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習い事が多忙を極めているため、短めです。
アリーちゃん(その後ご本人から『特別にアリーって呼んでもいいわ!』とお許しを頂きました)に連れられてやってきた場所は、
「結構なお花畑だね……」
そう言わざるを得ないぐらいの花・花・花!がいっぱい咲き誇ったお家でした。しかも咲いてる種類がパンジー。これってまさか、
「ココが今ワタシがお世話になってるヒナタのお家よ!エンリョせずにあがって!」
だよねー!パンジー見た瞬間からなんとなくわかってたー!
前に和泉くん言ってたもんね。お母さんがパンジー好きだって。多分そのせいで和泉くんの後ろにもパンジーが咲いちゃってるんだもんね。ぷぷっ。
「ってか和泉くんのお家だよね?遠慮はとりあえずしておくわ」
うん。帰ろう。ここで上がる理由がないし。
「ダメよ!イチカはワタシとお話しなくっちゃ!」
『イチカも忙しいんだから、引き留めてはワルいわ』
『ゴウインぐらいがちょうどいいんだって!グイグイいけ~』
「おねがいイチカ。ワタシ、ニホンに来たばっかりでサミシイの。いっしょにお話しましょ?」
び、美少女がうるうるお目目を上目使いさせてるだって……!?いやでも、和泉くんだって迷惑だと思うし……
「アリーもこう言ってるし、ちょっとぐらい上がっていけよ」
まさかの和泉くんから援護射撃。うむむ。こういうの好きじゃなさそうだと思ったんだけどなぁ。
私がどうするか悩んでいると、玄関のドアが開いて一人の可愛らしい女性が出てきた。和泉くんのお姉さん……?
「まぁまぁアリーちゃん、おかえりなさい。日向も。本当に迎えに行ってたのねぇ」
「母さん、知ってたなら一緒に来てよ……アリーが迷子になったらどーすんだ」
え。え?えぇぇぇーーー!?
「お、お母さん!?お姉さんじゃなくて!?」
「どう見たって母親だろ。こんな老けた姉はいない」
「ひなちゃんってばヒド~イ!ママに向かって老けてるなんて!ママ泣いちゃうわよ?」
「ひなちゃん言うな」
ひなちゃん……ぷぷっ。
「ところで、そちらの可愛い女の子はだあれ?もしかして、ひなちゃんの彼女っ!?はじめまして~日向の母です~まりえって呼んでね?」
「違います」
「違うわよ!」
「…………」
そこは否定しようよ、和泉くん。