迷子の迷子のシャルルちゃん・前編
更新だいぶ空いちゃってすみません……。
趣味でやっているスポーツで国体行かされてたり、近所の子供にせがまれてなぜか紙芝居じみた絵本を作る事になったり、積みに積みまくったゲームと本を消化したりしてました。
私生活に時間を奪われる事になろうとは……!
「うーん、見当たらないのだ……」
我は人だらけの中を歩きながらため息をついた。
サナ達が迷子になったと言いたいところだが、1対3だし、外見からしても我が迷子になったと言って差し支えないのだろう。
「それにしても、本当にいないのだ……。気がついてない可能性もあるのではないか……?」
ハンカはともかく残り二人は若干抜けているから、ない話じゃない。
だとしたら合流するのは絶望的だろう。
そうだとすればやるべき行動は……
「とりあえず、宿に戻ったほうがよさそうなのだ」
というわけで、我は踵を返して来た道を逆走した。
人の流れに逆らう形になってしまうが、我は小さいからな。ほとんど迷惑をかけずに通りを抜けることができた。
「よし、脱出成功なのだ。こんなにも群れおって……」
いくら小さくて迷惑をかけないとはいえど、人混みをかき分かればそれなりに疲れるのだ。
若干悪態をついてしまうのも仕方ないことだ。
「ともかく、すぐに宿に戻るのだ」
ハンカなら我の行動を予想して先回りくらいしていてもおかしくない。
合流できるのであればなるべく早くしたかった。
のだが、
「ん? あれは……」
我は少し興味深いものを見つけてしまった。
─────────
「どうしましょう! 迷子なんて一大事じゃないですか!」
迷子に気がついた途端、エンジュがかなり焦り出した。
「ま、まぁまぁ落ち着いてエンジュ。シャルルちゃんって何だかんだ大人なところもあるし、多分大丈夫だって」
そう、意外とシャルルちゃんはしっかりとした子だ。言動とか行動とか見た目からついつい子供扱いしちゃうけど、思わぬところで冷静な判断をしていたり、600年の人生経験を見せて来るときがあるのだ。
正直、エンジュとはぐれたほうがやばかったとすら言えちゃう。
「そうですかね……?」
「うん、そうだって。この辺り、警備もしっかりしてるみたいだし。ね、ハンカ」
「はい、今見える範囲でも数人軍人がいますね。休暇中かもしれませんが、事件が起これば相応の対処をしてくれるでしょう」
ハンカの説明を受けてもなおエンジュは何か言いたげだったけど、うまく言葉にできなかったのか、静かに頷いた。
「うん、じゃあとりあえず手分けして探してみよう。ハンカ、それでいいかな?」
一応この中でぶっちぎりのしっかり者、ハンカに確認を取ってみる。
「はい、それが一番最良の判断だとも思います。ただ、シャルルさんが宿に戻っている可能性もありますので、私はそちらに向かってみる事にします」
なるほど、確かにその可能性もなくはないか。さすがハンカだ。
「よし、それじゃあハンカは宿の方に戻ってシャルルちゃんを待つ、私とエンジュは……はぐれるとまずいし一緒にこの辺探そうか」
「はい」
「よーし、張り切って探しましょー!」
もう立ち直ったらしいエンジュがドラゴンの尻尾を高く掲げてやる気を示す。
悪目立ちしちゃってるなぁ……。
かくして、私たちのシャルルちゃん捜索は始まった。
このまま更新空くと続ける気力切れそうだったので前半だけでも更新です。後半は明日……いや、三日後にはきっと……!