失敗に苛立ち
あー、むしゃくしゃする
今日は小学の卒業式や。
アホな奴等が喋るんを
馬鹿な餓鬼等は涙流してきいとる。
苛々するわ
俺はすでに5時間半、
校長室の長机横の椅子に座らされている。
何でかて?
おもちゃがバグって暴走しだした
病院で俺の名前呼びながら可笑しくなったんやて
周りの奴等も俺のおかげで
授業量減っとったんに。
感謝されてもええやろ?
壊れたおもちゃが何かて?
俺の“担任”─────………。
ほんでも、
選択ミスか…やり方がいき過ぎたか…。
何でこーなったんかいまだに理解できんねん
最近、俺可笑しいんよな……。
「はぁ…、賀川君。
何で藤原先生は体調を崩されたんですか
病院で君の名前を呼び続けているそうです。
ごめんなさい。と何度もなん…「校長センセ」
切羽詰ったような校長の声を
冷めたような冷静な声で制する。
「それ、5時間以上ずっと聞いてんねやけど?
俺、知らんゆーとるやん?まだわからんの?」
「君が話せばすぐ終わる事なんです。」
はぁ。折角“知らんふり”してて
あげよーと思っとたのになぁ…。
「なー、センセ
俺、知っとるんよ?アンタと藤原センセの関係。」
それを言った瞬間、ビクッと肩を揺らす校長
わかりやすいんやけど…。
「他のセンセ外に出さんでもええの?
バレるで?ぜ・ん・い・んに。」
それを言うと、
そそくさ俺の周りにおった奴等を
外に出す。たったこんだけの話やのに
周りに数人センコ-おんねんで?ホンマだるいわ
あー、苛々する。
何で最近こんなうまくいかんねやろ。
「な、なんで、君がそれを……」
なんでて…。コイツ、アホなん?
「そんなん聞いたからに決まっとるやろ?
ま、聞いただけやったら、
アンタにとっても都合良かったんやろーけど」
自分の鞄の中からアレを探す。
あったあった…。
「残念ー。
こんなのもってるんだよねぇ
校長センセ?」
取り出したそれを見ると
顔からどんどん血の気がさしていく。
顔面、真っ青や。面白っ。
「か、貸せっ」
机の上に置いてある
俺の担任との行為証拠物。
いわゆるエッロい写真、録音された音声、そして動画を
慌てて集め持ったおっさん。
必死に両手に抱え込んで、まぁ…。
本当、おもろい。
少し、安心し気を緩めたおっさんに止めを刺す。
「俺がそんだけしか持っとらん思てんの?」
侵害やわぁ。と付け足し言い終わると
今度は膝から崩れ落ちた、おっさん。
さすがにそれはちゃん理解しはったんや。
ん?そう、俺それ
それて、さっきの写真とかな?
パソコンにも入っとるし
SDにもちゃーん用意してんねん。
「バラされたくなかったら
俺の言う事きいてね。おじちゃん」
そっからは、10分経たんうちに
俺の“無実”が証明された。
でも、今の俺にはそんな事はどうでもええ。
卒業式も終わった頃やし、後は家帰るだけや。
最近ホンマ何も上手くいかん
退化してってんやろか……。
ただの人選ミスなんか……。
あー、苛々する。
おもちゃ遊びで失敗するんもはじめてや
別に今回のが、
追い詰められた。って訳でもないんやけど
俺の手がここまで出たのも
はじめやったからさすがに驚いとる。
なんでや。
何が間違ったんやろ。
何やホンマむしゃくしゃするわ。
校門を出た時、思いっきり門を蹴る
あ、何か少しはすっきりしたわ…。