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8話 現実にて

ごめんなさい、後で体裁は整えます←汗


追記 ある程度は整えました。ご迷惑をおかけしました←汗

ログアウトしてから8時間後、「EKO」での日付が変更されてからだいたい7時間後、まりもは私室のベッドに腰かけて読書中だった。


「……ふむふむ。呼吸の仕方ひとつ変えるだけでも有効ですか」


まりもが読み更けているのは、登山中のマナーと登山の際に注意することが書かれた本だった。まりもの家の近くにある図書館で借りてきた本だった。


ちなみに玉森家メイド隊と早苗が着いていったのは言うまでもない。


前回とは違うのは、まりもの周囲にメイド隊の面々が立ち、声援を送りつつ移動するという方式ではなく、八方をメイド隊の面々が囲み、中心にまりもと隊長である早苗がいるという、完全方陣の形を取っての移動だったということ。


その際のまりもがどんな表情を浮かべていたのかは言うまでもない。そしてまりもの隣に立っていた早苗がどんなことを考えていたのかも言うまでもない。そしてまりもとメイド隊の移動していく様を見て、ご近所の方々や国家権力、ひいては図書館職員がどんな反応をしていたのかもまた言うまでもない。


ひとつ言えるのは、今日もなにごとなく平和であったということだけ。


そんななんとも言えない時間を過ごして数時間経った現在、まりもは夕食後の食休みとして借りてきた本を読書中だった。


もう読破はしているが、本というものは繰り返し読むことで理解率が高まるものである。


すでに3週目ではあるが、1週目よりかは理解できるようになったと思っているまりもである。


もっともなにごとにも自称中級者ほど危険ではあるのだが、まだ中級者と言えるほどの知識も経験もないのだから、少なくとも現時点では図に乗ることはない。……将来的にはわからないのが、なんともまりもらしいことだった。


「さて、そろそろですかね」


ちらりと時計を見やるとヒナギクとレンがログインする時間になっていた。


夏休みの時期も終わったことでヒナギクたちとのログインの時間が合わなくなっていた。


昼頃のログインはどうあっても難しいようだ。そのため午後のログイン時間を合わせようと話し合いを行っていた。


午後のログイン時間は19時半から20時頃で話は纏まっている。


仮に誰かが遅れたとしても、全員が同じ時間でログアウトをするという決まりを作っていた。


そのためまりもも昼間のログインは午後の時間に合わせていた。


遅くても朝の8時までにはログインをするようにしていた。


莉亜は早いと7時には家に来てくれるため、その頃に一緒に朝食を取るのが最近の日課である。そう、日課ではあるが、時折両親がなぜかその時間に待ち伏せているかのように食卓にいることがある。


父がいる場合は、黙々と食事になるが、最後に「今後も娘と仲良くしてほしい」と頭を下げてくれる。気恥ずかしいからやめてほしいのだが、一向に父は話を聞いてくれない。


かと言って母は母で、同性ということもあるのか、莉亜とかなり親しげにしている。莉亜も父には少し遠慮がちだが、母にはわりと親しげだった。が、母は母で爆弾を投じてくれるのだ。


「莉亜ちゃん。いつでもまりものお嫁さんになってもいいのよ?こちらとしてはすでに準備は──」


「──奥様。第2応接間にてお話がございます」


母がきらきらとした目で莉亜に詰め寄ろうとすると、「待った」を掛けるようにして早苗が止めるのだ。それもとてもニコニコと笑いながらだ。そんな早苗の笑みを見も母は「あらあら?」と笑うだけ。


だが、ふたりとも笑っているはずなのだが、なぜか背筋が寒くなるのだ。まるで2頭の人喰い(オーガ)が笑い合っているかのようにまりもには思えてならない。


その後、母と早苗は笑い合って、第2応接間へと向かって行った。


ちなみに第2応接間とは、応接間とは名ばかりでソファーどころかテーブルさえもない、だだっ広い殺風景な部屋のことであるが、その第2応接間にわりと頻繁に母と早苗に籠るのだが、なにをしているのかはわからない。


なにせ第2応接間はなぜか完全防音であるから、扉を閉めた瞬間から中の様子は伺うことができないのだ。


しかも普段は部屋に二重の鍵が掛けられており、その鍵は母となぜか早苗が持っているのだ。


子供の頃からなぜ母と早苗は第2応接間に入り浸るのかと思っていたが、いまだにその謎は解明されないない。


「触らぬ神に祟りなしだ、娘よ」


子供の頃に母と早苗が第2応接間でなにをしているのかと父に尋ねたことがあったが、とても真剣な顔でそう言われてしまった。それ以来ノータッチであることも解明されていない理由であった。


「……本当にふたりはあそこでなにをしているんでしょうかね?」


まりもは首を傾げながらも、ログインのためにVRメットを被り、ベッドに寝転がった。


「ヒナギクさんとレンさんはいますかねぇ」


ぼんやりとしながらもまりもはフレンドであり、仲間であるふたりのことを考えつつ、ゲームの世界にと旅立つのだった。―――()()()()()()()()()()()()()()()()()()

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