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俺やなきゃ駄目  作者: RIRIKA
5/5

一番好きなおもちゃ♥

ガチャ…。



一戸建て、階段を登った先にある玄関をあける。

大きいかて言われれば

かなりの大きさのある家。


ふぅー…、明日から休み入るんに

丁度いい発散できたわ。

機嫌よくかえってきた俺が


「あ?」


靴を脱いでいる時

いつもないはずの

無造作に置かれた一足の

靴が目にはいる。


────────ヤバい。

口角が自然と上がってしまう。

悠長にしていた動きを早め

すぐに靴を脱ぎすてリビングへとむかった。


リビングの扉をゆっくりと開き

のぞいた俺の視線は、テ-ブルより奥に

こっちに背をむけ立っている“その子”を捉えた。


「久々やんなぁ、咲夜?」


多分、今俺ニヤニヤしてるんやろなぁ。

だって、俺の一番のおもちゃが

俺の家におるんやもん。

しかも、目の前に………やで?


俺の声にビクッと肩を揺らし

ゆっくりとこっちを振り向く咲夜。

あぁー、かわええ。

さっきまでとは訳が違う、

テンションが上がり過ぎてヤバい。



でも、そんな俺のテンションは一気に下がる。


「……ッ…。あ…、あぁ。

せやな…久々……。

そ、それより…

あんたに電話きてんねん


出てやりや………。」


いつもの様にビクつく咲夜は

可愛くて良かったんやけど……、

誰や電話て。

テ-ブルより向こう。

そっと置かれた受話器を握る。


俺と咲夜の時間潰さんとってほしいわ。

苛々する


「はい?どちらさん?」


苛々をわかりやすく表にだし尋ねる。


「はぁ、お前か…。

何の用や?

さっきアホみたいな面した奴四人来てはったわ。」


受話器越しから聞こえた声に、

溜め息が出た。


『あ…えと…すいません…ッ…。

この間の…兄貴にバレ…ちゃって……


本当……す、…すいませんっ!!

ご、ごめんな……さい…。』


この電話越しで必死に謝ってるんが

中1で俺のおもちゃの吉田や。

さっきゆーてたやろ?


「良かったなぁ…。

俺とお前、中学違ぉーて。


それに、丁度今さっき…兄貴さん等が

お前の代わりになってくれたから

……………もうええよ?

帰ってきたらちゃーんと褒めてやってな」




「よう“逃げんでおれたな”ってな」


『ッ…………。』


そう伝え、電話を切る。


はぁ、折角の咲夜との時間が

台無しやん

ま、今からが楽しみなんやけどな?



隣のデカいテレビが置かれた部屋で

ソファ-にもたれかかり

何度も冷や汗とともに溜め息を吐く咲夜。



ホンマ、かわええ。





賀川 咲夜【カガワ サクヤ】


──────俺の従兄弟で、




俺が“一番好きなおもちゃ”や。






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