3話
家のベッドの上でただ転がる。
何をするわけでもなく。
どうしてこうなってしまったのか。
俺は何故ここにいるのか。
自分の家なのにひどく居心地が悪い。
自分の匂いが染み付いた布団に嫌悪感を抱く。
恋人には出ていかせた。
もう俺に構うなと。
友人からの連絡は無視している。
これは俺の問題だ。
仕事には未だに行けていない。
体が、動かない。
いつからこうしていただろう。
いつまでこうしているのだろう。
そんなことを考えている時、ふと頭をよぎる。
こんなところにいるからダメなんじゃないか?
俺がここにいる理由。
仕事、恋人、友人。
でも、それら以上に今こうして俺が俺の問題に直面している。
この「俺の問題」を解決しないことにはどうにもならないじゃあないか。
「俺の問題」って何だ。
一流ではない事に気づいたこと?
ベストを尽くしていないことに気づいたこと?
体が動かなくなったこと?
わからない、わからない。
きっかけは、あの日に本を見かけたことかもしれない。
でも、「俺の問題」はもっと昔から在った。
それがたまたま今、現実になっただけだ。
そんな確信がある。
「俺の問題」とは。
なんなんだ。
どうしてこうなってしまったのか。
わからない。
「暗い所でジッとしてるから余計ダメなんですよ。」
いつか聞いたそんな言葉をふと思い出した。
そうだ。
こんなところで転がっているわけにもいかない。
動け。
動け!
足が、俺を支えた。
俺が立ち上がった。
フッと、思わず笑ってしまった。
何だ、簡単じゃあないか。
そんなことを思った後久しぶりに体を動かし、目的を思い出す。
どうしてこうなってしまったのか。
わからない。
でも、行かなくては。
探しに行かなくては。
ここにいてもダメだ。
ここにいたらダメになる。
ここは俺のいるべき場所じゃない。
俺のするべきこともない。
俺を必要とする人もいない。
ここにいても、迷惑になるだけだ。
だから、行かなくては。
行かなくては。
どうしてこうなってしまったのか。




