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真の力

今回は海翔視点です

「ねぇ、あの子カッコよくない?」


「うん、俳優よりカッコイイかも!」


(うるさいなぁ、これだから女は好きじゃないんだよ。勿論、礼奈は除くけど)


俺はやっぱり女は好きになれないことを、ここに来る度に考えさせられる。


礼奈が通う学校は所謂金持ち学園だ。礼奈は


「海翔と同じところに行く」


と言っていたが、家にここまで金がある訳でもなく、普通の公立学校だ。

この学園は王子、王女のような生活をしている奴が通う学園。ハッキリ言って金が物を言う学園。俺からしたらそんなのに興味なんて微塵も湧かないが、愛しの婚約者のためこうして迎えに来ている。


「はぁ〜」


周りの視線に思わず溜息をつく。何故こうも金持ちはプライドが高いのか?何故そんなにも自分に自信があるのか?謎で謎でしょうがない


「大丈夫、海翔?」


俺はその声に気が付き、顔を上げる。すると目の前には両手にアイスを持った礼奈がいた。


「大丈夫?ため息なんてついて、アイス食べる?」


「ああ、大丈夫だ。それとアイスは食べるよ」


俺は礼奈からアイスを受け取りひと舐め。


「お、これはミントかな?」


「当たり、私のはキャラメルだよ」


「そっちも美味しそうだな。1口くれない?」


「いいよ。その代わりに海翔のも1口頂戴」


「ああ、いいよ」


そうして俺らは校門前でイチャつく。周りからは羨望、嫉妬の目で見られる。男女問わずにだ。これもいつも通りなので、気にしない。俺には礼奈がいればいい。礼奈だけでいい。この幸せを俺は二度と離さない。

、、、

あの頃のような失敗はもうしない


あの時の俺はそう思っていた。












俺は周りの騒がしさに目を覚ました。

しかし、周りを見渡すと誰一人としておらず、目を開ける前と違い、静かだった。


俺は二度寝をすると誓い、二度寝を始めるがそこで違和感が。俺の隣で寝ていたはずの礼奈がいない。

俺は礼奈と婚約してからは毎日礼奈と一緒に寝ている。夜の運動はしなくても、ずっと一緒に寝ている。初めの頃は注意していたが、何度してもやめないので諦めた。一緒に寝るのは俺も大歓迎なので注意こそすれ拒むことは無かったが。


俺はその違和感に思わず目をカッ!と見開いた。すると目の前には俺の唇に自分の唇を重ねようとしている女の姿が。俺は驚き、相手を蹴っ飛ばした


「ぶはっ!」


相手はかなり吹っ飛んで言ってしまったが、俺に悔いはない。


(なんだよ。いきなり強姦みたいなことしやがって。女じゃないから強男てところか?漢字を考えるだけで気持ち悪いな)


相手は吹っ飛ばされてもなんともないのかすぐに立ち上がり俺に向かってくる。


(やべ!変態に目をつけられた!!)


「誰が変態ですか!私は普通に男が好きなだけです。変態じゃありません」


「やっべ!ビッチかよ。逃げよ」


「ビッチでもありません!それに逃げないでください」


俺が女に背を向けて逃げようとしたが、突如目の前に透明な何かが現れ俺の行く手を遮る。


(なんだこれ!さっきまでこんなの無かったのに)


「それは空気の壁です。粒子レベルで密集させてるので、あなたが通る隙間はありませんよ」


「なんだお前、ただの変態ビッチじゃないのか?それになんで心読めんるんだよ。最近の読心術は相手の考えまで当てられんのかよ!」


「私は変態でもビッチでもないです!それに心を読めんのは女神だからです!」


「はぁ?何意味わかんないことほざいてんだよ。あっ!まさか、女にも中二病がいたのか。お前これは立派な犯罪だぞ?【大人の女が高校生を誘拐】これは炎上だな」


「誰が中二病ですか!女神なのは、ホントです!それに大人の女じゃありません!私にはアリスと立派な名前があります!」


「知るか!そんなことよりとっとと家に返せよ礼奈が心配すんだろうが」


「む!誰ですか礼奈って。私というものがありながら浮気ですか?」


「逆だ、逆。礼奈が正妻だよ!お前は·········誰だっけ?」


「アリスですよ!ア・リ・ス。りぴーとあふたみーアリス」


「で、早く家に返せよ」


「まさかの無視!ダメだ、海翔君に1ミリも話に興味を持って貰えない」


「そんなの知らん!早く家に返せよ」


「あなたは家にいますよ。ここにいるのは精神体。体は家にいますよ」


「ん?精神体?」


「あ、やっと話に興味持った。コホン。ここは所謂【神の世界】。私達は【神界】と読んでますが」


「神界?てことは変態アリスです」······ビッチアリ「アリスです」········アリスはもしかすると、百、千、万?··········1京分の1の確率の話だが神様?」


