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ちょっと早いですが、メニークルシミマス!
実力テストの順位が発表されました!この学校は30位までなら順位を貼り出される。まぁほとんどは進学クラスの人間なんだけど。
そして!栄光の一位は……!ドゥルドゥルドゥルドゥルドゥルドゥルドンッ!
我が友人和泉くんでしたー!
おめでとー!去年から全く変わらない結果だから予想はしてたけど、流石ですっ!
私は15位。これでも中々スゴい方なんだからね?(ちなみにニーは5位、ヤスは12位。……今回は!だからね!?)
そしてなんとなんと。和泉くんに勝負を申し出てた影永クンはと言うと……
29位でした!
すごい、すごいよ影永!いつもは順位表に載ることもないのに、2年になっていきなりこれって!勝負には負けたけど、十分すごいことだよ!
「ボク、ボクの名前……」
「載ってるよ!すごいじゃん!やったじゃん!」
「…………ありがとう小鳥遊さん!」
おふぅ。いきなり抱き付かないで。ニーじゃないんだから。
「小鳥遊さんのおかげだ!あの日小鳥遊さんに逢ったから、だからここまで点数が上がったんだ!ありがとう!」
??私何もしてないけど。まぁいっか。
「いつまで引っ付いてんだ!」
私から影永を引っぺがしてくれたのは、堂々一位の和泉くん。ありがとう、ちょっと苦しかったんだよね。
「邪魔しないでくれよ」
「とことん邪魔してやるよ。それより、俺の勝ちな。影永」
「そうだね、ボクの負けだよ。和泉くん。でもそれ以上のモノが手に入ったから別にいいよ」
「それ以上のモノ?」
「うん。小鳥遊さん、また勉強教えてね?」
「いいよー。私の復習にもなるし」
「じゃあ『あの』図書館で待ってるからね」
そう言って影永は機嫌良さそうに自分の教室に戻っていった。……あ、尻尾が千切れんばかりに振られてる。よっぽど嬉しかったんだろうなぁ。努力が報われて良かったね!
「『あの』ってなんだ?」
「んー?うちの近くの図書館。テスト前にそこで偶然会って、勉強教えてあげたんだー。そしたらなんか懐かれた」
「ふ~ん……」
??なんでちょっと不機嫌?
「ってかニー。気配消しすぎじゃない?」
「あ、バレた?」
いつもの4人で(私・ニー・和泉くん・ヤス)順位表見に来たんだけど、影永が割り込んで来てから一言も喋らなかったニーとヤス。なんでそんなニマニマしてんのさ。
「いや~甘酸っぱい青春って楽しいなぁって!」
「なにが甘酸っぱいのかさっぱりなんですけど。ってか青春はそっちの方でしょ」
「んや~~!何を言っちゃってるのかな!?一香ってばまったくぅ~~」
おぉ!久しぶりに視たよ、焦って水分飛ばしてる人。
こんなにニーが焦っているのにはもちろん訳がある。それは、ニーがヤスに恋してるから。今だってちゃっかりヤスの隣をキープしてるニーは、どこからどう見ても青春真っ盛りって感じ。でもヤスが気付くことはない。なぜならにぶちんだから!
「?どういうことだ?」
あらイヤだ。ここにもにぶちんがいるわ。
「和泉くん……鈍いんだね」
「絶対小鳥遊には言われたくないわっ!」
なんでさ。
※※
先日からまた部活解禁してる訳だけど、困ったと言うか、悪いなっていうことが一つ発生してます。それは、
「和泉くん、また待っててくれたの?」
「先生に質問してたら偶々この時間になっただけだって言ったろ」
和泉くんが送ってくれること。理由はもちろんあのちまっこい嫌がらせのせい。大したことないって言ってるのに、心配してくれてるみたいです。
「やっぱり和泉くんはツンデレなの?」
「なんだそれ。いつから俺ジョブチェンしたんだ」
ジョブチェンってか最初っからな気もするけど。
「遠回りになるからいいよって言ってるのに」
「…………迷惑なのか?」
いや、そんなしょんぼりされても。キリンさんも目を伏せてるよ。相変わらず睫毛長くてうらやまだわー。
「迷惑じゃないよ?むしろ私が迷惑かけてる方でしょ」
「俺が良いって言ってんだから気にすんな。そんなことより、確たる証拠はまだ掴めないのか?」
「んー、そうだねぇ……」
なんかそろそろどうでも良くなってきたって言ったら怒るかな。
「なんで小鳥遊なんだろうな。お前、すごいイイヤツなのに」
あらまぁ嬉しいこと言ってくれるじゃない。……何処のおばさんキャラよ。
「ま、理由なんてその人しか分かんないでしょ。もしかしたら知らないうちに傷付けてたのかもしれないし」
完全なる被害妄想っていう気もするけどね!
「そんなもんかな」
「そんなもんよ」
「………………ところで、俺一位取ったけど」
「そーだね。おめっとさん」
「軽っ!それだけ!?」
「なんか要求するなら私じゃなくて影永にしなよー。勝負に勝ったんだし」
「あいつとはまだ球技大会が残ってるから……それに勝ったら、その、あっと……」
あっと、マーク?なにそれ。
「一緒に……で、でー」
「一緒に出掛けよっか」
「うぇ!?」
「振休じゃん?遊園地とかめっちゃ空いてそー!一緒に行こうよ!」
私、ジェットコースター大好きなんだよね!
「お、おう?」
「じゃあ決まり!どこのジェットコースターに乗る?うわー、すんごい楽しみ!」
「……何処でも、小鳥遊となら」
「ほんと!?ならちょっと遠くまで行ってみよっか!ニーのお兄さんに車出してもらって!」
「……え?高橋?」
「そ。ニーのお兄さんドライブ好きだから結構色んなとこ連れてってくれるんだ~」
「……なんで高橋?」
「え?ニーとヤスも行くからでしょ?」
「……………………」
なんでorzの格好してんの?
メリークリスマス!