第七章
アグルは三人を空き教室に連れていって正座させた。
「まず…何故ああなったのか説明してもらう。」
アグルはリッドを見た。リッドは恐る恐る話始めた。
「新しい生徒会長が怪しいことをしているって情報が入って来たので調べようと思いルカに声をかけて作戦を実行しようとしたんです。案の定生徒会長は生徒を監禁していたので仲間を探してイブさんに声をかけたんです。」
アグルはリッドの顔を見て溜め息をついていた。
「まぁいいや、とりあえず!グループに入ってから作戦を実行するんだな!たった三人で生徒会長どもを倒せると思うな。あれでも学園トップクラスの実力者だぞ」
「ごめんなさい…でも、ジンさんのやっていることが許せなくて…」
「そんなんでやってたらキリがない。何個のグループを潰す気だよ」
「アグル君の言ってるグループって何?」
リッドはイブに説明を始めた。
「グループは簡単な書類を提出するだけで作れる。同じ考えや気持ちを持った人達でグループは作られているよ。学園内での地位が欲しい奴とかも作ってるのが厄介だけど…」
「もっと学園のことを知ってから行動しろ。無知はそれだけで弱点になるのだからな」
アグルは溜め息をつくと三人に忠告した。
「とりあえず、グループを作るのなら潰されないように努力してろ。念のためにな」
「アグル君は入らないの?」
「俺は遠慮しとく。」
アグルが教室から出ようとしたときいきなりリッドが腕を掴んできた
「お願いします。俺たちのグループに入って戦闘の知識や力の使い方などを教えてください。」
「知ってどうするんだ?地位でも欲しいのか?」
アグルはリッドを睨んだ。
「違います!この学園で虐められてる人達を助けたい!だから力が欲しいんです。」
アグルはリッドを見て溜め息をついた。
「わかったよ!ただし、途中で投げだしたら…わかるよな?」
「はい!」
アグルはリッドに質問した。
「お前さ、何の能力が使える。」
「えっと、白焔です」
「なるほどな…俺は出せないけど教えてやるよ。まず剣の形を作ってみろ」
リッドは集中力を高めていったが思うように力が使えず失敗してしまっていた。
「なんで…」
「力にムラがあるんだよ!さっきから白焔が漏れだしてるんだよ」
そのとき、いきなり教室の扉が勢いよく開かれた。そこには三年生と思われる人達がアグル達を睨み付けていた。
「てめぇら…俺たち『BFT』の縄張りでなにしてんだよ!」
「なにそれ?」
「西校舎で有名なグループですよ。二年生や一年生を無理矢理入れてはこきつかってる連中です。」
アグルはリッドの説明を聞いて三年生達に言った。
「弱い奴を狙う弱虫グループかよ…だせぇな」
「アグルさん!」
BFTの人達がアグル達を見て激昂した
「なんだと…そんなに黒焔の餌食になりたいらしいな…いいぜ、黒こげにしてやるよ」
アグル達に手を向けて力を溜めているとアグルがリッドに向かって喋った。
「よく見とけよ…剣を出すから」
アグルは相手が黒焔を出すよりも早く天龍炎の剣を出して相手の黒焔目指して切った。
「オラァァァ」
アグルの剣が相手の黒焔を切り、三年生を吹き飛ばした。
「その程度か?もっと本気で来いよ。せ・ん・ぱ・い」
相手が全員腕に力を込めるとアグルが天龍炎を広範囲で放った。三年生達はそれを見て怖じけついたのか走って逃げていった。
「剣の出し方をちゃんと見たか?」
「あ…はい」
リッドが呆然としてるとアグルが
「なら出してみろ。少しずつ慣れていけばいい」
「はい!」
アグルとリッドの修行が始まった。