3/4
物便郵ノ定豫棄廢
1935年7月4日 江川県農春市から皇京府蘇深市
拝復 お母様へ
私はもう寂しくありません。弱音を吐いた自分が情けないです。
兵隊さん達は今この時も、命を賭してお国を守ってくださっているのに。
子供の私でも、他の者と力を合わせてお国のために尽くしたら、帝国はこの聖戦に打ち勝てるでしょう。
兵器工場の皆様は、私達勤労学徒にもお仕事を丁寧に教えて下さっています。
爆撃も公刑も機銃掃射も、もう怖くありません。今はただお国に奉公して報いる気持ちで一杯です。
(文字が滲み判読不可)
蘇深から一緒に来た正花ちゃんと永蘭ちゃんは■■■■■が、天上から微笑みながら私を見守ってくれているはずです。
【検閲済】