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初の来訪者

ご感想や評価、ブックマークありがとうございます!

とても励みになります!

 あの冒険者ギルドでの大虚言から一週間後、私は想像以上にスローライフを満喫していた。


 好きなだけ寝れて、軽い運動がてらゼリリウムを倒すだけでお金が手に入って、ご飯も美味しくて。

 暇なら図書館で魔法の勉強ができたし(勉強というほど真面目にはやってないけど……)、すぐそばにある森に入れば、食べれるきのみとかも取れた(図書館で食べれるかどうかはすぐ分かる)。

 村の人達だってとても優しくて、本来部外者である私をなんて事なく向かい入れてくれた。


 控えめにいって、最高のスローライフである。


 いやまあ強いて言うなら、家で一人ぼっちなのが何気に寂しかったりもするんだけど、それを差し引いたってあまりある素晴らしさだ。


「ビバ、スローライフ!」


 私は早朝の日の光を浴びながら体を大の字に広げて叫んだ。


 さっき好きなだけ寝れてとはいったけど、こっちの世界では日が沈んだら寝るようにしているので、かなり早朝に目が醒めるのだ。

 それでも社会人時代に比べれば、もう比にもならないくらい寝てれる。


 いやもうほんとに異世界最高!

 天使さんありがとう!


「よし、それじゃあ今日もゼリリウム狩り頑張りますか!」


 私は腕まくりをすると、もはや日課とすらなったゼリリウム狩りを開始する。


 一応その日に使うお金はその日に稼ぐようにしている。

 その方が家計のやりくりとかに頭を悩ませなくていいし、健康の為の適度な運動にもなるからだ。


 やっぱりステータスが高いからなのか、ゼリリウムはワンパンどころかチョップやデコピンで死ぬ。

 正直私はあんまり真面目ではないので、この戦闘が大変なものだったら、一週間もゼリリウム狩りは続かなかったと思う。


 ステータスがカンストしてたせいで苦労もあったけど、そういう点でも天使さんには感謝だ。


「よし、それじゃあ換金しに行こうかな」


 私は30体ほどのゼリリウムを倒すと、村に向かった。


 ちなみに物価は日本とほとんど変わらないか、むしろそれより安かった。

 食事するだけなら1食600ゴールドもあれば十分だ。


 だけどまあ、飲みたいジュースを買ったりとか、なんとなく癖でやっちゃってる貯金とかを考えると、1日3000ゴールドぐらいが丁度良かった。


 ともかく、私は既に覚えきった道を進んでいくと、冒険者ギルドの扉を開けた。


「シンシラさん、換金お願いします!」


「あっ、サナさん! 換金ですね、お任せください!」


 たかだか1週間だけど、私とシンシラさんは結構仲良くなっていた。

 私が毎日来ているのもあって、今では顔パスが通用するくらいだ。


 そういえば、冒険者ギルドっていつ来てもシンシラさんが受付やってるな。もしかして一人で働いていたりするんだろうか? 大変そうだな。


「はい、こちら3100ゴールドです!」


 シンシラさんが元気よくお金の入った袋を返してくれた。


「ありがとうございます」


「あ! そうだ! そういえばさっき、金髪のすごく綺麗な女の方が『サナとかいう女はどこにいる』とか言って尋ねて来ていましたよ!」


 金髪の女の人? 少なくとも、私の記憶にはそんな人いなかった。


 というか、こっちの世界に来てからは村の人達としか会ってないんだから、シンシラさんが知らない時点で確実に私も知らないな。


 とりあえず会ってみないことには始まらないか。


「それでその人は今どこにいるか分かる?」


「多分、サナさんの家に向かっていると思います! 私が家にいると思うって答えたので!」


 元気よく答えるシンシラさん。


 この様子だと多分家の場所とかも教えてるんだろう。


 ……個人情報!



 まあ何はともあれ、とりあえず私は稼いだお金を使ってお茶菓子を買うと、家に戻る事にした。

 誰か分からないけど、わざわざ家まで足を運んでくれているんだから、おもてなしくらいはしてあげたい。


 家に着くと、確かに玄関の前で仁王立ちしている金髪の女性がいた。

 見た感じは17、8歳くらいで、ほのかに吹く風にロングの髪がなびいている。


「誰……?」


 一目見ればなんだかんだ知ってる人だったりするかと思ったんだけど、本当に知らない人だった。


「ん?」


 私がじっくりと見つめていると、女性と目があった。

 目まで金色だ。すごい綺麗。


「貴方がサナさんか?」


「はい、そうですが……。えっと、何かご用ですか? もしよければ家の中でお茶でもしながらお話でも……」


「いや、結構だ」


 すごいキッパリ断られた……。

 何気にショックだよ。


「しかし、私は幸運だ。こうも簡単に最強の魔法使いの元までたどり着けるとはな!」


 ハッハッハ、と豪快な笑い声をあげる女性。


 ……ん? というか今なんて言った……?


「い、いや、私は別に最強の魔法使いとかじゃなくて、ただの引きこもり魔法使いですよ」


「何を言っている。今も体から溢れ出る強者のオーラが出ているじゃないか」


 え、何? オーラ出てるの私!?


「それにしても嬉しい誤算だ。まさかここまで強大な力を持っているとは……! この圧は魔王に仕えた四天王と対峙した時以来だぞ……!」


 楽しそうな笑みを浮かべながら武者震いをする女性。


 なんかすごい怖い!


「えっと……何をしにきたんですか……?」


「ん? ああ、そういえばまだ言っていなかったか。では改めて……。私の名前はハンカ、さすらいの剣士をやっている者だ。最強の魔法使い、サナよ。私は貴方に決闘を申し込みに来た!」


 ハンカさんは、すごい力強く、言い放った。

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