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絶滅危惧種

作者: んたろう

 その日を境に時計の針は反時計回りに回りはじめた。すべての生物は老いるのではなく、時と共に若返るようになった。生後まもない赤ん坊はすぐに生まれる前に還っていった。その日までに生きた時間が、生物の寿命になった。新しい命は誕生しなくなった。すぐに深刻な食料不足に陥った。老人たちは歓喜した。若者は絶望した。人類どころか地球上のすべての生物が必然的に絶滅してしまうのにも関わらず、人間達は生きることにしがみついた。結果、人間たちは地球上のあらゆる生物を食い散らかし、絶滅に追いやった。生きることの醜さに絶望した人間は自殺した。肉体的に死に向かうことのなくなった人間たちは、本当の死の意味を知った。

 最後に生き残った人間は思った。生きる、ってなんだったんだろう。しかし答えは出ないまま、人類は一人残らずいなくなった。

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