『○○付き○○』
初投稿のショートショートです
短いコメディーなのでお気軽にどうぞ
とある電機メーカー、K社は崖っぷちに立たされていた。優秀な新製品を開発するも、すぐに他の大手企業にノウハウで追いつかれ、経営の危機にさらされていた。ここ数年K社の業績は右肩下がり。会計部の決算には赤い数字が整列している。「もう後がない…」とこの会社の社長は頭を抱えていた。
午後の会議で社長は社員にこのことを伝えた。
「ここ数年、大手企業の技術には競えず、売り上げも低迷している。このままでは我が社は倒産してしまう。誰かこの危機的状況を打破できる考えは無いのか?」
数秒の間の後、係長がこう言った。
「社長、これからは『付き』の時代です。A社の『カメラ付き携帯電話』しかり、B社の『乾燥機付き洗濯機』しかり。これからの時代は画期的な『付き』を生み出した企業が生き残るのです」
「なるほど、一理あるな。よし、ではこれからどのような『付き』を今後の商品にするか模索しようじゃないか」
社員たちは頭を振り絞り画期的な『付き』のアイデアを出していった。
「社長!『蒸し器付き炊飯器』というのはどうでしょうか?」
「なるほど、炊飯器の蒸気で蒸し料理もできて一石二鳥というわけだな」
「社長!『給湯器付き掃除機』というのはどうでしょうか?」
「なるほど、燃やしたゴミの熱でお湯を沸かせるとは画期的だな」
「社長!『音楽プレイヤー付き扇風機』というのはどうでしょうか?」
「なるほど、風に音楽を乗せるとはなかなか風流じゃないか」
社員たちは三時間の会議の間、次々に『付き』のアイデアを出した。
それから数ヶ月後。K社の存亡と情熱をかけた新商品たちは次々と世に送り出されて行った。これらの商品たちでつまずいたらもう後は無い。
「社長!大変です!」
「どうした!」
「『電子レンジ付きガスコンロ』が予想売り上げの8倍です!生産が追いつきません!」
「そうかそうか」
「社長!大変です!」
「どうした!」
「『冷蔵庫付き自転車』が雑誌に取り上げられた影響で、主婦の購入が殺到しています!」
「そうかそうか」
「社長!大変です!」
「どうした!」
「『シュレッター付きコピー機』は印刷した紙が寸断されてしまうと苦情が!」
「そうかそうか」
初めてショートショートを書きました。文章が稚拙ですね・・・
感想・アドバイス・誤字の指摘、よろしくお願いします。
また面白い物が書けたら投稿したいと思います。