最終話
その後、近くにいた兵士の人にマーヤちゃんから事情を説明してもらうと、私たちは特にお咎めなく……というかお礼までされて、宿まで見送ってくれた。
宿に着いた私たちはお風呂に入ってすぐさま寝た。
結構疲れていたからね。仕方がない。
そんなこんなもあって、気がつけば朝になっていた。
転生してからはスローに生きてきたから、こんな潰れるように寝てハッと起きるなんてかなり久しぶりだ。
それから、全員が起きて出かける準備が整うと、私たちは買い足りなかったものを買ったり、村の人たちへのお土産を買ったりして、帰りの馬車に乗った。
帰りの馬車の中では、みんな思い出話に花を咲かせていた。そりゃあもう色々とあったから、話そうと思えばいくらでも話せるんだろう。
そんなみんなの楽しそうな顔を見ながら、私は今までのことを思い返していた。
転生させてもらって、エンジュのミスでステータスがカンストしていた時はスローライフなんて送れないんじゃないかと思っていた。
実際、騎士が勝負を挑んできたり、魔王がやってきたりしたから、私が初めに思い描いていたスローライフは送れていないのかもしれない。
でも、そんなエンジュのミスのおかげでハンカとシャルルちゃんに出会えた。
こちらの世界に落とされたエンジュと出会えたのは、ハンカが罠を仕掛けたからだし、シャルルちゃんが無理矢理にでも私を森に引っ張って行ってくれたからだ。
ハンカとシャルルちゃんがいなければ、エンジュと再会する事はなかったと思う。
私の中のスローライフは、一人気ままにのんびりと暮らす。そんな生活だった。
でも、私は一人でいるのは寂しいし、みんなでワイワイしている時間が最高に幸せだ。
だからきっと、この生活こそがわたしの最高の生活だ。
こんな私の生活にタイトルでもつけるなら、そう
『スローライフを願ったら、素晴らしい日々が待っていました』
とかかな?
ラスト、かなり駆け足になってしまいましたがこれにて完結となります!
これまで読んでくださった皆様、ありがとうございました!