25
と、いうわけで。
アリーちゃんとデートしにショッピングセンターにやってきました~。
なんでも、そろそろフランスに帰らなくてはいけないみたいで、お友だちに日本土産を買うのを手伝ってとのことだったから快くOKしたわけさ。
もっちろん付属品という名の和泉くんも一緒に。というか、こうなることはわかってたんだよね。アリーちゃんの天使と悪魔が、
『これで二人とも仲直りね!』『別にそんなことしなくてもいいんじゃない?』
っていうやり取りしてたから。
実際感謝してるし。このままじゃいけないのは自分でもよくわかってたから。
「ねぇイチカ!これなんかいいんじゃないかしら!」
「とっても日本らしいけど、とりあえずやめておいた方がいいと思うな!」
なんでわざわざ雛人形選ぶかな!しかも7段飾りの!
え~可愛いのに~とぶつくさ言いながらも別の物を見にあっちへふらふら、こっちへふらふら。アリーちゃんに着いていくのと暴買いを止めるので精一杯な私たちはほとんど話が出来てない。これじゃあ謝れない……!
「ハッ!忍者セットってここにはないのかしら!?」
「ないと思うな!」
「ちょっとあのinformationで聞いてくるわ!待ってて!」
さすがです。まさかのインフォメーションが英語読み。ちょっといろいろ教えてもらっておけば良かった!
アリーちゃんが受付のお姉さんを盛大に困らせてる間、私たちは座って待っていることにした。
謝るなら今謝るなら今。もしかしたら、アリーちゃんが時間を作ってくれているのかもしれないし。ってか小学生に気を遣わせる私って……。
「……………………ぬあの!」
「は?」
おーまいごっと!緊張しすぎてなんか噛んだ!『ぬあの』って何よ『ぬあの』って!
仕切り直しを!
「コホン。…………あの、えっと、」
「ごめんな」
「はひ?」
なんで和泉くんが謝るのさ。謝るのは、勝手に怒って勝手に無視を決め込んだ私でしょ?完全無欠で私が悪いでしょ?
「小鳥遊だって、触れられたくないことあるに決まってるのに、そういう配慮足りなかった。ゴメン。今度からは気を付ける。でも、でも……俺は、小鳥遊の全部を知りたいと思う。関係ないって言われても、俺の自己満足だって言われても、俺は知りたいよ。小鳥遊のこと。お前が、好きだから」
「………………うん?」




