12話 ー光ー
燦然と輝く星のように、
世界中すべての光を集めても足らないほどの光を纏う者、
その名は、
ソルシエール『ソレイユ・ルヴァン』。
ーバサッッー
ちあきはその場に倒れてしまった。
他の3人はというと体の傷がみるみる内に回復し、やがて意識も戻ってきている。
りおも段々と意識がハッキリし、ようやくまともに目が開けらるようになった。
「、、んん、、、なに、、なにあれ?ソルシエ?、、、、、え?あ、、、、あれは!」
眩い光が辺りを包む中、3人は目の前に現れた伝説のソルシエールを瞬きすら忘れ見つめている。
そしてソレイユは微笑みを見せた。
そして再びプレットのほうへと視線を移す。
その瞬間、
ーオギャァァァァァァァっぁぁ、、、、、、ぁぁぁあ、、、ぁー
スーーーーーーーーーーーー、、、、、、、
プレットはゆっくりと消滅した。
「ば、ばかな!彼女は何もしていないぞ!ただ立っていただけだ!これが、、、伝説のソルシエールの力、、、、?」
意識のある3人は目の前の異常な光景に口を開いたまま言葉がでない。
そんな中ゆっくりと結界は溶けていく。
同時にソレイユも自らの光の中に消えていった。
ちあき以外の3人はゆっくり立ち上がりちあきの元へ駆け寄った。
「ちあき!ねえちあき!大丈夫!?」
「、、ん、、んん、、?あれ?みんな、、、どうしたの??」
「よかったぁぁ!!!」
ちあきは目を覚まし、ゆっくりとその体を起こした。
そして周辺を見回すと突然何かを思い出したのか、
「プレットは!?みんな!みんな大丈夫なの!?子供達は!?」
慌てふためくちあきの体はわずかばかり震えている様子だった。
悪夢のような現実とはまさにこのこと。それを目の当たりにすることはソルシエの宿命とも言える。
そしてつばさは冷静に答えた。
「私たちは大丈夫だ。ただプレットは消滅したが事件自体は消滅していない。おそらく『規模縮小型』だろう。」
「そっか。。。。」
残念そうにうつむくちあき。
プレットがに取り憑かれたものが起こしうる事件には「完全消滅型」と「規模縮小型」と
大きく分けて二種類が存在する。
「完全消滅型」とはプレットを討伐することによって事件そのものが無かったことになる。
「規模縮小型」とはプレットを討伐することにより事件の被害が小さくなることを示す。
亡くなるはずだった人が軽症で済んだり、通り魔などの事件の場合は死亡者が0、もしくは減ったりする。
この二つは主にプレットの魔力と加害者の悪意のバランスで決まり、例えば加害者に悪意が0で完全にプレットの魔力で起きた事件の場合は、完全消滅型になる場合が多い、というような仕組みになっている。
「あ、思い出した、、。確かみんな戦闘不能状態になって、、、それで、、、、。みんなどうしてそんなに平気なの?」
「なーに言ってんのちあき!ソレイユが現れたの見たでしょ?ピカーンッ!て!」
ちあきは目をまん丸くして肩を跳ね上げた。
「え!?お母さんが!?わたしたちのところに!?」
ちあきはあの間記憶が無かったのか。
あの時唯一まともに意識があったつばさだけがちあきを見ていた。
そんなことを知るよしもないりおは少し浮かれたようにソレイユのことを話している。
りおはソレイユの大ファンだ。生で見たのはこれが初めてで大興奮している。
「それでさ!ピカー!って光ってさ!ニコってしたの!そしたら私たちの体も一気に治ってプレットも一瞬で消えちゃったの!
