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魔法少女☆ソルシエ  作者: Rio.K
7/38

7話 ーちあきの秘密ー

日も沈みかける夕暮れ時、世界はとても美しくなる。

海も、空も、人も、建物も、

淡いオレンジ色に染まり全てが一つになったような気がする。

それがやがて黄昏色へと変わる時、ソルシエたちの戦いは始まる。



図らずも秋葉原の街は半分ほど取り戻した。

しかしソルシエたちは自分の好きなことばかりに時間と魔法を費やせるわけではない。

日々プレットを見つけ出し『討伐』する。

それがソルシエたちの義務でありメインの「お仕事」といこうことなのだ。



「ちあき!行ったよ!」



りおがプレットをちあきのほうへと追い込んだ。

あとはちあきが捕獲し、消滅させる。



「うん!、、わッッッ!わわわぁッッ!」



ー グデーン!!!! ー



ところがちあきはバランスを崩し転んでしまった。

きいは急いで駆け寄るがりおやつばさは『またか』という目で呆れている。

結局今回もりおとつばさの連携によりプレットは難なく討伐された。

結界はゆっくりと溶けていく。



「だ、だだ、大丈夫でしゅかぁ、、ち、、ちあきしゃん??」



「う、うん、ちょっとつまづいちゃっただけだから、、大丈夫だよ。」



つばさとりおもちあきの元へ駆け寄っていく。

ちあきのミスはよくある。運動神経が悪いわけではないのだが。

優しい性格から気の緩みが出てしまうのだろう。決して良いことではないが3人共々それには慣れていた。

そういう意味では4人のチーム性は非常に良いバランスが保たれている。

どこか一つ特化しているわけではないが使える魔法の属性も幅広く、強いて言えば誰かが一人欠けたとしても最悪の状況は避けれると言ったところだ。

4人もそれを自覚しており、常に冷静な判断ができるチームを組めたということも幸運だということを知っている。



「ま、まぁーあれだね!私が留学してたからちょっと動きずらかったかな!?、なーんて。。」



珍しく空気を読もうとするりおだが、微妙に読みきれてないのでこのように見当違いな発言をしてしまうことが時折ある。

つばさは3人をじっと見つめ、浅くため息を吐いた。



「街を半分取り戻したからといって浮かれていてはダメだちあき!今日は帰ろう!お腹もすいてしまったからな!」



『大賛成!』と、みんなの意見を聞きフッと笑うつばさ。

いつも通り家路へと着くが、心の中ではちっとも笑っていなかった。

つばさはどうしても気になっていることがあった。それも昨日今日からではない。

もうかなり前からだ。

それはちあきのことだった。今までは作戦が思うように進まず、チームのモチベーションが下がりつつあったため、つばさはちあきに遠慮していたのだが、もしモチベーションが上がる日が来たらその時はちあきとゆっくり話そうと決めていた。


そして、今日がその日だ。



夕食を食べおわる4人。そこでつばさがちあきに切り出した。



「ちあき、近くのカフェにいく。ちょっと付き合ってくれ。」


「え??ご飯食べたばかりなのに??、、、う、うんいいけどどうしたの?」」



あまりに唐突な展開に慌てふためくちあき。

ちあきが焦るのには訳があった。つばさとちあきは、二人だけというシチュエーションが今まで中々無かったのだ。

ちあきはそれがなぜなのか様々な妄想を頭の中で巡らせた。

怒られるのか?

『勝負しろ!』とか

いきなり襲われちゃうかも!?

と、妄想のバリエーションは豊富だ。



その二人の光景を影から見ていたりおときいはコソコソと会話をし、あることを決断する。



「ねーきい、怪しいよ、、、あの二人絶対怪しいよ!まさかあたしが留学してる間にそういう関係に!?」



「ひゃ、ひゃ、、、ひゃぁぁでしゅねしょれは!!」



二人の会話は成り立ってるのかそうでないのか時々わからなくなる。

『ひゃあですね』って。

それで『うんうん』というりおもりおだ。



「よし!きい!尾行だ!」



きいは驚きながらも口をふさいで敬礼し、二人は変装&出かける準備を急ピッチで始めたのであった。



ー カランコロン♪ ー


「いらっしゃいませ。2名さまでよろしかったでしょうか?」



着いたのは寮から歩いて10分程の場所にある『SMOKE』というカフェ。

世界中の葉巻を集めてそれを一本単位で吸えるというサービスがあるカフェだ。

間違いなく中学生が来るところではなさそうなのだが。

大きな本棚、長いソファーや長いテーブル、オープンスペースもある。

二人は迷わずオープンのほうへ向かった。

そして変装して着いてきた二人もばれないようにコッソリと近くのオープンの別の席に座る。植木を敷居にしているので丁度よかった。



「ちあき、単刀直入に聞く。なぜお前は本気で戦わないんだ。見ていてわかる。

 中等部に上がってから特にだ。いったいどうしたんだ。

 4人で強くなるんじゃなかったのか?それであの街を取り戻すんじゃなかったのか!?