「そうですよ!なんでそんなに低いんですか!」


「わぁお。まさかの神様。ま、崇めはしないけど」


「なんでですか!神様ですよ!めっちゃ可愛いですよ!プロポーション完璧ですよ!崇めて下さい」


「えぇ〜。だってあなたは私を誘拐してるんですよ?分かる?俺は被害者で、あなたは加害者?」


「だから、誘拐じゃないですって!ここは神界、あなたはこれからここで暮らすんですから『誘拐』ではありません。言うなれば『帰郷』です」


「は?なんで俺がここに住むことになってるんだよ。俺は礼奈の元に戻るぞ」


「そうか!その礼奈ちゃんって人が海翔君のことを誑かして」


「何、変な誤解してんだよ。俺は自分の意思で礼奈と付き合ってるんだよ」


「洗脳はここまで深かったのか!ならいっそ礼奈ちゃんを消せば·····ゴハッ!!」


アリスが危険な発言をしたその時、海翔の姿が消え、次に視認できた時は拳を振り抜いた体勢でいた


「······オイ、お前今礼奈を消すって言ったよな?そんなことを俺が許すとでも思ってるのか?」


「ぐっ!なんでこんな力が、私は神で、海翔君は人間なのに、それも精神体。そんな状態で私にダメージを与えるなんて·······」


「誰が喋っていいっつった?」


アリスが気づいた時には目の前に海翔がいた。


「なっ!むぐ!」


海翔はアリスの顔を掴む。


「むぐ!むぐぐぐ!!」


「あぁ?お前この期に及んでまだ神だとか言うのか?神なら、この後何するか分かるよなぁ?」


そう言って海翔は掴んだ手を離す


「うう、ひっく、ご、ごめんなさい。」


どうやら泣いてしまったようだ。いくらこいつが悪いとはいえ、女に泣かれるとこっちが悪いみたいになるな。


「まあ、なんだ。分かればいいんだよ」


「ぐすん、えっぐ、ごめ、ごめんなさい、もう、しませ、ん。」


「あーあー。泣き過ぎだ」

   、、、、、

俺はいつもの癖でポッケからハンカチを取り出した


「あ、ありが、とうござ、います。チーン!」


そして返されたハンカチを俺はポッケにしまう。


あれ?


