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2話目となります!自分の想像よりも多くブックマークして頂けて嬉しかったです!評価して頂いた方もありがとうございました
魔力は、全ての人間が生まれた瞬間から持っている。
それは、検査の結果、魔石が透明のままで、魔法の適正がないと判断された自分も例外ではなく、魔力を持っている。
人によって、魔力の質や量は変わるが、魔法を行使する上では必須なものとなる。例えるならば、ライターのようなものだ。魔力をオイル、魔法をライターの外側だとすると、オイルだけでは火はつかないし、逆にオイルが無くても火がつかないのと同じで、魔力が尽きれば魔法は使えなくなる。
勿論、本人の才能にも大きく左右されるが。素質があるのと無いのとでは、雲泥の差である。
まぁ、何が言いたかと言うと、皮肉にも、自分は通常よりもかなり多い量の魔力を持っているときた。魔法の適正がない自分がそんな魔力を持っていたって、意味はないというのに。こんなの、宝の持ち腐れだと、そう考えていた。
だからこそ、魔法以外での魔力の使い方を教えてくれた師匠と出会えたことは、幸運だった。5歳のあの日から数日間、泣き寝入りをしていた自分の元に、いきなり現れた師匠。祖父の古い友達と聞かされた当初は困惑していたものだが、今となっては師匠と、師匠と合わせてくれた祖父に、感謝してもしきれない。
師匠との修行がなかったら、アイツと交わした夢を諦めて、違う道を進むしかなかった。アイツと同じ、この東京黒ヶ崎学園に入学することすらなかった。
そのこともあり、本当に師匠には頭が上がらない。
と、頬杖をついて教室の窓の外を眺めていると、聞き慣れた声が耳に入ってきた。
「っはよ〜」
その声を聞いて、教室に居た殆どの生徒がアイツに声をかけ始める。
「おはよ!一ノ瀬君!」
「おう一ノ瀬!今日こそサッカー部に顔出してくれよ!」
「一ノ瀬!昨日のテレビのダンジョン探索のやつ、見たか!?」
などと言って、あっという間にアイツの周りに輪が出来上がった。
アイツ、一ノ瀬奏の事は、よく知っている。
いや、よく知っている、どころではないだろう。
だって、アイツは、奏は……
物心ついた時からずっと一緒に過ごしてきた、俺の、幼なじみなんだから____
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