すごいよやっぱり!さすがレジェンド!、、、てか、、、あんたさー、ほんとにあの人の娘なの??」
「あ!ひどい!りおちゃんまで!ほんとだよー!ブーッ!」
二人のやりとりを物思いに見つめるつばさ。
意識があり全てを目撃していたつばさからすればなんとも腑に落ちない感覚だ。
ー 違う、、違うぞりお、、、、。あの時ちあきはソレイユよりも先にあの光を放っていたんだ。ー
ソレイユが来てちあきは倒れた。なんだったんだ。あの時いったいなにが。。。ー
<バタッッ!>
考えても考えても答えにたどり着かない異例の事態につばさは目がまわりその場に倒れた。
「ぅ、、、ぅぅ、、、ぐるぐるぅぅぅ、、、」
「え?ちょっとつばさどしたの??目回ってるし!はははー!ヘタレーーー!」
ちあきもクスッと笑っていた。
たった5分前死を目前にしていた彼女たち。しかしいまこうして生きていられる。
いずれにせよソレイユの力というのは絶大なもので、彼女に助けられたことは事実。
彼女への感謝への気持ちとそして、、、
「み、、みなしゃん、、、、わ、笑ってる場合じゃ、なな、ないでしゅよ、、、」
「あ、うんそうだよね。そうだそうだいけないいけない!」
ー黙祷。ー
秋葉原へと戻った彼女たちには、まず話し合いが必要だった。
ソレイユのおかげで体力は全回復、怪我は完治している。
しかし精神面においては結構やられている。
このまま1日現地で休息の時間を設けるか、一度元の時間に戻るか。
4人は満場一致で元の時間軸へ戻ることを選択した。
それだけ今回の戦いで痛めた心の傷は深い。ソルシエとはいえ彼女たちはまだ中学生だ。
普通なら命の危険にさらされるようなことはほぼ無いだろう。
自分たちがソルシエの道を選んだこと、そして秋葉原の街を取り戻すという作戦を決行したことが、どれだけ大変なことかを重く痛感していた。
そしていつもの場所で円を作り、元の時間へと戻っていった。
「ぅあー!帰ろう!」
疲れきった声を出すりおに暗黙の了解で賛成の3人。
非常階段をそっと降り家路についた。
大変なのはわかっていた。命の危険にさらされるかもしれないなんてこともわ分かっていた。
でもいざ直面すると、思っていた以上の衝撃や、想定外のストレスが降り注ぐ。
それでも自分たちは負けない。逆境をバネにしなければいけない。
その気持ちは一つだ。
今日は珍しくちあきが先頭を歩く。
自分は意識は無かったが、また母親と近づくことができたのがきっと嬉しいのだろう。
歩きながら笑顔で振り返り疲れた様子の3人へ喋り掛ける
「よーし、今日は私がシチューでも作りましょう」
「お!いいなちあきのシチュー!」
「ひ、、ひさしぶりでしゅね。」
大賛成の二人に対し、りおだけは手をあげない様子だ。
それもそのはず。
「は!?なになに!?ちあきのシチュー??」
「おまえが留学してる間にちあきの馴染みのレパートリーになったんだ」
仲良し4人組に自分だけ知らない話があることが
りおにとっては無性に悔しい。
よくあるっちゃある話なのだが。
ブーブー文句を言い始めたりおをつばさは面白がってつつく。
「じゃあ食べなきゃいいだろーおまえは!」
「んんーーーー!食べる!」
歩いていく距離が増える度、4人は傷ついた心を癒し合っていく。
それはどんな強力な回復魔法よりも素晴らしい4人だけの力だ。
この4人ならどこまでも行ける。そう思っている。
だから一緒にいる。
今日までその繰り返しだったことを、それぞれが自覚していた。
ージリリリリリリリリリッッッッッッー
「ふぇ、、、もう朝??」
<ドカーーーーーーーーンッッッッッ!!!!!!ズバーーーーーーーンッッッ!!!!>
「なになに!?今の音」
強烈な爆発音で寮生全員、
寝起きの悪いりおまでもが飛び起きた。
大急ぎで窓を開けるりおたち。
ーゴォォォォォォォォォーーーーー!!!!!ー
<国見ィィ!!!!桐島ァァァ!武藤ォォ!!東山ァァァ!!!出てこいやぁぁぁ!!!!!>
外には燃え盛る炎に包まれた西園寺が立っていた。
どこからどう見てもブチ切れている様子。
この世のものとは思えない剣幕だ。
続く




