一日目、ご挨拶には事実を添えて。
「おめでとう!君は死んだ」
少女は僕に残酷な真実を告げた。
白いパーカーを羽織って長袖のジャージを着た、髪が黒色っぽい少女だった。
あたりを見渡すと、雪化粧に身を包んだ杉の木々と木造の小屋が一つあるだけでどこか殺風景。
何と無くここには死人が住んでいて、目の前に立つ少女はその死人なのだと思えた。
ボンヤリとしている頭を寒風が少しずつ冷やしていった。
この土地に見覚えは無く、この少女に会った覚えは無い。ならばここは何処なのか。今まで錆びていた危機感が警笛を鳴らす。
ここは何処なのか、ようやく疑問に思った。
此処は何処なんだ?
僕は目の前に広がる銀世界を受け入れる事がまだ出来ていなかった。
僕が疑問を呟いても彼女はまだ口を開かない。此方から来いとでも言いたげに。
僕は彼女に話しかける事にした。背筋に汗が滴る。
「此処、何処ですか?」
ぎこちなかったがようやく言いだせた僕は相当汗ばんでいた。
それで彼女の返答は
「ざっくり言うとゴミの検品所兼リサイクル工場だね」
苦笑いのようななんとも言えない顔はとても印象に残るモノだった。