第2話 紫色の花サフラン
投稿かなり遅れました。
申し訳ありません。
今回は新ヒロイン登場です。
あんなこんなで俺は真城の家に行く事になり、俺達が道を歩いているとふと一人の少女が真城を呼び止めた。
「真城さん…ですよね?」
「え?あ、ああ、アンタはウチのクラスの愛川 桑さん?」
「はい…ご機嫌よう…そちらの方は?」
愛川と言う紫髪の少女が俺を見ながら小首を傾げて真城に問う。
「あ、ああ、木蔦西洋さんや」
「勝手に名前を教えるな」
「すまんすまん」
真城はえへへとニヤつき謝罪の誠意が見られない謝罪をする。
「木蔦さんですか…木蔦さんはなんのお花がお好きで?」
「あ?花?」
「私はクロッカス、紫色のハナサフランが好きです」
愛川は笑顔でそう答え、俺は急にわけが分からない質問をされたので少し困惑していた。
「貴方はどのお花が好みですか?」
「花…か、特にこれと言って花が好きって訳じゃねぇから答えようがねぇな」
「あら、それは残念」
愛川は何故だか残念そうに少し肩が落ちた。
「じゃウチらもう行くな」
真城が踵を返そうと、愛川に背を向けると愛川が真城の肩に手を起きそれを制止しこう言った。
「私はまだ木蔦さんとお話がしたいのですが…宜しくて?」
「え?」
愛川は笑顔でそう言っている筈なのだが…その笑顔には何処と無く不穏なオーラを感じさせる何かが有り、それに真城は少し怯み気味になる。
「宜しくて?」
再度問う愛川。
更に怯む真城。
「愛川、手を離してやれ、俺と何を話したいんだ?」
「ようやく名前で呼んでくれましたね」
愛川は真城の肩から手を離し少し上機嫌になる。俺はとことん変人に好かれるな…
「ではお話、致しましょう、貴方が見た、一番印象的な夢はなんですか?」
「何故そんな事を聞く?」
「それが私にとって他人事じゃないから、ですかね」
わけが分からない奴だ。
と言うか何故か………こいつと居ると体全体から畏怖の念が沸き起こってくる。
こいつには近づくなと体中が警告を鳴らしているかのような…そんな感覚が何故だかある。そして、こいつとは初対面では無い、そんな実感までもが…
「そんなに怯える事はありません、さあ教えてくれませんか?夢を」
「くっ…そんな事を教えて何になるんだ?所詮は他人事」
「他人事では…ありません」
「お、おじさん!早く行こ!私お腹空いた!」
椿が突如現れ、俺の手を引っ張る。
「ほら真城さんも早く!もう限界だよ」
「え、あ」
「急にどうした?お前」
「良いから!お腹空いた!」
椿は力こそ弱いものの、俺はそれを強いと感じた。恐らく強いと感じる何かが今こいつにはあるのだろう。
「椿さん、今私達はお話の最中です、邪魔はしないで…下さる?」
愛川の笑顔。
それを見た椿は全身が小刻みに震えていた。
俺の手を握るその椿の手が徐々に手汗で濡れ始めていた。
「悪いな、愛川、俺も生憎腹が減ってんだ、今日はここらでな。また今度話をしよう」
「木蔦さんがそう仰るのなら…そうしましょう」
「おじさん早く早く!」
「うるせえ、誰がおじさんだ!」
俺は椿にゲンコツをし、真城に行くよう促す。
「いたいよぉ…」
「それくらいの痛さ、マシでしょう?椿さん」
「…うん…確かに貴方と私の間では…」
「椿行くぞ」
「う、うん…!」
「ではまた明日、木蔦さん」
愛川は笑顔で俺に手を振り、俺の姿が見えなくる迄の間手を振っていた。
「しっかし…奇妙なやつだなぁ…」
「せやな…正直ウチも苦手や」
「二人とも陰口は良くないよ?」
「陰口じゃねぇよ」
いや陰口になるのか?これ
「それで真城、お前何でわざわざエセ関西弁何か使うんだよ?」
「どこからそないな話題出てきたんや!それにエセちゃうわ阿呆!」
エセ関西弁と言う言葉に腹を立てたのかそっぽを向き早足気味に歩き出す。
「これでも、だいぶ出来る方になってきたのに…」
とぶつくさと文句を付き俺を少し睨んでいる。
そう言えば禁句ワードだったな。
「悪かったな…それで何故わざわざ関西弁を?」
「やくざ狩りの女に憧れたんや…言っとくが内緒やぞ!分かったな!?」
「やくざ狩りの女って誰のこと?」
椿がそう問うが俺達は無視し歩を進める。
椿は無視された事に腹を立てたのか頬を膨らまし立ち止まる。
「無視しないで!」
地団駄を踏みそう怒鳴る。
餓鬼かよお前は…
何て事を言っては更に面倒な事になるのでここは謝っておく。
「悪いな…つい」
「ついって何!?」
やばいな。
少し言葉の選択を誤ってしまった。
面倒臭い…内心そうボヤくがそれは今は時間の無駄。
今はこいつの怒りを和らげるのが先だ。
俺はとりあえず持っていた非常食を少し分けた。
俺はつくづくおひとしよなんだな…
「なにこれ?」
椿は俺が渡した食い物を不思議そうにまじまじと見つめ、小首を傾げてそう問う。
「これは乾パンだ。食い物に有りつけなかった日とかはこれで済ませてる。賞味期限も長いし保存食として親しまれてる、食ってみろよ」
「う、うん…」
カリっとハムスターの様に椿は一口だけ食べる。
「どうだ?」
「うーん、そんなに味しない」
「まあそう言うもんだ、でよ、真城、どこで奢ってくれんだ?」
俺は自身の目が輝いてるのが実感出来る程の眼差しで真城に問う。
「せやなぁ…おかんに頼んで寿司屋にでも連れってて貰おか」
「寿司…!?いいのか…!?」
「おお!女に二言は無い!さ、ウチの家に案内したる、ついて来ぃ」
俺はスキップで真城について行き、その光景を見ていた椿は少し呆れた顔をしていた。
キャラクタープロフィール
真城 身長156cm 体重秘密 誕生日 4月2日 髪色 緑
椿 身長148cm 体重44kg 誕生日1月2日 髪色 赤
愛川桑 身長147cm 体重43kg 誕生日 3月12日 髪色紫
木蔦 身長176cm 体重60kg 誕生日 12月20日 髪色黒