第四章
アグルの力で全ての竜がその場に倒れた。立っているのはアグル一人だけ…アグルはゆっくりとイブの方を向き、一瞥した後襲われかけて気絶してしまった少女の所に歩いていった。
「アグル君の目が…いつもと違ってた…」
「ん?それはどういうことだ?」
イブは簡潔に答えた。
「アグル君の目、いつもは青くて綺麗なのに…さっきの目は赤黒かった…」
「目の色が…どういうことだ?」
イブはジンの話を聞かずにアグルの元へ駆け寄った。
「アグル君…大丈夫?」
アグルはいつもの笑みを浮かべて答えた。
「大丈夫だよ!」
「本当に?けがとかしてない?」
アグルは頷いた。イブはアグルの目が赤黒い色から青い目に変わっているのに気づいて真実を話して欲しいと頼んだ。アグルは場所を変えて欲しいと頼んだ。二人は人気のない場所に移動して言った。
「俺のことを話してもいいけど…イブのことも教えてほしい。」
「…わかった。私の真実を話す。」
イブは自分の真実を語った。
「私はね?ラグナ家で生まれたんだ。知ってるよね?昔最強の種族【滅龍】と言われていた者達と戦争を起こしてしまった一族…今は滅龍が滅んだと思ってるみたいだけど、私は滅龍に会いたかった。今の世界は魔龍や魔神族等の魔界と対立してるから…一緒に戦って欲しいと思ってる。だから私はここにいるの」
アグルはイブの一連の話を聞いてひとつだけ質問をした。
「イブは…滅龍がどんなやつなのか知ってるか?」
イブは静かに首を振った。アグルはイブに自分の真実を語り始めた。