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3 村長が見た若き騎士、その外見も含めた評価

(まだ若い、若いが)

 やってきた騎士に村長は目を見張る思いだった。

 まだ若いながら、失念していた事に気付く聡明さ。

 落ち度を無駄に糾弾しない度量の広さ。

 するべき事をこなそうとする意思と実行力。

(見上げた若者というべきか)



 孫も居る村長からすれば、ゲールは青二才というものだ。

 実際、19歳のゲールは若輩者というしかない。

 既に成人年齢の15歳は過ぎてるとしてもだ。

 だが、そこはかとなく感じる思慮と度量はそこらの大人を上回る。



 貴族ならでは、ではあるのだろう。

 まともな教育を受けない庶民平民ではこうはいかない。

 短慮で短期、激昂しやすく後先を考えない。

 それ故の失敗を積み重ねるのが一般的な民衆というものだ。



 しかし、貴族ともなれば違ってくる。

 幼少期から文武の稽古を積み上げ、教養と振る舞いを身につける。

 思慮を鍛え、実行を躊躇わない。

 しかし先の事を考え、失敗の可能性も覚悟する。

 こうした事をわきまえるよう教育されるのが貴族だ。



 そんな貴族らしさをゲールから感じる。

 なるほど、年若いとはいえゴブリンへの警戒に派遣されるわけである。



 また、これは才能才覚とはあまり縁はないが。

 その見た目も貴族らしい。

 つまりは美男子といえるのだ。



 それは剛毅や豪快、闊達さといった方向にのびたものだ。

 優雅さや典雅さはやや鳴りを潜めている。

 宮廷貴族としては物足りなくはあるだろう。

 しかし、騎士として、武人としてなら美徳となる。



 顔立ちが才能を示すわけではない。

 だが、顔に浮かびあがる表情にはひととなりが現れる。

 もともとの顔立ちは優和を感じさせるが、それでいてキリッと引き締まったところも感じさせる。

 鼻筋通った端正な顔に武人としての雄々しさが加わっている。

 なんとはなしに頼もしさを感じさせる。

 男前というのがふさわしかろう。

 黒髪・黒瞳も似合っている。



 背丈こそ177センチと極端な長身というわけではない。

 体の厚みさほどではなく、筋骨隆々というわけではない。

 だが、動きに淀みがなくしなやかだ。

 鎧を身につけていながら、動きに鈍重さはない。

 装束の下に鍛えこまれた肉体が潜んでるのが覗える。



 総じて、雄々しさを感じさせる美丈夫。

 それがゲールという若き騎士だった。

 若さ故の経験不足はあるだろう。

 だが、将来有望な騎士と感じられる。



 実際、ゴブリンの数からより上位の存在の可能性を警戒してる。

 これも含めて領主への続報をもたらし、より強固な備えを促そうとしている。

 加えて、更なる追加調査を行い、情報を確定しようとする。

 必要な事を思い浮かべ、実行していくのが頼もしい。

(この方ならば)

 ゴブリンもどうにかしてくれる。

 そんな確信を抱かせてくれる。



「とはいえ村長。

 ゴブリンも既に動きだしてるかもしれない。

 すぐにでも襲いかかってくるかもしれない。

 なので、やってきた場合の備えと、最悪の場合の避難についても考えてほしい」

「分かりました」

 頷く村長。

「ですが、それはすでに準備が終わってます。

 ゴブリンを見付けた時に」

「さすがだな、頼もしい」

 用意周到さにゲールが感嘆の声をあげる。



 それからゲールは更に話を聞き込む。

 今の段階で少しでも情報を手に入れるために。

 次の一手を打つために。

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