「なんで俺ハンカチ持ってんの?」


「やっと覚醒しましたか」


「は?今度は何したんだ?」


「いやいや、あんなことされた後になにかしようなんて思いませんよ。その力は本来あなたが持っていた力。私はその力の制限を外しただけ。気にする必要はありませんよ」


「え?俺の力ってハンカチ作る力?めっちゃダサいじゃん」


「いやいや、そんな力なわけないじゃないですか!そんなしょうもない力ならわざわざ神界に招待してまで説明しませんよ」


「なら、俺の力はどんな力なんだ?」


「海翔君の力は。いや先にあなたの立場からお話します」


「は?俺の立場?高校生じゃないのか?」


「それもそうですが、それは人の世界での話です。私が言う立場はここ。神界での立場の話です」


「は?俺がここに来たのは初めてなんだけど」


「ええ、そうです。ですがあなたの魂、私達は【ソウル】と呼びますが、あなたのソウルは創造主のソウルと合わさっている。いや、呑み込んでいると言った方が正しいです」


「それで?」


「あなたのソウルは創造主の物を呑み込んでいます。よって、あなたは神界では創造主と同じで権威を持っていると言うことです」


「·····なるほど。それで創造主の権威とは?」


「飲み込みが早くて助かります。創造主の、権威は神界のトップ。序列1位です」


「は?」


「て言うことは、女神である私も、友達の死神や、太陽神、月神もあなたの下に着きます」


「権力とか全く興味無いんだけど」


「それでも、神界は序列が絶対を意味します。たった1つの差でも上のものには逆らえません」


「ますます権力が嫌になってきたんだけど」


権力なんて持ったところで、俺が有効活用できるとは思えないし、何より面倒だ。そんなものを持ってしまったら礼奈との時間が取られそうだ。


「別に神なんて退屈ですよ。やることなんてないですし、仕事なんて自分の世界を見ているだけで、滅びそうになった時手助けをすればいいだけですし。何より神になれば、あなたや礼奈が好きな異世界にだって行けますよ?」


俺は異世界という言葉に反応する。

俺は小さい頃からゲームが好きだった。特に好きなのがRPGが好きだった。その繋がりでラノベや、アニメもよく見ていた。······フィギアとかは買わなかったが。それでも、礼奈と一緒にアニメを見たりしてた。


「でも、それだと礼奈との時間が·····」


「創造主の仕事は基本ないですよ?」


「え?」


「だから創造主も転生したんですよ。まぁ、あなたのソウルに呑まれちゃったのはドンマイでしたけどね」


「そうか········そうだな。創造主か。やってみるか」


「本当ですか!!」


「ああ、でも俺は礼奈と一緒にいるから神界には入れないけどな」


「神達の会議に参加してくれれば文句は言いません」


「それぐらいならいいよ。それで、さっきの続き。俺の力は?」


「ああ、そうでしたね。海翔君の力は読んで字のごとく【創造】ですよ」


「あ〜、やっぱり?一応聞くけどどんな力なんだ?」


「無から有を創り出す力。海翔君のハンカチも、その時の力ですよ」


「どのレベルまでなら作れるんだ?」


「限界ってことですか?そんなのある訳ないじゃないですか」


「え??」


「神界序列1位ということはどの次元の生き物よりも強い神のトップですよ?そのなものに限界も何も庵るわけないじゃないですか」


「ん〜。それだと分かんねえなぁ。例えば何が作れるんだ?」


「物類や家などの、作るものは全て作れます。他には世界とかですかね」


「えっ!世界も作れんの?」


「ええ、勿論です。なんせ、今ある世界を作ったのは全て創造主ですよ?」


「へぇ知らなかったな」


「あとはホムンクルスや命まで作れます。あっ!ステータスとかも作れますよ」


「ステータスっ!!それはホントか!!」


「え、ええ本当ですよ。昔、創造主がそれでチートスキル?てのを作って自分専用の世界で暴れてましたよ」


創造主の気持ちが痛いほど分かる。もしかしたら同じことを思う同士だからこそ俺のソウルと一体化したのかもしれない


「なら魔法も使えるのか!?」


「魔法ってこれですか?」


そう言ってアリスは右手の人差し指にロウソクの火のような大きさの火を出した


「そうそう!そういう奴。俺も使えるのか?」


「勿論です。創造主なんですから自分で魔力を作ればいいだけです」


「なるほどな。····てことは魔力が切れる度に自分で魔力を作らないといけないのか?」


「それなら、魔力を作る器官を自分の体に作ればいいだけです」


「そんなことしたら俺の体壊れないか?」


「ええ、そうですね。そこが創造主の力の使い所です。創造はイメージが重要です。イメージが不完全だと間違えるし、完全だといいものができます」


「なるほどな。·····この話って人に話してもいいのか?」


できるなら礼奈にも教えてあげたい。そして2人で異世界に新婚旅行したい。


「うーん。······いいですよ。地球の人は神のことそんなに信用も信仰としてないようなので、言ったとしても本当に信用はされないでしょう」


「あ〜。確かにな。分かった。なら、神の会議の時になったら教えてくれ」


「分かりました。それまでは地球で過ごしても、自分で創った異世界で暴れてもいいですけど、その代わり世界を壊すようなことはしないでくださいね」


「流石にそれぐらいの良識はある」


「ええ、信用してますよ。そろそろ時間ですね。良い神生を」


アリスはそう言って俺に何かする。

そして俺は段々と眠くなっていき、寝てしまった



検索では異世界と入れましたが、実際は地球や異世界、神界での色んな場所が入り混じった話になってます

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