7 挑戦しまくる私
きゃー!!!
カッコ良すぎるわ!
微笑みを浮かべながら 条件達成ですわね。お父様! なんて。。。
我ながら最高!!
自分で自分に見惚れていると、お父様の口が動く。
「リーナ。私はお前をみくびっていたようだ。」
そうよ。いいわ。お父様!
「お前には、剣の才能があるようだ!」
と、お父様が誇らしげにいった。
しかし、お父様。違うのよ。そんなのないわ。
認めてくれたのは嬉しいけど。
私が求めていたのはそうじゃないの!
やっぱり、かっこいいレディになるにはまだまだね。
かっこいいのを見せつけたお父様に私のかっこよさが伝わってないんだもの。
はあ。まあ。でも、これで思う存分。剣の練習ができるわね。
今回はこれでも上出来じゃないかしら?
そう思ってお父様やお兄様の顔をチラッとみた。
お父様やお兄様たちは驚いているようだけれど、私の動きは理解できたようね。
ふふ。いいわね。この表情。
「リーナ。この短い間でよくこれほど上達したな。本当にすごいぞ。」
でも、別に大したことしてないのよね。というか、ここまで上達できたのは悪役令嬢のポテンシャルのおかげよ。
別にこのことを隠す必要はないけど、いうのはだるいわね。もし、お兄様にでも聞かれたら言おうかしら。
「ありがとうございます!お父様!」
でも、お礼を言うのはお父様だけじゃないわよね。
かっこいいレディは借りは作らないのよ。
「あと、お兄様もありがとうございました。私のやる気が出てきたのはお兄様たちのおかげですわ!」
それに、アーノルトお兄様は自分の練習時間を潰してまで教えてくださったんだよね。
私がお兄様たちに感謝を伝えたいのは本当のことだし。
「リーナ。ありがとう。」
驚きながらも、優しい微笑みを浮かべてお兄様が言った。
なんか、やっぱりちょろいわね。
「お前たちの仲が良くて何よりだ。しかし、申し訳ないが仕事があるので先に戻るがいいか?」
「はい!頑張ってください!」
まんえんの笑みでお父様を見送る。
お父様が行った後に、お兄様たちが近づいてきた。
そして、手を伸ばして頭を撫でてくれた。
「よく頑張ったな。」
すごく嬉しかったから、反射的にアーノルトお兄様に抱きついた。
「おい。アノ兄顔にやけてるよ。」
「ほんとだ。てかずるい。」
改めて、私がどれだけ愛されているか分かったわ。
大丈夫よ。私もお兄様たちのことは大好きだもの。
そんな大好きなお兄様たちにもう一つだけお願いがあるのよね。
「お兄様。」
「私。馬に乗りたいです。」
「「「は?」」」