31話 いざ舞台へ
めっちゃ遅くなりました。
なわけで早速更新です。
そして戦闘シーンまで行かなかったです←
「いよいよ、出番ですね」
舞台下で準備をしながら、タマモは大きく深呼吸をしていた。
すでにひとつ前の試合は終り、いまは試合準備中になっていたが、その準備がいったいどういうもなのかはいまいちわからなかった。
試合中は舞台が壊れることもある。
だが、勝ち名乗りを上げると修復されるため、すぐにでも次の試合を始められそうなものだが、試合準備というスパンを空けてからの次試合が開始されていた。
そのため、準備時間とはなんのための時間なのかと疑問に思うプレイヤーもそれなりにいた。
(まぁ、現実的に考えれば、舞台の内部処理のための時間なんでしょうけどね)
表面上、舞台は元通りになっている。
だが、実際に見ため通りなのかはわからない。
むしろ表面上は処理がすんでいるというように見せているだけで、内部の処理まではすんでいないと考える方が妥当である。
でなければ舞台上で特にこれと言ってなにもなされていないというのに準備時間というものを毎回取るのは不自然だった。
(ほかには運営側の休憩時間というのもあるかもですねぇ。なにせ参加プレイヤーだけじゃなく、観戦しているプレイヤーの時間を加速させているわけですからねぇ。休憩時間を入れるのは妥当かもしれませんし。まぁ、休憩と言ってもせいぜい飲み物を飲む程度くらいでしょうけども)
ほぼすべてのプレイヤーの時間をログイン制限である四時間から一週間に加速させて行われている今イベント。
安全面の考慮はもちろんだが、不測の事態のためにほぼ付きっ切りで運営側も望んでいることだろうが、それでも人間である以上は集中できる限界は必ずある。
基本的に集中力というものは連続で45分ほどが限界と言われていた。学校の授業も45分から50分の間であるのもそれが理由とされている。
1万人を優に超えるプレイヤーが参加している「武闘大会」だが、そのプレイヤーたちの動向を普段以上に監視している運営にも、集中力の限界は必ず訪れる。
その限界時になにかしらの事故があり、その際に適切な対応が取れなかったら、運営側の責任問題となる。それを事前に防ぐために運営側は「準備時間」と称しての休憩をひとりごと時間をずらして設けていた。
ちなみにその休憩時間はより一層加速した時間の中で行われているため、数分の休憩時間であったとしても、運営メンバーにとってみれば5、6時間ほどの休憩を取ることができている。
が、それでも過酷な労働環境のため、今イベントにおいては特別ボーナスの支給を約束されていることもあり、運営側もそれなりの士気で今回の「武闘大会」に挑んでいた。
もっともそのことをタマモたちプレイヤー側があずかり知らぬことではあるのだが。
「これより43試合目を始めます。出場クランは舞台に上がってください」
準備時間も終わり、舞台に上がるようにというアナウンスが流れた。
タマモはヒナギクとレンをそれぞれに見やる。
タマモもレンもヒナギクの折檻によるダメージはどうにか抜けていた。
思い出すと体が震えそうになるが、それでもタマモにはいまのところ問題はなかった。
それはレンも同じようでやる気に満ちた顔をしていた。
「目標まであと1試合です。頑張りましょう」
「おう!」
「頑張ろうね、タマちゃん」
「はい! お願いします」
タマモたち「フィオーレ」の目標は本戦出場。本戦出場するためにはこの試合を勝ち抜かねばならなかった。2回戦目は1回戦とは違い、クランの数は3つに減っていた。
だが、どのクランも1回戦を、5つのクランのバトルロイヤルに勝ち残っているのだから、弱いわけがなかった。
(今回はボクも活躍したいですけど、難しそうですよね)
1回戦はヒナギクとレンが大暴れしたため、あっさりと勝ち抜けられた。だが、今回もあっさりと勝ち抜いてしまいそうだなぁと思うタマモだった。
「まぁ、そうならないように頑張りましょうか」
両頬を叩きながら気合を入れるタマモ。そんなタマモに首を傾げるヒナギクとレン。気持ちに若干のずれがありながらもタマモたち「フィオーレ」は本戦出場のための舞台へと上がったのだった。




