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作戦

前回の魔法説明の時に書き忘れてましたが、第10階位までに収まらない魔法などは【伝承魔法】と家族や、道場で受け継がれてきた魔法ということにします。

第11階位の魔法は存在しません。が、物語で自惚れのアホを書く時は自称ということで使うので混乱はしないでください。

「今回の作戦は」


俺はこのギルドに集めた人を見渡して話し掛ける。

魔物の大群が迫ってることは既に王宮に伝わっている。しかし今回はギルドの面子だけで対応することにした。その理由は、単純に面白そうだし、クレンがどれくらい強くなったかを確認するためでもある。王宮に伝手があったので、俺の言葉はすぐに届き承諾してくれた。むしろそっちにしてくれと王自らが迫ってきたのはビビったが。


今回の討伐戦に出るのは俺、礼奈、エレーラ。そして【天の祝福】のメンバーと個人的に仲のいい奴らだ。全員Sランク以上なので問題は無い。それ以外の冒険者は街の中で待ってる事。


と、ギルドからお触れが出た。いや、出させた。

全ての話がこれまでと全く違った方向に進んでいる。普通魔物の大群の場合、冒険者も兵士も数で当たる。今回は少数精鋭で当たることになっている。まぁ、あんまり魔族の姿を晒したくないってのもあるし、単純に、強くないと迷惑ってのもある。


「今回の作戦は俺が魔族を相手に遊んでるから、その間周りの雑魚を潰せ。以上!」


その場に沈黙が訪れる。全員の心は一致している。

なんだ、この雑な作戦は!


「まあまあ、みんなの気持ちもわかるけど、これが一番最適なんだ。万が一魔族が強くても、俺なら対処できるし、魔族は倒しても美味しくないだろ?魔物は倒せば素材とか魔石とか落とすし、今回はAランク以上ばかりだから魔宝を落とすかもしれないからな」


この世界は魔物を倒せばゲームのようにドロップアイテムとして素材化するため解体する必要が無い。レアドロップはあるにはあるが武器として現れる。持ち運びがしずらいので意外と人気がなかったりする。その分特殊効果とかが着いているので高価な物なので、それを目的としている人達もいるほどだ。オーバーキルだろうが、火魔法で灰にしようが、素材はしっかり残る。


魔石と言うのは魔物の心臓だ。倒すと魔石の他に毛皮や牙、爪などをドロップする。大きさが大きいほど、透明度が高いほどランクが高い魔物から、ドロップする。稀に色がついた魔石も出ることがある。その魔石は色の属性の魔力が込められており、金持ちが物珍しさに買おうとする。勿論、魔石なので魔力が詰まっているので魔法を使う時の代替品や魔道具を起動させることも出来る


魔宝は魔石の上位互換だ。内包されている魔力も桁違いだし、透明度も魔石とは格が違う。だがその分サイズが小さいので、たまに魔石と間違えられる。魔宝は魔物のランクが高い魔物ほど持ってる確率が高い。もちろん持たない個体もいるが、Sランク以上は確定で持ってる。


魔石も魔宝も共通していることは、それが生命の源となっていること。それが魔力を内包しているほど、強い。それだけは確かだ。


「おう!確かにそうだな。せっかくの晴れ舞台なんだ。存分に暴れさせてもらおうぜ!」


と筋肉モリモリのThe脳筋が話しかけてくる


「ああ、ラドン達には期待してるぞ、まあ、めんどくさくなったら俺と礼奈が凍らせればいいだけと話だがな」


こいつの名前はラドン。俺と同じくらいの頃に冒険者を初めた奴だ。こいつは1年前(この世界で)俺達と一緒に冒険者登録をして、それから長い(1年)付き合いだ今はAランクと将来有望株だ。ちなみに歳は20。


「おいおい、それは言わない約束だろ?それを言ったらお終いよ」


ラドンはパーティーではなく【パワーエンペラー】というクランのリーダーをしている。

クランとパーティーの違いは、パーティーは最大6人までで、リーダーは誰がやってもいい。ことになってる。パーティーが数個集まって依頼をするために組むことを【レイド】と呼ぶ。

