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33話 「戦鬼」

 2日ぶりの更新です。

 いきなり2日も空けてすみません←汗

 唐突なGWと思っていたたければいいなぁと←顔を反らす

 ……サーセン←汗

 さて、今回は宣言通り戦闘回です。

 わりと一方的ですが←汗

 粗暴そうなクランとチャラチャラしている集まりのクラン。


 見た目は暑苦しいと爽やか系と真逆ではあったが、中身はそれほど違わないふたつのクランのプレイヤーたちが予選2回戦の相手となった。


 ヒナギクとレンはそれぞれが相対するクランを話し合いで決めた。決めたところで試合開始の合図は鳴り響いた。 


「あのチャラチャラしている連中を真っ先に潰すぞ!」


「おぅ!」


「あの暑苦しい連中を返り討ちだ!」


「了解!」


 それぞれのクランのマスターはすでに相手のクランしか見えていないようだった。


 お互いに殺気立った顔で睨み合っており、その殺気はそれぞれのクランのメンバーにも伝播していた。


 ほかのクランであれば、やりたいようにさせようと見ているだけだろう。


 わざわざ混戦に持ち込む理由などない。双方のクランの実力は同じくらいだろう。実力伯仲の試合とまでなるかはわからないが、それなりに激戦にはなるだろう。


 となればそれなりに疲弊する。策を労することなく、勝手に疲弊してくれるのであれば、わざわざ被害が出るかもしれない混戦に持っていく必要はなかった。


 少なくともタマモにはどちらかが倒れるまで戦ってもらってからでいいのではと考えていた。


 おそらくほぼすべてのプレイヤーに同意してもらえるはずだった。しかし──。


「さて」


「それじゃあ」


「「ご退場願いますか」」


 ──ごく一部の例外となるプレイヤーがいた。それがヒナギクとレンだった。


 そんなふたりがいるこの試合で、ふたりが所属する「フィオーレ」を無視してしまった。


 それがふたつのクラン──暑苦しいクランこと「ガルキーパー」とチャラチャラしているクラン「爽騎士の集い」の敗因となった。


「行くぞ、おまえら!」


「みんな負けるなよ!」


「ガルキーパー」と「爽騎士の集い」のそれぞれのマスターが叫ぶのと同時に──。


「ちゃんと周りを見ないと危ないぜ、お兄さん方」


「三つ巴の試合だってことを忘れたらダメだと思うよ?」


 ──ヒナギクとレンによる蹂躙は始まった。


 レンはその手に握ったミカヅチ、その鞘による一撃で「爽騎士の集い」のマスターの顎を打ち上げるとそのまま「爽騎士の集い」に切り込んだ。


 いきなりなだれ込んできたレンと、そのレンの一撃により顎を打ち上げられたマスターの姿に「爽騎士の集い」のメンバーたちは呆気に取られてしまった。


 その衝撃から回復する間も与えられることなく、黒い雷を纏ったレンの、雷速で行動するレンにより次々に顎を打ち上げられていく「爽騎士の集い」のメンバーたち。


 そのうめき声と顎を打ちあげる様は、まるで木琴を奏でているかのようにとてもリズミカルだった。


 物騒なリズムを刻みながら、レンは「爽騎士の集い」を蹂躙していった。


「なに、が」


 最初に顎を打ち上げられた「爽騎士の集い」のマスターだったが、ほかのメンバーよりレベルとVITが高かったことが影響したのか、レンの一撃でも意識を刈り取られることはなかった。


 だが、彼が衝撃から立ち直ったときには、すでに「爽騎士の集い」のほかのメンバーは気絶し倒れていた。


「……え、なに、これ?」


 目の前の光景を信じられず、何度も目元を擦る「爽騎士の集い」のマスター。


 しかし何度目元を擦っても現実は変わらない。


 他の3人は舞台に突っ伏して倒れているという悪夢のような光景が広がるだけだった。


「あれ? まだ立てているんだ? まぁ、いいけどね」


 そんな悪夢のような現実に打ちのめされていると、不意に声が聞こえた。


 声の聞こえた方へと「爽騎士の集い」のマスターが振り返ると黒い光が視界を覆った。


 強かな衝撃とともにまともに立っていられなくなった。


「あんたらに怨みはないけど、これも試合なんで勘弁してね」


 振り返った「爽騎士の集い」のマスターにレンは鞘を肩に乗せながら言った。


 レンがしたことは上下への2連撃だった。


 すなわち顎を打ち上げてから、追撃の振り下ろしを脳天へと放ったということ。


 すでに虫の息に近い「爽騎士の集い」のマスターに放つ必要もない攻撃だったが、レンは年には念を入れたのだ。


 今度はきちんと意識を、確実に意識を刈り取るために。あえて情け容赦のない攻撃を放ったのだ。


 そうして放たれた高速の2連擊により、「爽騎士の集い」のマスターはあっさりと意識を手放した。


 すでに3人のメンバーは倒れ伏していたうえに、最後にまで残っていたマスターさえもほぼ戦闘不能状態だった。


 それでもなお追撃を放ったレンの姿に観戦していたプレイヤーたちは息を呑んでいた。


「そこまでするのか」と。


 だがごく一部のプレイヤー──最上位に位置するプレイヤーたちにとってみれば、レンのしたことはそこまでおかしなものではない。


 むしろ手心を加えて負けたらなんの意味もないのだ。ゆえに確実に勝利するための追撃を、レンの行為を咎めるつもりはなく、一部のプレイヤーたちはレンの行為に拍手を送っていた。


(……予想以上にヤバい連中が多いんだな、このゲーム)


 批難を受けることさえ覚悟していたレンにとってみれば、わずかだが拍手を送られたことに驚愕を隠すことができなかった。


(……まぁ、だからこそ挑み甲斐もあるわけだけどね)


 拍手を受けながらも、口元をにやりと歪ませたレン。その姿はヒナギクとはまた別の意味で「鬼」と呼んで相応しいものだった。


 そうして「鬼」のような姿を見せるレンにより、メンバー全員とマスターが戦闘不能となった「爽騎士の集い」の敗退は決定した。


 だが、決して彼らが弱かったわけではなかった。むしろ「爽騎士の集い」もまたベータテスターの集まりだった。


 ただし「銀髪の悪魔」や「褐色の聖女」のような規格外ではなく、あくまでも中堅どころのベータテスターたちだった。


 全員で協力して戦う「プリズムローズの陣」などが彼らの得意とするところだったが、その得意技を出す暇さえも与えられることはなかった。


 単純に彼らは運が悪かったのだ。


 彼らが出場した試合は、いや、彼らは舞台に上がったのではなく、猛獣のいる檻に入り込んでいたというだけのことだった。


 人は武器を使わなければ猛獣には勝てない。


 そんなあたり前のことが、あたり前に起きただけ。


「爽騎士の集い」に起こったことは、たったそれだけのシンプルな答えだった。


「爽騎士の集い」の瞬く間の壊滅された光景を見たプレイヤーたちは、後にレンを「戦鬼」と呼ぶようになるのだが、それはもう少し先の話になる。


 とにかく「爽騎士の集い」はなんの見せ場もなく2回戦を敗退することになったのだった。

 レンがどんどんと「レン」っぽくなくなっていきますね←汗

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