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むかーしむかし、一人の少女がおりました。その少女には大親友と呼べる女の子がおり、二人の間には知らないことなんかないというぐらい仲良しでした。しかし、少女には1つだけ、他の人には話してはいけない秘密がありました。その秘密を打ち明けた時、女の子は――――――



*******


「はい、じゃあ次バレーやりたい人ー」

「はーい!小鳥遊さんがいいと思いまーす!」


こんにちは。皆のアイドル、一香ちゃんだよ☆ウフフッ!……あ、サーセン。冗談です。現実逃避です。

アリーちゃん、アリーくん?アーロンちゃんアーロンくん……えぇい、アリーちゃんで!

アリーちゃんから多大なる衝撃を受けて数日。今じゃ学校中の人気者と化しています。

毎日毎日放課後になると突撃☆学校訪問をして私に纏わりついてくる。そんで和泉くんが首根っこを捕まえて引きずって帰るっていうのがここ最近の見慣れた風景である。

兄妹のような気安さが、和泉くんの『孤高の王子様』像を打ち砕き、今では微笑ましいというか生暖かい眼差しが向けられている。善きことかな。


でも何より吃驚したのが、アリーちゃんを見た影永が『なにこのちんまいの』と不用意に放った言葉に対して、『ちんまいのはあなたじゃなくって?』とこういう態勢→orzにさせた影永の背中に足を乗っけて見事影永を屈服させたアリーちゃんである。その瞬間、アリーちゃんの天使と悪魔が綱引きの如くブチッと理性をぶったぎったのは私だけが知る事実。そしてそれに対して影永の犬耳と尻尾(まだ視えてる)はへたりこんでブルブル震えてた。これで尻尾がふりふりされてたら『お前Mかっ!』と突っ込んでいたに違いない。


そんな嵐のようなアリーちゃんの登場でほぼ忘れていたけど、嫌がらせ事件が一応の収束を見せたことをニーに報告した際に『こんの薄情者っ!』と泣かれたのは苦い思い出です。だって私の問題に関わらせたくなかったからー……すんません。


そして今、現実逃避してる先で現実が進んでいる訳ですが、これはいよいよ来週に迫った球技大会の競技決めです。これが今の時期にあるおかげで秋には文化祭しかない。よかった。走るの苦手だから、体育祭のリレーとか参加せずに済む。

しかしこの球技大会、クラス対抗だからなのか、最後はクラス全員(担任込み)で大縄飛びをするのだ。……え、なぜドッチボールとかじゃなくて大縄!?球ないけどいいのっ!?解せぬ。

まぁそれはいいとして、競技決めで必ずと言っていいほど私は意見を求められない。なぜなら、運動部に属しているわけでもない私が大活躍出来るのがバレーかバスケと決まっているから。ちょーっと平均より背が高いため、いるだけでOKという身長特化の球技に出させられるから。威圧的抜群☆って余計なお世話だよ!

なので今現実逃避しててもモーマンタイ。勝手にサクサク決めれてしまうんだなー。


「いや、小鳥遊さんはバスケがいいと思う!あの身長だけでゴール下は安心だよ!」

「バレーでもネット前に立つだけですごい威力なんだから!これは譲れません!」

「バスケ!」

「バレー!」


…………あの、人を巨人扱いするのはやめてもらっていいですか?そろそら泣きます。


「なら間を取ってサッカーのゴールキーパーで!ゴールが小さく見えること間違いなし!」


だから!


「バスケ!」

「バレー!」

「サッカー!」

「……小鳥遊、人気者だな」


うるさいよ和泉くん黙ってて。しくしく

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