表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
魔法少女☆ソルシエ  作者: Rio.K
15/38

13話 ー罰ー



<国見ィィ!!!!桐島ァァァ!武藤ォォ!!東山ァァァ!!!出てこいやぁぁぁ!!!!!>



4人はそれぞれの部屋の窓から顔を出し、今にも爆発しそうな西園寺をただただ怯えるように見ていた。

いったい私たちがなにをしたのだ。

皆そう思っているのだが、あまりの剣幕に言葉は口元にさえ届かない。



急いでリビングに集まる4人。



「ま、ま、まずいでしゅよみ、みなしゃん、、!と、とりあえずそ、外へ!」



「きいの言う通りだ。なんだかわからないがどう見ても相当怒ってる。まずはおとなしく外へ出よう!」



新学期早々、新任講師紹介で学園を火の海にした光景が4人の脳内を駆け巡る。

今度はほんとに燃やされる。命の危機すら感じる4人は全速力で寮の敷き地内にある庭へ走る。

切らした息をもう3倍ほど大袈裟に切らし、4人は西園寺の役5メートル手前で整列した。



「ぉお”い!!てめえらなめてんのかもっと近くに来い腐れガキども!」



ーはッ、はぁーい!!!!ー



4人は声をそろえて返事をすると即座に西園寺の目の前で再び整列した。

この状況になにも心当たりは全く無く、やましいことも無い。

なのになぜだろう、誰一人としてまともに西園寺と目を合わせることができ無い。

鬼の形相とはこれほどかとひたすら怯えきっていた。



「おまえら。なんか言うことあんだろ?」




ーシーン、、ー


沈黙は約10秒ほどだっただろうか。

彼女たちに話す気が無いと判断した西園寺は


「そうか。」



ースパーーーンッッッ!!ズドーーーーン!!!ー



なんと数メートル横にある大木を一瞬でバラバラにしたのだ。



「なにも言う気がねえなら5秒後におまえらはあーなるぞ。1、2、3、、」



その時、堰を切ったようにりおが口を開いた。



「あ、あの!あの、、、あのー、、、、、ああ、、、あれですよね!?給食前にお腹すいちゃった時

 隠れてお菓子食べてのですよね!す、すみません!ごめんなさい!!」



「ぁぁ”??なんだおまえそんなことしてたのかぁ??全然関係ねーよバカ!後で別件で指導だ!」




そうとう焦っていたのだろう。とりあえず思い当たることを適当に言ってしまい自ら墓穴を掘ってしまったりお。実にアホだ。実にりおだ。



「てめーらみてぇなアホ共に時間割くほどあたしも暇じゃねぇんだよ!率直に言う。おまえら時間遡行してるよな?それも無許可で。2001年に岩本町のコンビニで食い物買ったのおまえらだよな?ばれてんだよ!」



そっちか!と、やっぱり!の50×50ぐらいだろう。

遅かれ早かれバレるかもしれないとは覚悟していたがあまりにも早すぎる展開に戸惑いを隠しきれない4人。

しかし考えてみれば、当人は1日の中の出来事かもしれないが、管理する側からすれば15年もの歳月をかけて今日に至る。

何を言われようと反論のしようがない。

4人のあからさまな戸惑いを見逃すわけもなく、西園寺はさらに問い詰めた。



「おまえら規定を知らねーとは言わせねえぞ?許可の無い時間遡行及び遡上!特別な責務をともなわない場合はそれを禁止とする。

 魔法規定の第9条!第9条だぞ!?何百ある規定の最初の9番目だぞ!?しってたんだよななぁおい?」



4人はぐうの音も出ない状態へ陥る。

しかしそれはほんの一瞬だった。ただ一人、こういう時にすぐ歯向かってしまうものがいたのだ。

それはまたしても、りおだった。



「先生!、、、私たちには、、、私たちには特別な任務があるんです!変わり果てた秋葉原を元に戻すために毎日頑張ってるんです!

 それに昨日だって本当はすごい規模の通り魔事件を縮小させて、、、、」




「馬鹿者!それのどこが特別な任務だ!誰に許可得てそんなことしてんだガキが!それに通り魔事件を縮小だぁ?

