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特別番外編

自分が休みなので世間一般も休みだと思い込んでいるさくらぶしです。

ホワイトデーがちかいので、今回はバレンタインデー話です(ホワイトデーではない)。本編関係なし。

「和泉くん、ちょっと面貸しな」


今日はバレンタインデー。ニーやヤスに作ったように、和泉くんにももちろんチョコを用意していたし、皆に配るついでに和泉くんにも渡そうと思ったのになぜかニーが


『そこは二人っきりの時に渡してあげなよ!』


とかなんとか言ってきたので、よくわかんないけど呼び出してはみた。が。

……歩く度に次から次へと足止めをくらって、そろそろ本気でうんざりしてくる一香ちゃんです。


「和泉くん!これ……あの、」

「ぎ、義理チョコなんだからね!?本命なんかじゃないんだからね!?」

「和泉くんの顔に見立てて作ってみたの。似てるかな?」

「いずみくん……たべて……」

「ひなたくん!手作りチョコだよ!皆には内緒ね!ひなたくんだけ特別なんだよ?」

「和泉くん、やっぱり先に帰ってるね?」


あ、最後のは私です。

こんな風に呼び止められてはチョコやらなんやらを渡されて、それを和泉くんが突っ返す、を繰り返してたら誰でもうんざりしちゃうよね☆

しかし和泉くん、やっぱモテモテなのね。でも突っ返すことないのに……。


「待て小鳥遊、もう終わる、もう絶対終わるから!」


そんなに必死にならなくて大丈夫だよ?


「あ、待っ……いやだから受け取れないって、小鳥遊!待てって!ごめん俺急いでるから!」


置いてくから☆

そもそもにして、二人っきりで渡すこと自体が土台無理な話ですよねー。なんていったって、学校一のイケメン・和泉くんだもん。バレンタインデーなんて入れ食い状態なのは分かっていたさ。だからさっさと渡したかったのに!


「小鳥遊、悪かったって。もう絶対捕まらないから!」

「別に~?モテモテな和泉くんがこうなるのは分かってたし?私なんか気にせずハーレムってきていいんだよ?」

「……怒ってる?」

「私が怒る理由がどこにあるのさ」


怒ってなんかいない。絶対に!!


「とりあえず学校(ここ)じゃ落ち着かないから、俺の家来る?母さんも小鳥遊に会いたがってたし」

「いやそれはちょっと……」


和泉くんのお母様がいる前でチョコを渡すのはね、気まずいよね……。


「…………これ、渡したかっただけだから」


無造作に渡したのは手作りチョコ。皆のと同じな様で、同じじゃ……何でもない。


「………………」

「……?」


受け取ったものの、何も言ってこない和泉くん。迷惑だった?


「いらないんなら別に」

「っ!いらなくない!むしろ欲しかった!小鳥遊ありがとう!」

「ど、どういたしまして」


すんごい勢いで言われて、ちょっと仰け反る。どうした?


「小鳥遊から貰えると思ってなかったから……」

「…………そんなわけないじゃん。だって私たち――――」



*・*・*・*・*・*


「ホワイトデーは7倍返しね☆」

「多くないかっ?」


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