1 若き騎士はこうして出陣する
【最初に】
この話は本タジーです。
本タジーを目指して書いたものです。
ですが、本タジーになってない可能性があります。
そうであったら大変申し訳ありません。
また、評価点は今は入らないようにしてます。
これは連載が終了した時に入れるかどうか考えてもらいたいからです。
もしよろしければ、それまでお付き合いしていただければ幸いです。
あ、ブックマークは入れられます。
それでは、前置きはここまで。
本編へどうぞ
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【以上、前書きでした】
「そろそろか」
問うというでもなく問う声。
主人のこの声に、同行する従士達の一人が、
「間もなくかと」
即座に応答する。
主人たる騎士、ゲール・ホッドも「うむ」と頷く。
「間に合えば良いが」
端正な顔を憂慮にしかめ、騎士ゲールは先を見つめる。
彼が愛馬快活号にまたがって出立したのは、この先にあるとある問題による。
それは国全体としては小さな、しかしそこに住む者達にとっては生死を分かつ重大な危機である。
「ゴブリン……」
小さく呟き、脅威を口にする。
ゴブリン。
怪物・魔物・妖精と呼ばれる存在である。
その体型は人間に似ている。
だが、体格は小さく子供のよう。
そして、口には牙が生え、口は犬のようにつきでてる。
緑色の肌とあいまって、人間の醜悪な似姿といった外見をしている。
何よりおぞましいのはその性格・習性。
性質邪悪で嬲り甚振るのを喜ぶ。
相手を傷つけ泣き叫ぶ様を楽しむという、外道の所業を娯楽とする。
しかも常に多人数で行動する。
繁殖力も高いのか、その数は多い。
こんなおぞましい存在を近くで発見したというのだ。
勘違いであればまだ良いが、真実だった場合、村に危険が迫ってる事になる。
この為、調査のためにゲールが派遣される事になった。
場合によっては対策をたて、対処もする必要がある。
その為、わずかながらも手勢を率いて領地の外れにある村までやってきたのだ。
「何ごともなければ良いが」
何度も繰り返してきた呟き。
それがまた漏れる。
見間違いであれば良い。
ただ、無駄足を踏んだだけで終わる。
それに、何ごともない、平穏無事であると確認が出来る。
だが、もし本当にゴブリンがいたならば。
村の為に剣を抜かねばならない。
嫌というわけではない。
子爵家の末子として生まれ、領地を継ぐ事が出来ない身である。
だからこそ騎士となって武の面から世に貢献する道を選んだ。
文官としての才が乏しい故の消去法であったとしてもだ。
冷飯食いの立場はやむをえないとしても、せめて己の出来る事を全うしたい。
騎士として何かしら貢献をしていきたい。
大げさに言えば名を残したい、名誉を手にしたい……という事になる。
若者らしい功名心である。
同時に、青臭いほどの清廉潔白さでもある。
身を立てるとまでいかなくても、せめて名声を得たいという。
無駄飯くらいで終わりたくないという意地もある。
生んでくれた父母のため、共に育った兄弟達のため。
貴族の家の名誉を保つため。
騎士として忠誠を誓った王と国のため。
その為に身命をなげうってでも何ごとか成し遂げたい。
そんな思いがゲールを動かしていた。
ただ、血気盛んにゴブリンを切り伏せようなどとは思ってない。
相手は大して強くはないとはいえ、怪物・魔物であり妖精だ。
邪悪さと狡猾さは人間を上回る。
それは機略や奇襲、謀略となってあらわれる。
一対一で戦えば十分勝てる相手であるが油断は出来ない。
特にゴブリンは数で圧倒して戦おうとする。
それは侮れない。
一匹一匹は弱くても、群れれば強い。
数は力だ。
そして、ゴブリンは目撃情報の数倍はいると言われている。
今回は数匹で行動してるのを見たという。
ならば、その数倍、20匹から30匹はいると見て良い。
もしかしたらもっと多いかも知れない。
そんな相手なので、相応に危機感を抱いていた。
なによりだ。
「ゴブリンだけなら良いが」
一番の懸念はそこであった。
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【よぎそーとのネグラ 】
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