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47話 タマモの怒りの一撃

5日ぶりの更新となりました←汗

なんでもやで言いましたが、わりと難産でした←汗

日付変わるまでになんでもや更新できたらいいんですけとねぇ←苦笑

「タマモや。なにを作っておるのだ?」


「えっと、キャベベ炒めという───」


「うむ。シャキシャキとしていてなぁ。なかなかに旨いぞ」


「貴様に聞いておらんわ!クソジジイ!」


「これ、そう叫ぶな。そなたの唾がキャベベ炒めに含まれるであろうに」


「貴様、我の唾入りの食事を食うと言うのか!?この変態ジジイめ!」


「……どうしてそういう発想になるのじゃ。おまえさんは相変わらず意味わからん」


「うるさいわ、クソジジイが!澄まし顔の変態の分際で!」


「おまえの方がうるさいわい!さっきから人のことをクソジジイだの変態だのと抜かしておって!」


「本当のことだろうが、変態クソジジイ!」


「我が変態なら貴様はなんじゃよ、この若作りババアが!」


「なんだと、クソジジイ!?」


「なんじゃ、クソババア!?」


額をぶつけ合いながら、焦炎王と氷結王が睨み合いを始めた。


少し前までは氷結王は大人の対応を見せていたが、焦炎王のあまりにもな言葉についにはぷっつんとしたようだ。


焦炎王と氷結王が額をぶつけ合うというよりかは頭突きをお互いに繰り広げていた。ふたりとも目が血走っているのがなんとも言えない。


あくまでもレンからしてみればの話だが。ふたりの間にいるタマモにとってはやや異なるようである。


タマモはふたりの間で俯いていた。それもまぶたを閉じたまま俯いていた。その姿は一見嵐が去るのを待っているかのようだった。


実際レンにはタマモが嵐の被害を受けないように、ただ嵐が去るのを待っているようにしか思えなかった。


だが、そう思ったのはのレンだけだった。


「あのぅ、レン様。少し離れた方がよろしいですよ?」


「え?」


レンに声を掛けたのは、タマモを「旦那様」と呼ぶアンリだった。アンリはすでにタマモからある程度距離を取っていた。


ちなみに現在レンたちは、「フィオーレ」の本拠地であるログハウスの外にある野外キッチンにいるのだが、アンリはその野外キッチンから少し離れた丸太のテーブルになぜか隠れていた。


「えっと、どうしたの、アンリさん?」


「アンリからしたら、レン様こそどうしたのですか、と言いたいのですが」


アンリは不思議そうに首を傾げている。が、それはレンも同じだった。なぜアンリは距離を取っているのかがレンにはわからなかった。


「どういうこと?」


「はっきりと言いますと、そちらにおられると危ないということです」


「危ない?」


アンリの言葉におうむ返しするレン。そんなレンにアンリは「とにかく急いでください」と手招きするアンリ。


なにがなんだかわからないが、とりあえず言われた通り、レンはアンリがいる丸太のテーブルに向かい、アンリの隣に隠れた。


「とりあえず、これで巻き込まれることはありませんね」


「巻き込まれる?」


言われた意味をうまく理解できなかった。巻き込まれるとは、いったいどういうことだろうか、とレンがアンリに尋ねようとした、そのとき。


「……はぁ、「三尾」」


タマモがため息を吐きながら、自身の尻尾である「三尾」にと声を掛けた。声を掛けられた「三尾」はタマモの右腕に巻き付いた。


「……とりあえず、喧嘩両成敗なのですよ」


タマモは焦炎王と氷結王から少し離れると右足を一歩引いて構えると、下から掬い上げるようにして右腕を振り抜いた。


ヒュという甲高い音がまず鳴り、ほぼ間を置くことなくゴォォォという重低音が響いた。その音の発生源はタマモの右腕から放たれた青白い竜巻だった。その竜巻はタマモの右腕から直線上に放たれ、焦炎王と氷結王ともどもに呑み込んだ。


青白い竜巻に巻き込まれたふたりは、竜巻の中で回転していた。その目はぐるぐると回転してながら、「あばばばば」と叫んでいた。


やがて竜巻は収まり、ふたりはぴくぴくと体を震わせながら地面に突っ伏していた。


「喧嘩はダメなのですよ」


ぷくっと頬を膨らましてタマモはふたりの前で仁王立ちしているも、ふたりは目を回したままである。


「……どういうことなの?」


レンは目の前で起きた光景を理解できないでいた。しかしアンリは「さすがは旦那様です」と頬をぽっと染めていた。


「アンリさん、片付けを手伝ってください」


「はい、承知しました。あと」


アンリは「むぅ」と小さく唸りながら言った。


「「アンリ」と呼んでください、旦那様。アンリは旦那様のものですから、「さん」はいりません」


「……それはおいおい」


「いまからじゃないとアンリは嫌です!」


アンリはじっとタマモを見つめる。アンリに見つめられているタマモは、なんとも困ったような顔をしていた。


だが、タマモは嫌がっているようには見えなかった。


むしろアンリとのやり取りを楽しんでいるようにレンには見えていた。


「あれ、レン?帰ってきたの?」


アンリとタマモのやり取りを眺めていると、ログハウスからヒナギクが出てきて、焦炎王と氷結王の姿を見て「……どういうこと?」と首を傾げた。


どういうことはレンのセリフだが、とりあえず起きたことだけを話そうとレンは、起きていたことをヒナギクに説明するのだった。

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