表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
騎士ゲール・ホッドによる討伐伝 ~あるいは、一人の騎士が英雄になるまでのサーガ~  作者: よぎそーと
四章

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

53/56

53 敵兵半減、だがまだ終わらない

 敵のオークが後方に移動していく。

 負傷者をつれてるそれを見て、ゲールは狙いが上手くいってると感じた。

 だが、まだ半分は残ってる。

 その数を侮る事は出来なかった。



 残ってるのはオーガと人間。

 弱点らしい弱点はない。

 特にオーガは全体的に高い能力を持つ。

 体格・体力は人間以上。

 ものによっては魔術も使うだけの賢さを持つ。

 そんな奴等が何十人もいるのだ。



 更に、これらと共に魔術兵もいる。

 数は減ったとはいえ簡単に倒せる敵ではない。

 連携された厄介なのは変わらない。



 対してゲール達も苦しい状況だ。

 頭数は変わらないが、手数は減った。

 用意できる手段はほぼ使い切った。

 これで残りの軍勢をどうにかせねばならない。

 窮地である。

 しかも、これを覆す手段がないのだ。



 あとは幾つかの小細工をしているが。

 これがどれだけ役立つのか分からない。

 少しでも相手を怯ませれば良いが。

 そう上手くいくとは思わなかった。

 それでもやるしかないのだが。



 ありがたい事に、敵はゲールを追いかけてくれる。

 避難民達が向かったのとは逆方向に。

 わざと避難民から遠ざかっていくゲールに敵は向かってくる。

 これも策のうちの一つだ。

 上手くいけば、避難民を逃がす時間を稼げる。

 そんな敵から逃げながら、しかし誘導しながらゲールは快速号を走らせた。



 その先でゲールは敵を待つ。

 敵を迎え撃つのに適した場所で。

 追いかけるオーガ達は森の中で待つ騎兵の姿をとらえる。

 その瞬間に憤りをおぼえる。

 飄々とたたずむその姿は、自分たちをバカにしてるようだった。

 それほど余裕綽々に見えた。

 実際は多くのオーガを見て戦々恐々としていたが。


 そんなゲールに殺到していく。

 オーガ達はゲールに向けて手にした武器を振り上げていった。

 そんなオーガに弓を引いて矢を放つ。

 少しずつ快速号を進ませながら。

 既に風の加護は失ってるが、それでも矢はオーガに当たっていく。

 もっとも、さすがに大きな手傷を負わせる事は出来ない。

 それでも相手を弓を引き続けた。

 攻撃を受けたオーガが激昂するように。



 そうしてゲールは快速号を走らせる。

 斜面を下るように。

 そんなオーガもゲールを追う。

 さすがオーガ、馬に負けない速度を示す。

 そんなオーガは導かれるようにゲールに連れていかれる。

 凶悪な魚が泳ぐ川辺へと。



 川が見えるあたりでゲールはわざと速度を落とした。

 快速号を気遣ってというのもある。

 だが、それ以上に敵を誘導するという目標がある。

 ある程度速度をゆるめて河辺に近付けば、それが飛びかかってくる。

 肉に食いつくトビウオもどきが。



 トビウオは獲物がいる辺りに向かって飛ぶ。

 ほぼ一直線に。

 鳥や虫と違い、これらはグライダーのように空中を滑空するだけだ。

 なので、細かな方向転換が出来ない。

 左右に曲がる時には、大きな円を描くように飛ぶしかない。



 そんなトビウオもどきは、狙いを定めた場所に飛ぶ。

 今はゲールに向けて。

 ゲールのいる位置に向かっていく。

 しかし、ゲールも動いてる。

 トビウオもどきがその場に来たときにはゲールはいない。

 必死になって追いかけるオーガがいるだけだ。



 そうやってトビウオもどきを誘導するために、ゲールはわざと測度を落とした。

 速すぎれば、トビウオもどきはゲールとオーガの間をすり抜ける。

 遅すぎればオーガに追いつかれる。

 その見極めは難しい。

 だが、上手くはまってくれたようだ。



 飛び出したトビウオもどきは、狙いはそれたがオーガに食いついていく。

 それでも構わず肉にかじりついていく。

 相手が変わろうと、エサはエサだ。


 そんなトビウオもどきに襲われ、オーガは混乱する。

 一撃で死ぬほどヤワではないが、さすがに何十匹もの数が襲ってくると無事では済まない。

 川から遠ざかり、肉食のトビウオもどきを引きちぎっていく。

 こうしてゲールと更に距離をあけられていく。



 それでも致命傷を負うものはいなかったが。

 さすがに戦力にならない者は出てきた。

 それらを下がらせ、オーガ兵はさらに戦力を低下させる。

 それでもまだ動けるものは60匹はいる。

 怪我人を下がらせ、部隊は追撃を続行した。



 追いかけてくるオーガ共を引き連れるように、ゲールは快速号を走らせる。

 最後の場所へ。

 決戦の場所として用意した空間。

 そこで敵を迎え撃つ。

 あとは上手くいくよう願うだけだ。

 そして、上手く終わらせる為に動いていく。

 その上で、幸運が巡ってくるよう求めた。



気に入ってくれたら、ブックマークと、「いいね」を


 ファンティアにて新しい話を出してる。

 時代劇っぽい何か

 見本は活動報告にもあげてるので、そちらをまずは見てもらえれば


 ↓


時代劇風味のお話「 一子相伝 」の販売開始、および見本

https://mypage.syosetu.com/mypageblog/view/userid/719397/blogkey/3344443/

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。


_____________________

 ファンティアへのリンクはこちら↓


【よぎそーとのネグラ 】
https://fantia.jp/fanclubs/478732


 投げ銭・チップを弾んでくれるとありがたい。
登録が必要なので、手間だとは思うが。

これまでの活動へ。
これからの執筆のために。

お話も少しだけ置いてある。
手にとってもらえるとありがたい。


_____________________



+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