 おまえらバカも休み休み言えよ?縮小だろうが拡大だろうがなぁ、てめえらみてえな小娘の一存で事実を

変えていいわけがねえんだ!どんな理由があっても絶対にしてはいけないことだ!!」




いまの4人からすれば言いたいことはたくさんあるかもしれない。

規定に反していることも知らなかったわけではなかった。

ただそれを善意で行っていれば、またそれに伴う結果が世間的に良い方向であれば、半ば許されるのではないか。そう思っていたのだ。

しかしいざ違反が発覚し、西園寺に大人の正論を叩きつけられた4人はすっかり縮こまっている。

それはりおでさえもだ。悔しい思いもある。

けれどこの場は謝らなければならない場面だとつばは思った。



「どうもすいませんでした!軽率な行動でした!深く反省します。」


続いて他の3人も頭を下げた。


<すみませんでした!>



「1回目だからな。今回は大目に見てやろう。」


4人は安堵の表情を浮かべ、

りおは安堵を通り越し目を潤ませている。




「んなわけねーだろ!」




ーえ?ー




「おまえらにはしっかりと違反の処分を受けてもらう。まず反省文。そして本日より5日間の停学!

 さらに停学中の3日間は処分者講習と合宿だ。場所は石垣島のシュトラフ石垣!

 詳細は追って連絡する!しっかり反省してこい!」



そういうと西園寺は早々にその場を去っていった。


突然発表された処分者合宿。


しかし発表直後のちあきときいの様子がおかしい。明らかに震えている。


つばさとりおにとってはかなり疑問だ。なぜこんなに震えている?

しかも表情を見るとかなり怯えているように見えるが。

りおつばさの二人にとっても聞きなれた石垣島という地名。

誰しも石垣島という場所を聞いたら誰しもがリゾート的な光景を思い浮かべるだろう。

しかしちあきときいは違った。



「あれ?ちあき?きい?どうしたの?石垣だよ?海じゃん!自由時間とかあれば遊べるじゃん!

 なんだー、なーんか余裕っぽいじゃん!」



りおが一人でウキウキしていると、顔を真っ青にしたちあきがゆっくりと語り出した。



「りおちゃん、、つばさちゃん、、、シュトラフ知らないの、、、?

 シュトラフってね、悪いことした人とか落ちこぼれとかが強制的に行かされる「刑務所」みたいなとこなんだよ。

 海なんて行けないし見れもしないよ、、。わたしときいちゃん中等部の試験ギリギリすぎて2日間行ったんだけど死ぬかと思ったよ。ねえきいちゃん?」



「、、、は、、はい。、、と、トラウマでしゅ、、、シュトラフって名前き、、、聞いただけで、は、吐き気がしましゅ、、、。」





ちあきときいの記憶に深く刻まれているシュトラフ合宿。

りおやつばさのような優秀な生徒には縁のない場所だ。



しかし聞いただけで吐き気がするとは穏やかではない。

ちあきときいが怯えきっている中りおとつばさは冷静だった。




「面白い。行ってやろうじゃないかその合宿。」



「そうだねぇー、余裕よゆう!」



ここに来てもやはり2対2で大きく分かれる4人。


詳細の知らせは今日中に届くのだそうだ。

停学は今日からになる。

とりあえず寮内へ戻ることに。



リビングのソファーに各々腰掛け、何を話し合うわけでもなく雑談は始まる。

しかしりおはすぐにあることに気づいた。


「あのさぁ、停学って言われたけどさ『自宅謹慎』って言われてないよね?

