表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
4/10

4 かっこいいレディになる私

ちなみにですが、リーナの私の読み方はわたくしです!



「私、剣を習いたいのです。」


静かな食卓に私の声が静かに響き渡る。


あら、みなさまなんて顔。


ドアの近くで立っていたジュリまで目を丸くしている。


「そこまで、驚くことではー」


「リーナ。本当に言っているのか?」


目をまだ丸くしながら、お父様が聞いてきた。


「ええ。もちろんですわ。剣を習いたいのです。」


「ちょっと。待ってくれ。なんでいきなり剣なんか。。。」


お父様が額に手を当てて困ったような顔している。


それに気づいたアーノルトお兄様がお父様の代わりに聞いてきた。


「リーナ。剣ではなく他のものもあるじゃないか。」


「そうだぞ。例えば、楽器とか。」


すかさずルークお兄様が言う。


「いやです。」


剣じゃなきゃダメなのだ。


「女の子なんだから、剣なんかじゃなくても他にいっぱいー」


「剣だから、いいのです。」


今度は、アーノルトお兄様まで口をつむんだ。


「そもそもなんで剣なんだ?」


落ち着きを取り戻したお父様が聞いてきた。


「自分の身は自分で守りたいからです。」


「は?それならば、私やアーノルト、ルークやレアムだっているではないか。」


「それでは、ダメなのです。」


「なんでだ?」


「だって、自分で戦えた方がかっこいいじゃないですか!」


とびっきりの笑顔でそういった。


そう、これこそが私の目標であり私の目的なのだ。


しかし、みんな呆れてしまっている。


な、なんでだ?私の真の目的に私の笑顔もプラスしたのに。。。


ど、どうしよう。このままでは、習えない。。。


すると、レアムお兄様が口を開いた。


「リーナがやりたいのであれば、やらせてあげればいいんじゃないの?」


レ、レアムお兄様!!


お父様のことを期待の目で見た。


お願い。お願い。お願い。お願い。


さすがに、私にいつも甘いお父様も諦めたらしく。


「わ、分かった。」


と、承知してくれた。


い、やったーーーー!


これで、かっこいいレディに一歩近づいた!


テッテレー フボル・リーナはレベル1に上がった!的な感じ?


そんな上機嫌になっているとお父様も低い声が聞こえた。


「しかし、条件付きでな。」


「え。」


さっきまで、ハッピーだったのが途端に曇る。


ゴクリ


いったいお父様はどんな条件を出してくるのだろう。


「条件は。。。」



「1ヶ月続けることだ。そして、それまでに少しでも上達するんだ。」


「え?」


な〜んだ。不安になって損した。そんな簡単なこと私が成し遂げられないわけがないでしょ?


「それが条件だ。」


「お父様。ご安心ください!必ず成し遂げられますわ!」


私は自信たっぷりに言った。













しかし、これがなかなかきついのである。


二週間。お兄様たちと頑張って練習したもののレベルが違いすぎてだんだん病んできたのである。。。


「このまま、やって意味があるのかしら。。。」


そんなことを考えながら、今、私はトイレに向かっているのだが。


横を曲がろうとした瞬間、お兄様たちの声が聞こえた。


とっさに私は足を止めて、耳を澄ました。


いや、別に盗み聞きしなくてもよかったんだけd


私の心の声を遮るようにしてアーノルトお兄様の声が聞こえた。


「リーナのことなんだけどさ。。。」


私?


「もう、剣やめた方がいいと思うんだけど。どう思う?」


「俺もそう思う。」レアンお兄様がいった。


「最初は良かったんだけどさ、だんだんやる気なくなってきちゃったし。」


「それに、くる時間も遅くなってきたよね。。。」ルークお兄様が言った。


ギクリ 


何かと理由つけておくれたんだった。ちなみに今回もしようと。。。


「そうだな。」と、アーノルトお兄様も頷いた。


「リーナが一緒に練習してくれるのは嬉しいし、楽しいんだけどさ。それに可愛いし。」


「そうそう。でもさ、本人が楽しそうじゃないからな〜ちょっと心配なんだよね。」


ルークお兄様。。。


お、お兄様たちがそんなふうに思ってくれてたなんて。。。嬉しい。


「父さんに相談してさ、剣じゃなくて他のものに変えてもらったほうが俺はいいと思うんだけど。」


「俺も、賛成。」


「でも、さすがに今からは急すぎるから今日のリーナの様子を見てからの方がいいんじゃない?」


「そうだな。」


「確かに。」


「まあ。終わってからにしよう。今日はリーナの様子を見てみるか。」


「ああ。」


「練習の時間までまだあるな。多分今日もリーナは遅れるから俺は今日の予習でもしてる。」


「そうだな。じゃあ俺もそうすることにする。」


「また。後でな。」


そう言って、お兄様たちは別れた。


お兄様たちなんの予習するのかしら?


いや、今はそんなこと考えている場合じゃないわ。


や、やばい。さすがに今日またおくれてしまってはダメだわ。


自分の口から言ったのはいいものの。行動に移さなきゃダメよ。リーナ。


そうよ。私は、かっこいいレディになりたいのよ。


なら、頑張らなきゃ。


今日から、ちゃんとするのよ。


そうして、私は庭に向かって走り出した。










はあ。結局、私は前と何も変わってないわね。何も。



















評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