 何かあるなら、、なんでも相談に乗ってやるから。」



口調は強いがつばさは怒っていない。それはちあきもわかっていた。

同時にソルシエとしての自分自身に身が入っていないというのもちあきはなんとなく気づいていた。

しかしちあきは本当のことを言い出せない『理由』がある。

黙り俯いてしまったちあきに続けて質問をするつばさ。



「母上のことか」


ちあきはハッとして顔を上げた

そして、



「え?なに?なんのことつばさちゃん??」



つばさは全力で慌てるちあきに全力の質問をぶつける。



「おまえ、ソレイユ・ルヴァンの娘なんだろ。知っているんだ。」



それを隣で聞いていたりおときいは顔を合わせた。


<なにーーー!!?ち、ちあきが、あああの伝説のソレイユの娘ぇぇーーーッ!!?>




「え、えへへ、知ってたんだぁ、つばさちゃん」


ちあきの顔は少し赤くなって少し笑顔が引きつっていたようにも見える。

しかしつばさは全く動じずにちあきを凝視している。



今から18年前、たった一人でプレットを根絶したソルシエ史上最強と言われる伝説のソルシエール『今瀬ルイ』。

そしてその通り名である『ソレイユ・ルヴァン』の名前を知らない者はソルシエである以上知らない者は世界で一人もいないだろう。

そんな彼女はプレットを滅ぼした後ちあきを出産し、ちあきが4歳の時に不治の病で他界した。

ちあきにとっては決して良い思い出では無いとつばさは重々承知していた。

しかしそれではちあきの今後がにっちもさっちもいかないと、つばさは意を決し心を鬼にして母の話題を出したのだ。それで道が開かれるのならば、仕方のないことだ。

つばさはそう判断した。



「ああ、知っている。学校の記念館に<母としての今瀬ルイ>という記事があるのだがそこに

小さい頃のお前の写真が載っていた。」



ちあきは『あーあれか』というような表情を浮かべ、未だに少し照れている様子だったが、

すぐに真剣な顔つきにかわった。

何かを話したそうな顔をしている。つばさもそれを察しているのか、あえて質問は送らずにちあきのほうから話すのを待っていた。



そしてちあきは迷いを振り払うかのようにつばさへ話し始めた。



「わたしね、、お母さんが亡くなる直前に、、、『ソルシエールになって』って言われたの。


 それがお母さんの最期の言葉だったからすごい覚えてて。だけど今振り返って考えてみるとわたし、、


 なんでソルシエでいるんだろうって考えちゃうことがある。わたしはお母さんみたいに強くないし


 弱虫だし、、だから、みんなに『迷惑』かけてるなって思ってる。学校中の笑い者になってるなんてお母さんが知ったら悲しいだろうなって。私、、頑張ってるのに。

 ソルシエでさえこんなダメなのに、ソルシエールになんて、、、なれるわけがないよ、、。」



そう話しながら目には段々と涙が浮かんできている。

しかしここでひるめば元も子もないないと思ったつばさはさらに心を鬼にしてちあきへ思いをぶつけた。



「ちあき、頑張ってるか頑張っていないかは自分で決めることじゃない。他人が決めることだ。

いくら努力を重ねても結果がでなければそれは努力をしていないのと同じなんだよ。

ちあき、もっと強くなれ。否が応でも、、、、」



厳しすぎるつばさの説教を見るにみかねたりおは「あちゃー」と頭を押さえ、次の瞬間にはもう植木を掻き分けちあきとつばさの席へ乱入を仕掛けた。




「ちぃぃーあぁぁーきぃぃーーー!」


突然現れたりおに普通に驚くつばさ。


「お、おまえら!」



「ちあきあんたねー!勝手なこと言ってんじゃないわよー?あたしたちがいつ『迷惑』だなんて言ったー!?

 あんたがいないとねー、私たちはバラバラなんだからねー!!

あとつばさ!説教に夢が無い!あれじゃやる気無くすっつーの!強くなってく過程だって結果と同じぐらい大事なんだからね!」



状況が飲み込めずただただ驚いているちあきだが、

数秒して飲み込んだのか、涙はほとんど引きいつもの笑顔に戻っている。

それを見てつばさも、きいも、りおも笑った。


「あ、、ああ、、すまん。ちょっと言いすぎたかもな。ははは。」



りおの言うことは正しかった。ちあきがいるから4人は繋がっている。

ちあきがいなければ4人がこうして出会うことは無かった。

それは当人がそれぞれよくわかっていることだ。



「ほんと、、、?ほんとに思ってない、、、??」



「ほんと!!、、、あ!つーかあんた!そんな大事なことよく今まで黙ってたね!?あたしのお母さんがもしそんなレジェンドだったらベラベラ言いふらして自慢しまくりだよ!?未だに信じられないんだけど!」



「い、、いやぁ、、、私がそんなこと言ったって嘘だと思われるか、笑われるかどっちかだよ、、、。」



ちあきはまた恥ずかしそうに、少しだけ笑みを浮かべた。



「そんなことよりちあき!あんたお母さんの使ってたものとか写真とか残ってないの

あったらちょうだ、、、」



ー ゴツン!!! ー



デリカシーの無いりおにつばさはゲンコツを放った。



「こらりお!おまえちょっとは空気を読め!」



りおは両手で頭を押さえ座りこんでいた。

そんな二人を見て、ちあきには完全に笑顔が戻っていた。




「ゎゎ、、ゎゎゎ、、、みなしゃん!近くにま、ぷ、ぷぷぷ、プレットがあらわれたみ、みたいでしゅ!!」



「よーし!今度はミスしないぞー!!みんな!行こう!!」



ー オーーーッッッッ!! ー



4人は今宵もプレットの闇へと立ち向かっていった。

この街を、秋葉原を取り戻すために。

そしてプレットを根絶するために。

ソルシエたちは今夜も眠らないのであった。




続く

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