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19 終わった事を伝え、これから始まる事も進言する

「なるほど」

 報告を受けたゲールの父、ホッド子爵はうなり声をあげそうな顔をした。

 彼の目の前に差し出された二つの物。

 ゴブリン指揮官の剣と、ゴブリンのマジナイ師の術具。

 そんなものを持ってるゴブリンがいた。

 ならば、提供した者もいる。

 この事実にホッド子爵は最悪の想像をしていく。



「いるかもしれんのか、これだけのものを提供する連中が」

「可能性はあります。

 否定せずに警戒すべきかと」

「そうだな」

 ため息をもらし、ホッド子爵は天を仰いだ。



 子爵としても頭の痛い問題だった。

 突然のゴブリン目撃情報。

 調査の為に送り込んだら大量のゴブリンの発見となり。

 これはいかんと増援をおくれば、それ以上にゴブリンが増えていた。

 送り込んだゲールからの報告が届く度に、子爵は血の気が失せる感覚を味わった。



 幸いにもゲールによってゴブリンは壊滅。

 損害らしい損害もなく事態は収束した。

 そのはずだったのだが。

 ゴブリンからの戦利品が更なる悲惨を予想させてくれた。



「参考までに聞きたい。

 どうするのが最適だと思う?」

「調査。

 今はまだ何も分かっておりません」

 ゲールの答えは簡潔明瞭だった。

「そうだな」

 子爵としてもそう答えるしかない。



 まだ何も分かってないのだ。

 ゴブリンの背後に何がいるのかどうか。

 いないならそれが良いのだが。

 もしいるとしたら。

 そいつがどんな存在なのか、どれくらいの強さや規模をもってるのか。

 少しでも多くの事を知る必要がある。



 敵を知り、味方を知れば…………というのはこの世界でも言われてる事である。

 今、その敵の情報が全くない。

 本当にいるのかどうかすら分かってない。

 ならば調べるしかない。



 やらないわけにもいかない。

 相手は100匹のゴブリンだった。

 それだけの人数が、もしも組織的に送り出されたのだとしたら。

 先遣隊としてやってきてたのだとしたら。

 より大きな集団がその背後にいる。

 何千、何万という軍勢がいるかもしれない。



 それを確かめるためにも、なんらかの調査は必要だった。

 分かっているのだが、問題もある。

 なんにしろ、事を起こせば金がかかる。

 この出費が頭の痛い問題だった。

 どこから捻出するのか?

 ホッド子爵とてそれほど裕福ではない。

 必要だからといって、おいそれと用立て出来るものではない。



 まして、今回の事件で民兵を出した。

 わずか10名だが、これを用意するだけでもかなりの出費になってる。

 更にこれから調査となれば、どれだけの出費になるか。

 だが、出費を惜しんで何かが起こればもっと大きな問題になる。

 損害を受けてからの復旧費用は、調査費用を簡単に上回る。

 どちらがマシかなど考えるまでもない。



「必要な人員と装備をまとめて計画書として提出してくれ。

 我が家の出納帳の事を考えながらな」

「出来るだけ頑張ります」

 父の頭痛と心痛を慮りながらゲールは返答をした。

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