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やなせのシリーズ化には毛色が違うかな?作品集

活動報告を越えた一人言。

作者: 高岡やなせ

「模倣」…ざっくり言うと前例を真似る、という事でしょうか。辞書を引けばいいのでしょうが、今回はこの意味合いで進めます。





 自分としては「模倣」はけっして悪いことではないと思います。人によっては、


「真似てるんだから悪い」

「自分だって真似るくらいできる。もっとオリジナルを出せ」


 等と言うだろうと想像します。確かにそうだとも思います。


 では、こう言われる場合、明確に何が「悪い」のか。


 それは当然、著作権に引っ掛かるような真似の仕方である、という事です。この場合は、悪いことであり裁かれるべき犯罪なのは明白です。


 しかし。しかしそれはそれとして思うのです。


 もしも「模倣」が悪いというのであれば、自分は恋愛をジャンルとしたハッピーエンドは「王道恋物語シンデレラ」、悲恋を紡ぐなら「失恋王道マーメイド」があれば充分なのではないかと。


 流行りと言われるチート、ファンタジーだってそうです。


 例えば「日本最強剣士ももたろう」。


 彼は絵柄的にどう見ても十代。武器は刀で脇差しを入れて二本だけ。あとはのぼりと鎧とも言い切れない軽装、おばあさんがくれた吉備団子をもって旅に出掛けます。


 途中、彼は仲間に出会います。


 なんという運命。かの有名な犬、猿、雉の三匹です。


 明白な理由は知りません。おそらくかの三匹は吉備団子の魅力にとりつかれたのでしょう。しもべのように彼に従うようになります。


 しもべ…もとい仲間をえた桃太郎がそのまま鬼ヶ島へ。


 なんと村の大人が総出で敵わなかった鬼を、彼ら一人と三匹は成敗してしまいました。


 物語の中には知恵と勇気ではなく、物理的な攻撃力でその場をおさめる桃太郎の姿があります。これをチートのファンタジーと呼ばずしてなんと言いましょう?


 そう。


「昔話」です。


 解りづらいですか?


 伝わりづらいですか?


 ならば「なろう」らしく当てはめていきます。


 桃太郎は言わずもがな主人公です。職業はおそらく村の少年と推測します。これを、


「ニート」「オタク」「引きこもり」「異世界人」


 あたりに変換します。まだ足りないでしょう。次です。


 おばあさん、おじいさん。今回の場合は吉備団子ヲ与えてくれるおばあさんにスポットを浴びせます。このおばあさんを、


「女神」「召喚者」「超越した存在」


 あたりに変えると…あら不思議。吉備団子の授与が「チート能力」の授与に早変わり。


 さらにさらに三匹の仲間しもべたち。これを、


「美女」「美少女」「美幼女」×「術士」「闘士」「剣士」


 で組み合わせていきます。おや?片鱗が見えてきましたね。次です。


 最後に鬼という誰も敵わなかった巨悪を、


「秘密結社」「革命軍」「反乱軍」「世界の理不尽・不条理」「魔王軍」


 あたりに置き換えます。


 すると、どうでしょう。


 すっかり馴染みのある物語の完成です。





 と、例えを用いて少しでも伝わり、わかってもらえたと判断して続けます。


 上記のものとはいえ、書き上げること自体は至難の業だと思うのです。ズバリ簡単ではない、と。


 文章ではなく、物語である以上は

 会話とト書きのバランスが重要視されます。


 その上で面白い、と思わせる書き方、表現の仕方でないといけませんし、「一人称」「三人称」かどうかでも変わってきます。


 だからこそ、「模倣」した中で見つけて練り上げたものを「個性」とか「オリジナル」というのではないでしょうか。


 違うかもしれないけれど。自分はそう思います。





 例えが足りないという方へ 、文章以外で書き出します。


「音楽」…音をならす楽器は現在機械音以外ではずいぶんと昔に完成していると思います。皆がもとからある楽器の演奏を真似しながら、新しい音楽をつくっているのではないかと思います。


 だって音階やコード、リズムなんて変えようがないでしょうし。


「服装」…これに至れば、はく、かぶる、まくの三種類しかありません。目的をのぞけばこれ以外は「服装」、ファッションの域を越えるからです。最終的に「着る」の一言で片付けられます。


「建築物」…結局のところ屋根、柱、壁、床という不変的形式に新旧様ざまな素材を用いるかではといったところではないでしょうか。


 さて、だんだんと書きたいこと、伝えたいことが怪しくなってきたのでまとめます。


 自分としては「模倣」は決して悪い事ではない。


 言葉を借りるなら、ある建築家曰く、


「傑作とは模倣の積み重ねである」


 らしいです。大事なのは積み重ねであり、繰り返しではないということです。いいとこは真似しましょう。


 むしろ真似された側は自慢してもいいのかもしれませんね、多分。


 では、最後に。


 作者の皆さまへ。


 つまるところ、「作品を書く」ということはそういうことであり、


「面白い/面白くない」

「納得できる/納得できない」

「認められる/認められない」


 の三系統六通りだと思います。


 何より書かなきゃ始まりません。


「模倣」をおそれるよりも「未完結」をおそれる作者であってほしい人間の言葉でした。

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