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夢の少女 ~運命の物語~  作者: ポテチ
1/3

第0話 プロローグ ~夢~

ピピと鳴く鳥の囀り、カーテンから漏れる太陽の光に少し眩しく感じるが気にせず、今日も自己商売をしなければならないので立ち上がり、着替えをする。

俺がする商売は手品。

俺は元は都会の方でしていたのだが、場所を変え、田舎にやってきた。

俺が手品をし始めた原因はある夢からであった。

それは最後に放った少女らしき人物のセリフ。

それは声だけの特殊な夢であった。


"また貴方に会える?"


夢の俺はこれに答える。


"会えるよ。次こそは運命すらも超えてお前を抱きしめる"


自分でも気恥ずかしくなってくるセリフ。


"本当ね?約束だよ?また手品を見してね"


ここまではただ単に厨二病的な夢として流す事が出来るが、最後に何故だかノイズが走り、その少女が夢の中の俺じゃない()()()()話し掛けるかの様にこう言う。


"()()()()()()()()()()()()()()()()*()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()*()*()*()*()*()*()*()()


少女は最後の一つの頼みの時声が掠れ始め、最後にプツッと糸が切れた様な音がして、俺は眼が覚めた。



夢は大概覚えていたとしてもあやふやな筈。

だがこの夢は明確に覚えていた。



俺は元々親が手品師で昔から親に手品を教えて貰っていた。

その為、その夢を見た時、手品師になろうと決意した。

俺は普通の手品師じゃつまらないので、路上や各所で手品を披露し金を稼いでいた。


だがこれがちっとも儲からない。

昨日はたまたま儲かったのでパチ屋に行った。パチコンで更に儲かり、今日はダンボールが寝床じゃなく、ホテルのベッドが寝床であった。


「よしいっちょ行きますかね。」


俺は今日、広島県の熊田町に行く準備を進めていた。


俺はカバンに色々と詰め、背負い、ホテルを後にした。


俺はタクシーを捕まえ、乗った。

数十分経った所で着き、タクシーを降りた。

俺がこのド田舎に来た理由は流石に外で眠るのがキツいからだ。

ここには俺の実家があり、そこを寝床にする。

実家に着きベルを鳴らす。


しーん


一向に出る様子が無い。

俺は寝ているのか?と思い再度ベルを鳴らす。


しーん


家からは何の物音すらしない。

俺はお袋に電話を掛けてみる事にした。

数秒後、お袋が電話に出た。


「どうしたの?急に電話してきて」


「何で家に居ないんだ?」


「ありゃ、帰ってきたの?」


お袋は少し驚いた様子だ。


「ああ」


「もっと早く言いんさいや!母さん今父さんと出掛けちょるんよ」


「なら早く帰ってこい」


「出来るならそうしたいけど、今北海道の方おるけぇ帰れんのよ」


めちゃくちゃ遠いじゃないか…

予想外の自体に落胆せざるを得ない。

電話は切れ、俺はガクッと膝から崩れ落ちる。



俺は気を切り替え、寝床を探す事にした。


俺が暫く歩いていると一人の少女が物珍しげな目でこちらを見ていた。

その少女は恐らく中学生か高校生。

顔は幼く可愛らしい見た目。

髪は赤色と珍しかった。


「何見てんだ、クソガキ」


「わっ、話し掛けられるとは予想外」


少女は少し仰け反った。


「そうかよ」


「おじさん見ない顔だね?」


「…」


「何か困ってるでしょ?言ってごらん」


俺は暫し言うか迷ったが、言えば少しは気が楽になる気がしたので言う事にした。

俺は事の顛末を言い終え、バス停のベンチに腰を下ろした。


「成程ね、なら寝床が無いわけだ」


「ああ」


「私の家来る?」


「良いのか?」


俺は自分でも眼が輝くのを感じた。


「但し庭だけどね」


「チッ、期待させんな、メスガキが」


「おじさん口悪いね」


「おじさんじゃなくてお兄さんだ。以後気をつけろクソガキ」


俺はベンチに横になり、少し寝る事にした。


俺が目を覚ました時時刻は昼を過ぎた辺りになっていた。俺が腰を上げると二人のおばちゃんが俺の顔を見るなり奇怪な目をしていた。


「何だよ、ババア」


「なっ!失礼な子ね!」


「で、何か俺の顔に付いてるか?」


「付いてると言うか…何と言うか…コレで自分の顔を見てみなさい…」


俺は鏡を渡され、顔を見てみる。

すると頬にうんこが書かれ、眉毛にぐるぐる眉毛が書かれていた。


「もしかしてあのクソガキの仕業だな!おいババア!赤髪の中学生か高校生ぐらいのクソガキ知らねぇか!?」


「ひぃぃぃ」


おばちゃんは情けない悲鳴を上げるが俺は怒りでそんなのを気にする暇もなく俺は再度問い詰めるとようやく教えてくれた。


「も、もしかして椿(つばき)ちゃんの事?」


成程、椿と言うのか


「そのガキの家はどこだ?」


「行ってどうするの?悪い事するんなら教えられんよ」


「悪い事されたのは俺だ。因果応報と言う物をあの餓鬼に教え込ませるまでだ」


「あんた子供相手にそこまでキレるとかダサいよ!」


何で俺が責められるんだ

少々腑に落ちないが何を言っても無駄そうなので明日探し回ろうと思っていると、憎らしいメスガキの声が後方から聞こえた。

そいつは鼻歌を歌っており呑気そうだった。

呑気にしてられんのも今の内だ


俺は椿の前に立つ。


「ありゃ、今日見たおじさんだ」


「これはお前の仕業だな?」


「うん、それがどうかした?」


こいつには罪悪感とか感じないのか?

