈夫だ。と言ってもそいつはそのグループのリーダーだからな」

 「え?まじっすか?」

二人の話しているグループは【アンデッド】。二年生で構成されていて、学校のグループ最強ランキングの8位に入るグループだ。全員がA以上の成績をもつ強者ばかりである。リッドはアグルを改めて尊敬した。とか思ったものの足がガクガク震えていてまともに歩けなかった。


そのころイブはちょうどアグルとリッドが話していたアンデッドのところにいた。

 「ちょっと、なんで生徒会のやっていたことを黙認してたの?」

 「いきなり来て何を言ってんだよこの女」

イブの前にはどっしりとした体格の男が立っていた。名前はライガ。グループ アンデッドのリーダーをやっている男だ。

 「聞いた話でアンデッドとかいうグループは知っていたけれど黙認していたって。」

 「簡単に他のグループの動きを止めることはできないんだよ!」

 「なんでよ?」

 「止めたらこっちの戦力も減るだろ?そこに他のグループが攻めてきたら意味がないだろ」

イブは正論を言われて帰ってくれるだろうと思っていたライガはそう言った。しかし、帰るどころかイブはライガのことを悪く言った。

 「なに?ただ怖かったんでしょ?」

 「お前はさっきからなんなんだよ!」

 「私はただ止めてくれればいい、注意位は出来たはずでしょって言いたいだけ」

ライガは眉間にシワを寄せて血管が浮き上がっていた。激昂している。アンデッドのリーダーは竜殺しとも言われる猛者だ。今ここで力を解放したらイブはただでは済まない。

 「お前…ケンカ売ってんのか?女だからって調子に乗るなよ」

ライガはイブの方にてを向けて力を溜めた。ライガの手にどす黒い光が集まっていく。回りにいたライガの仲間はすぐにイブから離れて隠れた。イブは足が動かなかった…正確には足に力が入らず座り込んでしまった。ライガが光を放とうとしたとき、二人の間に何かが割って入った。

ドン!!!

大きな音がしたあと、爆風が起きた。すると、教室のドアがガラガラ!って開いた。するとリッドが入ってきた。

 「なんだお前?さっきの女の仲間か?」

 「アグルさん!」

 「ア…アグル?あいつがどうかしたのか?」

爆風が晴れていくとその向こうから声がした。

 「ライガ…女に向かって何やってんだよ…」

 「アグル!!」

爆風の向こうにはイブとアグルが立っていた。

 「アグル君?なんでここに?」

アグルがイブの方を向くとスタスタと歩いていくと

バチン!!っと頬をビンタした。イブは頬を押さえながらアグルを見た。アグルは怒っていた。

 「勝手な行動をするなと言ったはずだ!お前は一人じゃ何もできだろ?俺が遅かったらお前はただじゃ済まなかったぞ!」

 「ごめん…なさい…」

アグルはイブのが反省していると察するとリッドを呼んだ。リッドは慌ててイブに駆け寄って。アグルはライガの方を向くと

 「久しぶりだな…ライガ」

 「ここに入学するなら教えてくれよ!」

 「めんどかった…」

 「なんだそりゃ!?」

ライガの仲間は訳がわからないという顔をしていた。ライガはそれに気付いてアグルのことを説明した。

 「こいつは俺の幼馴染みだよ!一緒に修行した仲さ。まぁ、俺はこいつに最後まで勝てなかったけどな」

 「すまない!こいつがお前を怒らせたんだろ?」

 「なぁに、気にすんなや。それより俺も悪かったな、お前の仲間を傷つけようとして…」

 「こいつが悪いから気にすんな!」

アグルとライガは仲良く話していた。リッドとイブ、ライガの仲間はポカーンと二人をみていた。

 「アグル、今日は何しに来たんだ?」

 「ああ、ちょっと頼みがあってな…」

 「領土が少し欲しいんだろ?」

 「わかってたんじゃないか」

アグルはライガを見て溜め息をついた。ライガはしてやったりとにやけていた。

 「まぁな、今日新しいグループが出来たみたいだったからさ、お前がわざわざ俺のとこに来たってことはそういうことだろ?」

 「なら話が早い。了承をもらえるか?」

 「いいぜ!だが、条件がある…」

 「なんだよ?」

 「俺たちアンデッドと同盟を組め!そしたらいいぜ!」

アグルはライガをじっと見て答えた。

 「いいだろう…だがお前の下につくきはないからな?」

 「わかってるよ!ただお前の力を知ってるからの提案さ」

 「フッ…交渉成立だな」

ライガとアグルは握手を交わした。

リッドは二人が握手を交わしてるのを見てーあれ?そんなあっさり同盟を結んでいいの?ーと心で思った。するとライガとアグルに近づく影を見つけてその影をじっと見つめた。その影はスタスタと二人の元に近づいていった。ライガはその影に気付くと身構えた。するとアグルが振り替えずに名前を呼んだ。

 「音ぐらい消さないで欲しいんだけど…ルカ」

アグルの後ろにはルカが立っていた。ーなんでアグル君は私が来たのがわかるの?ールカは驚いた顔をしているとライガがアグルに聞いた。

 「うわ…こいつは誰だよ…」

 「ああ…俺の仲間だよ」

 「初めまして…ルカです」

ライガはルカを見て興味津々だった。それもそうだ、教室に入ってくるのがわからなかったのだ。興味が出るのは当たり前だろう。しかし、ルカはアグルに訪ねた。

 「なんで私だとわかったのですか?」

 「ん?…まぁな」

アグルは言葉を濁すとルカに伝えた。

 「アンデッドと同盟を結ぶから…」

 「そうなんですか?…わかりました」

アグルはライガを見て、「来て欲しい」と空き教室に移動した。アグルはこの学校に来た目的を話始めた。

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