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「私はいず……日向くんのクラスメイトで、小鳥遊一香です。日向くんにはお世話になってます」
お世話もしてるけどね!
っていうのはちゃんと心の中だけに留めておいて、自己紹介する。
すると何を思ったのか、和泉くんのお母さんの眼が……すんごいキラキラしてるんだけど。なんで?
「まぁまぁまぁ!貴女が一香ちゃんなのね!?そうなのそうなの~。ひなちゃんってば、こんな可愛い子を……ふふっ!一香ちゃん、私のことはぜひお義母さんって呼んでね?さぁさ、こんなところで立ち話もなんですから、上がってちょうだい!」
意外と押しの強い和泉くんのお母さんにより和泉家と押し込まれました。おふぅ。背中を押す力が半端なかったゼィ……。
「イチカこっちへ来て!ヒナタの部屋を見せてあげるわ!」
元気よく2階に駆け出すアリーちゃん。……ちら?
「……いーよ、見に行けよ。見られて困るもんなんてないし」
ほほぅ?言ったね?言ってしまったね?絶対見つけてやる!
お邪魔しまーすと上がってアリーちゃんがいるであろう2階へ向かう。途中で和泉くん母にジュース用意するから後で降りてきてねと声をかけてもらって、初の男子部屋に入る。その感想は。
「…………なんていうか、きれいにしてるね?」
むしろ私の部屋よりすっきりしてる。
あまり物を持たない性格なのか、散らかっている様子のない整理整頓された部屋。和泉くんらしいといえばらしいけど。
「ヒナタってば、どこに隠しているのかエロ本のひとつも見あたらないのよ?ゼッタイベッドの下だとおもったのに!」
いやいやアリーちゃん。
「それなら私的には引き出しの奥とかだと思うんだよね。しかもアリーちゃんが届かないような」
あとは屋根裏とか?サ○エさんの某イタズラ坊主がよくやるような手口は、逆に私がやってみたい!
「………………な・に・や・っ・て・る・ん・だ?」
「そんなの当然エロ本探し…………」
んん?もしやこの声音は……
ぎこちなく振り返れば当然、
笑った顔にゴゴゴッというマグマを抱えた和泉くん。
お、怒ってる?ゴメンナサイ。