27話 ー 始まりの光 ー
一体なにが起きたというのか。
無断の時間遡行がバレたというのに、その事について何も触れられず、ただ言われるがまま学園を後にした。
何か不気味な空気が漂っている。
この瞬間、この場所だけではない。
その時は刻一刻と迫っている。
西園寺同行の元、到着した場所。
それは秋葉原だった。
そしてそこに広がる光景は、目を疑うほど異様なものだった。
街のいたる所ににバリケードテープが貼られていてる。
にも関わらず、人影はちらほらと見えるといった状況だ。
そんな中3人はある異変に気づいた。
街中どこを見渡してみても、誰一人笑っていないのだ。
「お前達、気付いているか。この街は今、プレット結界の中にある。」
ー !?、、、街が結果の中、、!? ー
3人が驚愕する中、西園寺は彼女らを先導しながらある話を始めた。
「おまえたちはプレットの正式名称を知っているか?」
「はい、、、『ルイス・プレット』です。」
「そうだ。」
至極当然であり常識的な話だ。しかし西園寺は何故今更そんな話をするのか。
3人はとても不思議に思った。
そんな3人の表情を確認することもなく、西園寺は前を向き歩いたまま淡々と話を進めていく。
「ルイス・プレットはその昔一つの光だったんだ。紀元前よりももっと前の話だ。だが時は経ち人類が兵器を持ち始めた頃、その光は『希望の光』と『悪の光』の二つに分裂した。その後者がルイス・プレットだ。
そして分裂する前の光、すなわち『始まりの光』を『ルイス・プルミエール』と呼ぶ。
希望と悪の両方の性質を合わせ持っている。」
西園寺は話しながら一歩また一歩と前に歩みを進めて行く。
「プルミエールは唯一無二だ。常にこの宇宙のどこかで誰かに憑依しては抜け出し、それを繰り返している。
そしてプルミエール最大の特性、それは、
『ソルシエ及びソルシエールにのみ憑依可能』ということだ。
憑依された者はは強大な魔力を手に入れ、同時に、一瞬にして宇宙を支配する程の力を得ることになる。」
一見すると秋葉原は本来の姿に戻っているように見える。
アニメイト、ソフマップ、ゲーマーズ、ラジオ会館、フィギュアショップやメイドカフェ、何から何まで目につくもの全てがあの頃の秋葉原に戻っている。ー
だけど何かが違う。
「憑依されたソルシエの精神状態や感情次第でそれは、正にも、悪にもなる。
つまり、ソルシエとプレットの両方の特性を兼ね備えたこの宇宙で唯一無二の存在になるということだ。」
アイドル文化の抜け落ちた秋葉原。
笑顔の抜け落ちた秋葉原。
そして西園寺は足を止めた。
そこはまたしても、『タイムズタワー』の目の前だった。
一つ違うところは、建物の外に黒く不気味なリフトが設置されていること。
どうやらこれで屋上へと登れるようだ。
「国望、桐嶋、武藤、この先におまえ達が全てをかけて挑んだ戦いの答えがある。
私はこの街の人々に危害が加わらぬよう尽力を尽くす。」
そこには、悍ましく黒い光を放つプレットの紋章があった。
3人はその先にある『答え』を確かめるべく、一斉に魔力を解放する。
「行くぞちあき、りお。おそらくこれが本当に最後の戦いだ。全てうまくいく、そう信じよう。どんな未来が待っていたとしても!」
つばさの言葉に2人は真剣な眼差しで頷いた。
意を決してリフトへと入っていく3人。
最上階の2階ほど下あたりだろうか、リフトは止まり、白い階段が姿を見せた。
3人はその階段を足早に登っていく。
街一つをまるごと覆える程の結界を張れるプレットだ。
その力は想像すらつかなくて、命の保証は無い。
しかし3人は恐怖は無かった。
今までも幾度となく苦難を乗り越えてきた。
きっと今日も、これからも、それはずっと同じだ、、。
ーー はぁ、、、やっと来た。おっせーんだよ ーー
「ぉ、、、おまえ、、、なぜ、、、、」
「りおちゃん、つばさちゃん、待ってこれって、、、。」
「うそ、、、なんでよ、、、。」
そこで待ち構えていたプレットは、
いや、
その『人物』は気だるそうに3人を見下ろし、ニヤリと笑った。
「いいねぇその顔。ようこそ、
『プルミエット・ルヴァン』の結界へ。言っとくけどあたし、めっちゃ強いよ?」
秋葉原改変作戦の最後の砦。
それは憎しみのソルシエ、『東山きい』だった。
続く




