表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

45/56

45 やるべき事ではあったが、やったら次の災難が襲ってきた

 隠れ里の祈祷師は風の加護を得てるという。

 風は周囲を見渡し、様々な事を伝えてくる。

 この情報があったからこそ、隠れ里は迫る危険を事前に知る事が出来た。

 対策と対応をとって今日まで生き延びてきた。



 その風が伝えてきている。

 ゴブリンなどの集団が山を登ってきてると。



「なんて事だ」

 まさかこんな時に。

 ゲールは常に最悪の状況をもたらす妖精共に怒りを向けた。

 だが、そんな事をしていても事態は解決しない。



「しかし、なんでこんな時に」

「邪悪な森が燃えたからです」

 疑問に答えたのは祈祷師だ。

「あの炎が、火の手が妖精共に警戒心を抱かせた。

 調べるために大勢の邪悪な者共が送り込まれてくるようです」

「つまり…………俺の浅慮のせいか」

 自分の迂闊さをゲールは呪った。



 考えてみれば当たり前だろう。

 山でいきなり火の手があがった。

 そんな事があれば何が起こってるのか気になるもの。

 調査に人を送り込むのは当然の対応だ。

 その事に気付かずに火を放ったゲールは迂闊というしかない。



「まあ、それだけではないだろうよ」

 村長が助け船をだすように口を挟む。

「もともと連中はこのあたりを警戒していた。

 我々が逃げ込んだ事を知ってるのだろう。

 何代も何百年も経つのに、まだおぼえてるようでな。

 時々、偵察のために邪悪な連中がやってくる」



 ここ何十年かはそれも少なくなっていたが。

 警戒が解かれたわけではない。

 今も時折探りを入れてくる。

「しつこい連中だ」

 まだ生き残りを殲滅しようとしてるのだから。



 そんな連中からすれば、山火事をみて何かあると思いもするだろう。

 見つかってなかった生存者がいるかもしれない。

 それらを見つける機会だと。

 そう考えて大勢の集団を送り込んだ可能性はある。



「まあ、遅かれ早かれこうなってただろうよ。

 今まで生き延びれただけでも運が良い」

 村長は淡々としている。

 こうなる事も覚悟していたのだろう。

 だが、見捨てるわけにもいかない。



「村人を連れて逃げないのか?」

「どこに?

 行く場所があれば躊躇いはしないが」

 逃げに逃げて辿り着いたのがこの隠れ里だ。

 ここから先などあるわけがない。

 しかし、ここには山を越えた者がいる。



「あるよ」

 シーンが道を示す。

「道はあるよ。

 山を抜ける洞窟が」

 それを聞いた村長と祈祷師が目を見開く。



 話は決まった。

 村長は避難を決定。

 急ぎ食料や手荷物をもって移動するよう村人に告げた。

 同時に、周囲の集落にも連絡を出す。

「脱出する道が見つかった。

 急ぎ、食料や荷物を持って集まれ」

 声は祈祷師の風によって伝えられた。



 周辺の生存者達が集まってくる。

 そんな彼等をシーンが洞窟に案内する。

 それは隠れ里から離れており、彼等が見つけられないのも当然だった。

 しかも、

「ここか」

 それを見た者達は驚いた。



 それは水が流れ出る水源だった。

 高さ2メートルはあるおおきな洞穴だ。

 水はその半分ほどを埋めている。

 そこに道があるなど、普通は考えないだろう。



「大丈夫。

 出口はこれだけ水があるけど、少し奥に入ればもっと広くなってるから。

 水につからずに歩く事も出来る」

 そう言ってシーンは先に水の中に入っていった。

 それを見て、隠れ里の者達も続いた。



 その洞窟もずっと地中を進むわけではない。

 わりと所々に開けたところがある。

 山の合間にあいてる切れ目が光りを差し込んでくる。

 おかげで、明かりが必要なほど暗い部分は少ない。



 それでも先導役は必要だろうと、シーンが道を案内する。

 隠れ里の者達はその後ろをついていく。



 その間、ゲールは残って敵にそなえる。

 避難してる隠れ里の者達が逃げる時間を稼ぐために。

 今回、敵がやってくる原因を作ってしまったという負い目もある。

 少しでも汚名をそそいでおきたかった。

 名誉の回復までいかなくても。



 なにより、騎士として民より先に逃げる事など出来ない。

 やってくるなら一匹でも多くを切り伏せる。

 たとえどれほど巨大で強力な敵でも、逃げるわけにはいかなかった。

 せめて民が完全に逃げるまでは。



「ここで食い止めないと」

 迫る敵にゲールは強い決意をもってあたっていく。



気に入ってくれたら、ブックマークと、「いいね」を


 ファンティアにて新しい話を出してる。

 一話完結の(自称)異世界恋愛。

 ブログの見本があるので、まずはそちらで内容をある程度確かめてもらえれば。

 話の半分は出してるので中身の確認は出来るはず。


 ↓


ファンティアで売る話の見本が出来た。

https://rnowhj2anwpq4wa.seesaa.net/article/504824849.html

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。


_____________________

 ファンティアへのリンクはこちら↓


【よぎそーとのネグラ 】
https://fantia.jp/fanclubs/478732


 投げ銭・チップを弾んでくれるとありがたい。
登録が必要なので、手間だとは思うが。

これまでの活動へ。
これからの執筆のために。

お話も少しだけ置いてある。
手にとってもらえるとありがたい。


_____________________



+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