26
中途半端な水曜日に中途半端な長さでお届けします……
恋をしてる人の背景絵って色々あって。ハートが沢山の絵だったり、嫉妬で炎が見えたり、悲しみに暮れてたり。もちろん日常の中でもそんな背景絵ってしょっちゅうあるけど、恋をしてる人はどれも色鮮やかで。『世界が色付く』ってよく聞くけど、こういうことなのかなって思う。でも私は――
※※※
「…………………うん?」
突然の和泉くんの発言にびっくらこいてる一香ちゃんです。聞き間違いか?
「聞き間違いでもいい間違いでもないからな」
なぜ人の心を読む!
「小鳥遊の考えることなんてすぐわかるんだよ。……ずっと見てきたし。それこそ、こうやって話すようになる前からな」
「え、私ストーカーされてたの?」
「なんでそうなるんだっ!最初に言っただろ?小鳥遊がずっと俺のこと見て笑ってるから、なんなんだこいつって思ってたって」
そーいえばそんなようなことを言ってた気が……キリンさんの舌ベロン事件ですっかり忘れてたけど。
「最初は苛ついたりもしたけど、なんとなくわかったんだ。悪意のあるものじゃないって。そしたら今度は何がそんなに面白いのかが気になった。だからああやって問い詰めたんだ」
その割には結構怖かったよ?キリンさんで台無しだったけど。
「理由を聞いてちょっと信じられなかったけど、小鳥遊の言うことだから受け入れられた。……多分、その時からもう好きにはなってたんだ。気づいてなかっただけで。小鳥遊の顔を見てるのが楽しかった」
「…………それは私の顔が面白いとでも!?」
「そうじゃないってわかってるくせに茶化すなよ。お前のそういうとこ、好きじゃない」
なんなんだ!好きと言ったり好きじゃないと言ったり!茶化さないとこっちはいっぱいいっぱいでキャパオーバーだってちょっとは気付いて!
「……拗ねるな。可愛いだけだ」
「かっ…………!!」
可愛いだとぅ!?和泉くんのキャラが崩壊しかけているぞ!誰か大工さんか修理屋さんを呼んで!
「ぷっ……照れてる」
「照れてないやい!」
あ~もう!調子狂うなぁーー!