 てことは外出ていいってことだよね?てことはだよ?遊びにいっていいってことだよね!?」



<ゴツンッッッ!!!>


つばさはすかさずりおにゲンコツを一発お見舞いした。




「いッッッッ、イッタァァァァァッッッッッ!!!!」



「いいわけないだろ!少しは考えろ!」




つばさのゲンコツはいつものことなのだがだが、

ちあきが何か物言いたげな表情だ。

他に生徒もいない静かなリビングで、りおの自分の頭を摩る音だけが聞こえていた。


しばらくするとその音はやみ、まるでそれを待っていたかのようにちあきは話し出した。




「街を元どおりにすることがそんなにいけないことなのかなぁ。事件の被害者を減らしちゃだめなのかなぁ。

 そうだとしたら私たちの魔法っていったい何ができるんだろう。」




物思いに耽るちあきは少し寂しそうな目をしている。


ちあきはちあき自身、色々な葛藤があり苦労を重ねていく中で、母親の最後の言葉と、

それによって自分たちに何をすることができるのかを考えて日々を過ごしている。

できないならできないなりに、彼女は彼女なりに頑張っているのは間違いないのだ。


ただそれが思うようにいかず、人並み以上のプレッシャーもある。

決して気は強くないちあきにとってはかなり苦しい日々といえるだろう。

やっと見つけた特別任務を否定され、またもやシュトラフへへブチ込まれてしまう。

なぜ自分はこうまでうまくいかないのだろう。


そんなちあきの心情を察し、りおはすぐに答えた。



「ちあき、あたしたちの特別任務はまだ始まったばかりなのだよ!そりゃ一つ二つ失敗や壁なんてあるさ!

 諦めないで頑張ろう!」



「りおの言う通りだ。私たちのやろうとしていることは確かに大きく途方もないことなのかもしれない。

 奇しくも禁則に触れてしまった。だけど作戦を諦める必要はない。まだまだこれからだ。何か方法を考えよう。」



「しょ、しょうですよちあきしゃん!」



ちあきは3人の言葉に胸が熱くなった。

くじけそうな時3人が支えてくてたのは今回だけではない。

むしろちあきの場合は頻繁にある。



ーピピピピピピピッッッー



4人の携帯が同時に鳴った。合宿の詳細だ。

連絡はメールで来ていた。

内容を確認してみるといたって普通のお知らせで、持ち物やおおまかな内容などが丁寧に記載されている。


例えば初日のスケジュールは朝食→講習→休憩→セミナー→休憩→矯正トレーニング→休憩→昼食→休憩→矯正トレーニング2→

休憩→入浴→夕食→就寝

といった感じだ。特に普通のスケジュールに見えるのだが、一つ気になる点といえばやたらと「休憩」が多いところぐらいだ。



「なにこれ、休憩ばっかりじゃん!全然優しいじゃん。」



「ああ、しかし何か裏がありそうな気がしないでもないが、、、。」



そんなりおとつばさとは裏腹に、ちあきときいはどんよりしている。

二人には内容がだいたい見えている。なぜ休憩が多いのかもわかっている。

しかしちあきときいは前回は2日間の合宿だった。今回は1日増えて3日間だ。

もしかしたら前回は短かったから内容が濃かったのではないかと微かな希望があった。根拠は無いのだが。



「それはそうとこれからどうする?過去に行けなくなったら何もできないよね?」


ちあきは素朴な疑問を投げかけた。

するとすぐさま言葉を返したのは意外にもきいだった。



「み、みなさしゃん、、、き、きいにか、考えがありましゅ、、。」



普段の消極的なきいからは想像もしなかった強気な意見に驚く3人。

カミカミな喋りかたとは裏腹に、その表情は自信がみなぎっているようにも見える。

全員が息を飲みその考えとやらが語られるのを待っているが一向にしゃべる様子がないきい。

しびれを切らしたりおが発言を促す。



「きい、その考えってのはどういう考え?作戦てこと?」



「さ、作戦でしゅ。で、でも今はが、合宿にしゅ、集中しましょう。か、帰ってきたら、、、はなしましゅ、、。」



きいがためている。そんなにためるほど自信があるのか。全員が同じように思った。

かなり気になるところだが確かに今は合宿に集中する時なのかもしれない。

ここはきいの作戦のクオリティを信用し、明日の出発に備えるという結論に至った。


「よーし!シュトラフだかなんだかわからないけどそんなのとっとと終わらして早く新たな作戦実行といこうじゃんか!ねえみんな!」



りおの呼びかけに頷くのはつばさただ一人だけだった。

ちあきときいは握れきれていない拳を上げきれてない位置まで上げる。

フライトは早朝のため明日は朝4時起床。


果たして4人は無事に帰ってくることができるのだろうか。

そして、秋葉原改変に向けて前進することができるのだろうか。




続く

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