何気楽に言っているんだ。

俺はムカついたのでこいつを教育する事にした。


「てめぇ、女だからって殴られないとでも思っているのか?」


俺は胸ぐらを掴み、拳を見せ付ける。

が怯む様子が無く、寧ろニヤッとしていた。


「今のこの状況、誰が優位か分かってる?」


「なに?」


「セクハラとしても訴えられるし、周りに助けを求めれば人がじゃんじゃか来るよ」


俺は辺りを見ると不審な目で通行する犬の散歩をしていたジジイが居た。

こりゃ喚かれたら通報案件だな…

俺は椿を解放した。


「女の力を舐めるんじゃないわよ」


チッ、女は男を社会的に抹殺しようと思えば幾らでも出来る…

正に女恐るべしだな…


俺は気が抜けたので踵を返す。


「どこに行くの?」


「気安く話し掛けるな」


「釣れないねぇ、教えてくれないと私帰らないよ」


面倒臭い女だ…


「公園に行って顔を洗うだけだ、さっ言ったぞクソガキ、さっさと帰ってママのおっぱいでもしゃぶってな」


「おじさん…本当に口悪いね…」


俺は無視して歩き出す。

スタスタ

後ろから聞こえる足音。

俺は無視して歩き続ける。

スタスタ

俺が早足になるに連れて足音も早くなっていく。

俺はとうとう我慢の限界を迎え、後ろに居る椿の胸ぐらを掴み上げる。


「俺は餓鬼に構ってる程暇じゃねぇんだよ…いい加減にしねぇと本気で殴るぞ…」


俺が力強くそう言っても怯む様子はない。


「構ってくれてるじゃん」


「うるせえ、ガイジ、ささっと帰んねぇと本気で痛い目見るぞ」


「おじさんの言う事を聞くのも癪だし、それにおじさん面白いから帰りたくない」


こいつは俺の事を聖人君子の人柄だとでも思っているのだろうか?


「あのなぁ…クソガキ…俺も人間だ…我慢の限界はある…ささっと帰んねぇとマジで痛い目見るぞ…」


「嫌だ!」


「ああ!もう良い!てめぇぶち殺して、豚箱入ってやるよ!」


俺が大声でそう言うとそこら中の家からカーテンが開いた。

流石にまずいな…


「おじさん、お金困ってるでしょ?」


「何だよ…急に?」


俺がそう言った刹那、椿は一万円札を取り出し俺に見せ付ける。

俺はこの時、地面に水溜まりが出来る程のヨダレを垂れ流していた。


「それを寄越せクソガキ!」


俺は椿に飛び掛るが華麗に避けられ、椿は相変わらずニヤニヤとしていた。


「てめぇは散々俺に迷惑を掛けたんだ!それは慰謝料だ!ささっと俺に渡せ!」


俺が取ろうと素早く手を伸ばす。

それを椿が手で制止する。


「なら一つ条件」


「何だ…?」


「私をこれから毎日構って」


「は?」


少女はニコッと明るく微笑みながら訳の分からない事を述べた。

聞き間違いかと思い、問う。


「お前今何て言った?」


「だから毎日私を構ってよ」


「………何故?」


「私、友達居ないから」


何か聞かない方が良かった気がするな。


「そんな虚しい事をよく平然と言えるな。」


「褒めても何も出ないよ?」


「いや褒めてねぇよ…」


こいつ馬鹿だな…

最初からそう思わなかった事に疑問を感じずにはいられない。


「ムゥ…今失礼な事、考えたでしょ」


「おぉ、これは凄い、お前はエスパーなんだな」


「でしょでしょ、私超絶超超超究極のエスパーなのですよ」


椿は無き胸を張り誇らしげにそう呟く。


「ガキかお前は」


「でさ、答えはYES?NO?」


小首を傾げて問うてくる。

金の為だ、仕方ない。


「仕方ねぇな、言っとくが俺はここに長居するつもりは無い、それは忘れるなよ?」


「えー」


こいつ折角俺が折れたのに何で不満そうなんだ。


「俺が帰る前にお前は達を作れ」


「あ、その手があったか、じゃあ私も頑張りますか」


「そう言う事だ。俺は宿を探さないといけないからもう行くぞ」


「あ、うん…」


何故だか椿は行って欲しくなさそうな顔であるが気にしていても仕方がない。


「また明日な、椿」


「う、うん…!」


俺がそう言うと椿は突然明るくなり笑顔でジャンプをしながら手を振っていた。


最後までお読み頂き深く感謝致します。

この作品のテーマは運命です。

一話で主人公の名前が出ていませんので、ここで紹介します。

木蔦 西洋と言う名前です。

ヒロインは3人以上出したいと考えています。


投稿頻度はバラバラになると思います。

今後とも是非お付き合い頂けたらと思います。

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