クランの場合、リーダーはAランク以上の冒険者が務めることになっている。別に強制ではないが、できる限りクランを作った方がいいとされている。理由は、まだランクが低く、冒険者になったばっかりの人に紹介できるクランを増やし、死亡者数を減らすため。クランは人数制限はないが、作る場合最低でも10人は必要だ。クランはただ所属しているだけなので、クラン内の冒険者や違うクランの冒険者とパーティーを組むのはありだ。しかし、パーティーをかけ持ちするのはなしで、入るときと、辞めるときは冒険者ギルドに申請しなければならない


今回はラドンのクランメンバーにも来てもらってる。勿論、そいつらとも結構話す。本当ならラドンの一声でもっと集まるが、今回は少数精鋭で行くつもりなので、そこまで人数はいらないし、その分分け前が増えるのだからウィン・ウィンの関係だろう


「まあ、30人で、1000の魔物を相手するのは流石に面倒だろうから、俺と礼奈から適当に付与魔法かけとくよ。それで十分だろ。ま、残りの話し合いは現地でやるか【ワープ】」


俺は魔法を使い、魔物とこの街のちょうど半分のところに来た。


「礼奈、こいつらに魔法を使うぞ【ゴッドステータスアップ】」


「はいはい、【アラウザル】」


俺はステータスを超絶アップさせ、礼奈は全員を覚醒状態にした。


「これぐらいあれば余裕だろ、頑張ってこいよ。特にクレン、俺が認めるほどだったら、お前が教わりたがってた技を教えてあげるぞ」


「えっ!?本当ですか!」


クレンは目の色を変えて食いついた。


「ああ、本当だ」


今のところはアメしか使ってないが、今度の特訓ではムチを使う予定だ。これこそアメとムチの使い分けだろう


「さ、【最強】様、も、もし私も頑張ったら、わ、私にも、その、技を教えてくれませんか?」


ん?うわぁ、1番困る視線だなぁ。尊敬の目。

今までそんな目付きで俺を見た女がこの世に両手で数えられるくらいしかいないから一番対応に困るなぁ。


「え、えーっと、分かった。頑張ったらね」


俺にはこうやって答えるしか無かった。今度、礼奈に教えてもらおう


「やったっ!よし、クレン達も頑張ろうな!」


「うん!そうだよ!」


「「はぁ〜」」


露骨なまでにテンションが高い前衛職2人と、それについていけない後衛職2人。

こうなりゃやけっぱちだぁ!


「2人も頑張ったら魔法を教えてあげるよ。なんならこの世界に出回ってないような魔法も教えられるけど?」


俺がそう提案すると、2人の目の色が一瞬だけ変わったが、すぐに元に戻った。俺はその一瞬を見逃さず、まだ話を続ける


「なんなら、レーテルには新しい杖を作ってやろうか?パッと見、その杖じゃレーテルの魔法を手伝うどころか足でまといになってるけど」


俺がそう提案&指摘するとレーテルは露骨に反応し、そして静かに頷いた


「·······そうなんです。この杖はこの街の1番いい職人さんに作って貰ったんですけど、魔力が良く伝わらなくて········これよりいいものになると【絶狼の孤島】にある【エンシェントトレント】しかないって言われて。流石にそこまで行くほど実力はないし、みんなを危険にしたくないから」


レーテルが辛そうに話している中、俺は頭の中で杖の構想を考えていた。杖の素材に【エンシェントトレント】はヘボいなぁ。なら【世界樹の枝】いやいっそ【世界樹】その物を圧縮して杖にすればいっか!


俺はそう考えて創造する。


「ほら、こんな杖でどうだ?サイズは持ってる杖に合わせたけど」


俺が出した杖は、金属みたいな光沢が出ている木製の杖だ。


「こ、これってせっ、【世界樹の枝】ですか!?」


「違うよ。これが【世界樹】の本体だけど?空を圧縮して創った。だから魔力の伝道効率最強だと思うけど?使ってみる」


「は、はい!」


俺はレーテルに杖を手渡した


「すっ、すごい!これをくれるんですか!?」


「ああ、頑張ったらな。てゆうより、先遣部隊がすぐそこまで迫ってるし、それ使っていいよ。ほら、もう見えるところまで来てるよ」


俺が指さした先には砂煙を上げて迫って来る魔物の群れが。数は100ぐらいかな。


「まあ、俺らの付与魔法もあるし、余裕だろ」


俺の声を合図にこちらの冒険者30人が戦闘態勢に入った



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