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波乱は急にやってくる

新章スタート……というか、新キャラ登場です!


ハンカは正直キャラブレッブレでしたが今回の子は個性強烈だから大丈夫……なはず!

 ハンカとの共同生活が始まってからしばらくした頃。


「おはよー」


「あ、おはようございます師匠」


 朝、私は階段から降りながら、掃除をしているハンカと挨拶を交わした。


 やっぱり挨拶とか出来ると二人暮らしをしてる実感が湧くね。

 なんとも言えない満足感があるよ。


「やっぱり一人より二人だな」


「ん? どうかしましたか師匠」


「いや、ハンカと一緒に暮らせて嬉しいなって思っただけ」


「……っ! 私も嬉しいです!」


 少し頬を染めながら笑顔でそういうハンカ。

 うん、よく分かんないけど可愛いな。


 それにしても、ハンカのイメージ、最初とはかなり違う。


 初遭遇の時はストイックな女剣士って感じだったのに、今ではすっかり可愛い町娘って感じだ。

 今でも毎朝剣の素振りをしてる姿を見るんだけど、正直言って違和感しかない。


 よく、人はファーストコンタクトで大体の印象が決まるとかいうけど、嘘だな。


「あ、そういえば師匠。この前とったキノコ、多分、今日にでも乾燥が終わると思います。今晩の料理に入れますね」


「おお! それはすごく楽しみ!」


 ハンカのキノコ料理ってだけでもう心踊ってしまう。

 またあのアヒージョとか食べたいな。


 私は晩御飯に思いを馳せながら、既に用意されているた朝ごはんを食べた。


 うん、今日もいいお味です。


「ごちそうさま、今日も最高に美味しかったよ!」


「あ、ありがたいお言葉、ありがとうございます……!」


 相変わらず褒められ慣れてないなぁ。

 普通に美味しいって言ってもあんなに照れないのに、満面の笑みで言うと照れるから、やっぱり外見そとみの印象って大事だね。


 可愛い反応を見てなんか、こう、ホクホクした。幸せだ。


 平和っていいね。やっぱりスローライフには平和が一番だよ。この時間が永遠に続いてくれたらいいのにな。


『コンコン』


 扉がノックされた。


 日本時代はインターホンとかあったけど、こっちの世界にはないから人を呼ぶならノックなんだよな。


「誰だろ?」


「分かりませんが、私が出ましょうか?」


「いや、大丈夫、私が出るよ」


 冒険者とかだったら、帰ってもらうように交渉したいし。


 その辺は、地味にバトルジャンキーな面を持つハンカに任せるとすぐに戦いに持って行きそうなので任せ難い。交渉決裂時の切り札として使わせてもらおう。


 私が扉を開けると、そこにいたのは銀髪の少女だった。

 年齢は見た感じ13とかそのくらいで、すごく可愛らしい。

 そして、目に眼帯をつけていた。


 なんだろこの子?


「貴様がサナか?」


 なんかすごいデジャブを感じるセリフだ。


「うんそうだけど……私に何か用かな?」


「フッ、貴様がサナか。やはり我の絶対透視の右眼(デビル・オール・アイ)に狂いはなかったのだな!」


 で、でびるおーる? 何をいってるかよく分かんないな。


「我が名はシャルル・サータ・デルモニア・デウス! この世に厄災をもたらす魔王の一人娘にして、次期魔王の器を持つ者! 我の持つ極大魔法、存在霧散(インフィニティ・ゼロ)の餌食になりたくなければ、我をこの家に泊めるのだ!」


 なるほど、分かったぞ。

 いや、相変わらず何が言いたいのかはよく分かんないけど、分かったぞ。


 この子は、中二病だ!


「えっと、つまり、シャルルちゃんはこの家に泊まりたいって事?」


「シャルルではない! シャルル・サータ・デルモニア・デウスだ!」


 え、いちいちそれ呼べと?


「えっと、シャルル・サーデウスちゃんは……」


「略すな!」


 いや、だってあんなん覚えるの無理だもん。

 私知能は一般人だし。


「とにかく、うちに泊まりたいの?」


「うむ、まあそういうことだ。で、どうなのだ? 泊めてくれるのか?」


 凄い上目遣いで訪ねてくる。


 そんな可愛い姿見せられたら泊めるしかなくなるじゃん!


 まあただ、泊めるってことは共同生活中のハンカにも関わってくることなので確認はとらなきゃな。


「さっきから大声が聞こえてきますけど、なんなんですか?」


 ベストタイミングでハンカが来た。

 さすが、出来る弟子は一味違うね!


「えっとね、こちらの……名前なんだっけ?」


「シャルル・サータ・デルモニア・デウスだ!」


「そうそう、このシャルル・サルモネラ・デミグラス・何とかって子がうちに泊まりたいらしくて」


「おい! 名前全然違うぞ!」


 うん、私も知ってる。


「いや、でも長いもん。シャルルちゃんじゃダメなの?」


「我が邪悪なる真名を省略するなど何人にも許される者ではない!」


 頑なだな。どうしよう。


 私が困っていると、横からハンカが助け舟を出してくれた。


「そういえば、大陸の東の方では本当の名を知られるとその人を支配することになると言い伝えられている国がありますね」


 それってあれか。昔の中国の(あざな)みたいな感じか。

 ハンカって知識も豊富なんだな。


「フ、フッ! 我のような上位存在が支配されるなどありえん……!」


 言葉は強者ぶってるけど、体は震えている。


 中二病的に支配って響きは中々怖いんだろう。

 中二病思考分かんないし多分だけど。


「確かに普通の名前ならそうかもしれません。しかし、真名となるといくら上位存在だとしても……」


「む、無理なのか……?」


「恐らくは」


「じ、じゃあシャルルでいい! シャルルでいいから泊めてくれ!」


 ハンカすごい! 中二病の信念に打ち勝った!


 じゃあ後はハンカ次第だな。


「私的には泊めてもいいかなと思ってるんだけど、ハンカはどう?」


「師匠がいいのでしたら私は別に。ただ、念のため話をしっかりと聞いてから決めた方がいいんじゃないかと思います」


 なるほど、それもそうだな。

 可愛い顔して泥棒とかかもしれないし。


「それじゃあ、話を聞きたいから家入って」


「う、うむ、分かった」


「それじゃあ私はお茶入れて来ますね」

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