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【完結】「森に住まうこわ〜い魔女」のフリをしていた私、ボッチの最強魔女狩りに拾われる ~助けてもらったので、なるべく恩返しできるよう頑張りたいと思います~  作者: あなたのはレヴィオサー
8.グランソニア城(脱出編)

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8-1.「私には夢がある」

パート8始めていきます!


 突然だけれど――。

 私には夢がある。


 あ、いや。違うのだ。

 そんな言い方をして、さも立派な目標があるみたいに取られたら困るので訂正しよう。私がここで言っているそれとは、いつか人生で到達したいゴールとかそういうたいそうなものではなく、もっとウットリぽやぽやしたもののことだ。


 当たり障りのない言い方をすれば、乙女おとめチック……?

 あるいは童心を失わないでいる、なんて言い方もできるかもしれない。


 そんな感じにどこか苦し紛れとか言い訳がましくなってしまうのは、それがあまり年相応な展望ではないと自覚は重々持ち合わせているからだ。


 悪く言えば脳内お花畑とかおめでたい奴とか、いくらでもザクザクいかれてしまうだろう。たとえばリィゼルちゃんとか絶対そっちのタイプ。バッカじぇねぇのとか容赦なく吐き捨てられてしまいそうだ。


 だからあまりおっぴろげには言えないのだ。

 少しまえに誕生日を迎え、また1つ大人への階段を登ってしまった手前ともすればやや恥じらいもあって尚さらに。


 べつにいいじゃん1人で勝手に思い描くだけならタダなんだし誰に迷惑かけてるわけでもないんだからそれくらい自由にさせてよ、と抗議したくなる気持ちも山々ありつつだけれど。


 ともあれ、私には夢があるのだ。

 小さなころからずっと童心に秘めてきた、ささやかな憧れみたいなものが。

 ではなぜ今、いきなりそんな触れ出しから始めるのかだが――。


 うーん、何から話せばいいのだろう。

 困ってしまったので、ひとまず現状からお伝えすることにする。


 私が今いるのは、とある敷地内の中庭みたいなところだ。

 そこに広がる、だだっぴろい草原みたいな場所で遊んでいる。

 遊んでやっている。


 小高い丘みたくなっている芝生にちょこんと座り込んで、片手間に振った杖をクルクルしてやりながら。相手はワーキャーとわんぱくなはしゃぎ声を響かせ、楽しそうにはしゃいでいる小さな子どもたちだ。


 ちなみに、みんながみんな女の子。

 でも中には男の子みたいに体力やら冒険心やらが有り余っている子もいて、とても私1人では追いつかない。だから今は出してもらったちょっと大きめのゴーレムを操って、動くアスレチック代わりに私は一息ついているところだった。


 本当に、なんでこんなことになっているのか。

 その答えはまだ、当人である私にもよく分からないままだ。


 なんか気付いたらあてがわれてしまっていたとか、そんな感じのことになる。確かに孤児院時代の経験もあって、ちょうどこれくらいの子たちのお世話とかはよくしていたから慣れているし、懐かしいやらかわいいやらで正直まんざらでもないのだけれど。


 そんな感慨に素直に浸りきれずにいるのは、私の置かれた立場がかなり微妙なものだからだ。青い空に白い雲と、今日はとても良いピクニック日和びより。一緒になって楽しまなくちゃ損だとは分かっていても、どうしても釈然しゃくぜんとしないものが残ってしまう。


 なにせ私はいま、ここから外に出られない。

 軽く幽閉されている・・・・・・・・・身の上なのだから。


 ということで改めて、現状についてお伝えしよう。

 私が今いるのは、その名もグランソニア城。


 ここセレスディアで、もっとも多くの魔女が住まう城塞内部である。

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